「役を憑依させることも大好きですが、佐々木李子としての音楽も、高みを目指していきたい」──佐々木李子さんニューシングル「Palette Days」メールインタビュー
『BanG Dream! Ave Mujica』三角初華/ドロリス役として、またある時は『デリシャスパーティ プリキュア』のエンディング主題歌を歌うプリキュアシンガーとして、さまざまな顔を持つ佐々木李子さんが、昨年、Lantisからアーティストとして新たな一歩を踏み出した。この1年、ファン(=トリコ)との出会い、楽曲制作、ライブ活動――すべてが新鮮で刺激的な時間だったと語る彼女は、音楽とお芝居で色とりどりの表現を深め続けている。
ニューシングル「Palette Days」は、自身が声優としても参加しているTVアニメ『日本へようこそエルフさん。』のオープニング主題歌。好きなものや思い出、色とりどりの感情を心のパレットに並べたようなハートフルな楽曲となった。さらに本作をタイトルとしたシングルには佐々木さん自身が作詞・作曲を手がけた「君と僕の星」を含む全3曲を収録。ミュイ役として作品に挑む姿勢、最新作に詰まったこだわりについてなど、音楽と演技、二つの軸で躍進を続ける彼女の"今"に迫った。
【写真】佐々木李子「Palette Days」メールインタビュー
「Palette Days」は優しくハートフルに
──昨年、新たにLantisからデビューを果たしましたが、振り返ってみてどのような期間になりましたか? アーティスト活動を通じて感じたことや、新たな挑戦があれば教えてください。
佐々木李子さん(以下、佐々木):たくさんの素敵な出会いがありました!
デビューシングルをリリースして様々な場所でイベントを開催させていただいたので、初めましての方や変わらず応援してくださるファンの皆さんと直接お会いすることができて嬉しかったです!
そして心強いスタッフさんとの絆も深まっていきました! なんでも相談できる頼もしい皆さんと一緒に、もっともっと佐々木李子を世界中に発信していきたいです!
お芝居や役を憑依させることも大好きですが、佐々木李子としての音楽も、高みを目指してもっと極めて、心に響く歌を届けていきたい!という想いが強まりました。
──「Palette Days」について聞かせてください。まず、TVアニメ『日本へようこそエルフさん。』のオープニング主題歌に「Palette Days」が決まったときの気持ちを教えてください。声優としてミュイ役も演じられる中で、作品に対する思いがどのように反映されましたか?
佐々木:ミュイ役のオーディションに合格した時も嬉しかったですし、さらにオープニング主題歌も担当させていただけるなんて! 飛び上がるほどの喜びでした。
ミュイは猫族の男の子で可愛らしく、さらに魔石を扱える特殊な力を持っているキャラクターです。その魅力を存分にお届けできるよう、原作を読み込んだり、猫の動画を見て鳴き声を研究したり、一生懸命練習しました!
作品の特徴である平和な癒し要素と、ドキドキな異世界での冒険の要素のグラデーションを楽しんでいただきたいです。
──「Palette Days」は、オープニングでありながらもエンディングのような壮大なミディアムナンバーですが、楽曲としてどのような世界観を大切にしましたか? 制作やレコーディングのエピソードをうかがえたらと思います。
佐々木:初めて『日本へようこそエルフさん。』を読んだ時の、ちょっぴり不思議であたたかい雰囲気を楽曲でもお届けしたかったので、優しくハートフルに歌いました。
知らない場所や新しいことに初めて触れるときの、ドキドキするけど同時にワクワクするような高まり。新たな扉が開いて、素敵で広大な景色の中で歌っているイメージでレコーディングしました。
前作の「Windshifter」では、スタッフさんと細かく話し合って、色んな方の意見を取り入れながらレコーディングしていましたが、今回は、自分が思い描いたビジョンやインスピレーションを信じて、言葉一つ一つを大切に、のびのび自由に歌いました。
「Palette Days」MV秘話
──「Palette Days「Palette Days」のMVは栃木県塩谷町で撮影されています。自然豊かなロケーションでの撮影はいかがでしたか? 特に印象に残っているエピソードを教えてください。
佐々木:とにかく紅葉が綺麗でした!
広大な牧場の大きな木の下で、そよ風や木漏れ日を感じながら撮影するシーンでは、自然と一体になっている感覚がして心地よかったです。
白い衣装の方はエルフさんをイメージして、ふわふわと風になびく薄手の素材だったので、とても寒かったのが印象的でした。でも撮影が始まると、「Palette Days」の曲のあたたかさに包まれて、寒さを感じないいい表情ができたかなと思います。
そして、おそらく牧場の方が、時々遠くで静かに見守ってくださっていたのも印象に残っています。この素敵な場所で絶対にいい作品を作るぞ!!とさらにやる気が湧いてきました。
──またMVの中で登場する「お弁当」もこの作品ならではですよね! 撮影時の思い出やエピソードがあれば教えてください。もし佐々木さんの「お弁当」にまつわる学生時代の記憶等ございましたらお知らせください。
佐々木:原作にも登場するお弁当を再現してくださっていて、感動しました!桜でんぶやタコさんウィンナーなどは、食べる撮影が終わるたびに予備が補充されていくので、ついつい食べすぎてしまいそうになりました。スタッフさんが手作りで持ってきてくださったので、心がこもっていてとてもとても美味しかったです!
学生時代の遠足や運動会の日は、お弁当が一番の楽しみでした。えびグラタンが大好きで、絶対にいれてもらうようにお願いしていました。ピングーの顔が描かれた丸い3段ランチボックスで、いつもお肉料理が入っていた記憶があります。お母さんからの、パワーが出るように、という想いが込められていてとても美味しかったです。
──BD収録の“Sasaki Rico presents エルフさんおもてなしプラン”は、どのような内容になっていますか? 企画に込めた思いや見どころを教えてください。
佐々木:『日本へようこそエルフさん。』といえば、主人公の一廣がエルフさんに日本の文化や食べ物を紹介していくストーリーが魅力の一つです。それにちなんで、もしも私がエルフさんをおもてなしするとしたらどんなプランを立てるのか、大きなキャンバスにイラストで表現しました。
朝起きてから夜寝るまでの一日を通して、一緒に日本の良さを感じられる場所に行ったり、私がおすすめしたい大好きなお店に行ったり、絵の具を使ってイメージを大胆に形にしていきました。大きなキャンバスにカラフルに描いたので、迫力満点に仕上がっています。完成した作品を見たファンの皆さんの反応も楽しみです。
私が頑張れているのはトリコたちのおかげ
──カップリング曲「Daydreamin’」はエネルギッシュで、音楽やライブを込めた歌なんだなと感じました。コール&レスポンスも印象的な楽曲ですが、制作時にどのようなイメージを大切にしましたか?
佐々木:佐々木レコーディング時は、今ライブをしていて、目の前にトリコ(ファンの名称)がいるイメージで歌いました。直接向かい合って生の歌を届けられる喜びと、その瞬間にしか聞けないみんなの声を思い出して、拳をあげたり体を動かしながらエネルギッシュにレコーディングしました。
サビの掛け声は、マネージャーさんやスタッフさんと一緒にブースにはいって、それぞれの楽しい気持ちで叫んだので、その部分は聴くたびに皆さんの顔が浮かんできて元気が出てきます。ここはトリコのみんなにも思う存分叫んでもらって、コールアンドレスポンスを楽しみたいです!
──〈「ありがとう」を繋いで作るメロディ〉など、とても素敵な言葉だなと感じました。聴きどころやライブで表現したいポイントを教えてください。
佐々木:日々、私が頑張れているのはトリコたちのおかげです。落ち込んだ時や自信がなくなりそうな時は、みんなから受け取ったファンレターやSNSのコメントを読んだり、ファンアートイラストなどを見にいきます。日々の感謝の気持ちを、歌でお返ししたい!といつも思っているので、このフレーズは特にお気に入りです。
コロナ禍でなかなかライブができなかった時期も乗り越えて、会いたい・ライブがしたい気持ちがより一層強まっている今、とにかくこの瞬間をみんなで共有しながら楽しみたいと思っています。
──「君と僕の星」は作詞、さらに佐藤厚仁さんとのコライトで作曲にも携わられていますが、制作において特に心がけたことは何でしょうか? エモーショナルかつ、少し切なさを感じるような、まっすぐな願いが込められた楽曲という印象を受けました。歌詞に込めた思いや、メロディラインで大切にしたポイントをお聞かせください。
佐々木:「君と僕の星」は、ライブ終わりの帰り道のような、ちょっぴり切なく、でも楽しい思い出があるからまた明日から頑張れる、そんな楽曲です。出逢いがあれば別れは必然かもしれないけど、寂しい気持ちがあるから、一緒に過ごした幸せな思い出を大切にできるし、自分を強くさせてくれる。マイナスだと思う感情でも、ポジティブに変えることができる、また新たな一歩を踏み出すことはできるんだよ、という願いを込めて作詞作曲しました。
聞いている人の想像力がふくらむように、あえて曖昧な表現をしてみたり、楽器の音数もシンプルにしていただいたり、何度も自分の思い描く要望を伝えて、試行錯誤していきました。
流れ星のような楽曲に仕上がって嬉しいです。
トリコと一緒にもっと広い景色を目指して羽ばたいていきたい
──ミュイ役としての演技と、「Palette Days」を歌うアーティストとしての表現、それぞれで意識していることの違いはありますか?また、お互いに影響を与えた部分があればお聞かせください。
佐々木:お芝居も歌も、通ずるところがたくさんあると感じます。ただ譜面通りに歌うのではなく、心を込めて曲のメッセージを表現して、自分も聴いている人もその曲の世界に入り込める歌を届けたい、と思いながら歌っています。お芝居も同じで、ただセリフを喋るだけじゃなくて、その言葉の奥に秘められた意味を考えながら表現しています。
ミュイ役としてお芝居をしている時は、ミュイを自分の中に下ろすイメージでキャラクターを憑依させているので、佐々木李子の人生ではなく、その子の人生を歩んでいるという想像をしながら演じさせていただきました。
──ところで、作品においてマリーは思いがけず訪れた日本の文化にワクワクしています。また、ウリドラとはカツ丼を通じて仲良くなり、そしてそれがミュイを助けるきっかけにもつながってます。佐々木さんご自身が「日本のいいところ」をマリーに紹介するとしたら、どのような魅力を伝えたいですか?
佐々木:奥ゆかしさ、です!
京都は特に、日本のわびさびや奥ゆかしさを感じるので、是非行ってみてほしいです!そこに居るだけで心が洗われる、穏やかな気持ちになれる神聖な場所がたくさんあるので私も大好きです。ゆっくりと静かに、時間の移ろいを感じながらマリーちゃんと一緒に歩きたい町です。
他にも、「あなたのことが好きです!」と伝えるのではなく、 「月が綺麗ですね」と、密かに好きという気持ちを伝えられる、繊細な日本語の表現は魅力的だなと思います。
──今年挑戦してみたいことや、アーティスト・声優としての目標を教えてください。
佐々木:プライベートだと、滝行とスカイダイビングです。今だからこそ自分自身を見つめ直し、限界突破したいです。常にアンテナを張って、気になることは積極的にチャレンジしていきたいと思っています。
アーティストとしては、胸を張って大成功と言えるワンマンライブを届けて、さらに大規模に開催できるような、次に繋がる活動をし続けること。そして、心に響く歌を届けられる、世界に通用するアーティストになりたいです!
歌手としても声優としても、一つ一つの経験を次に繋げて、トリコと一緒にもっと広い景色を目指して、前へ上へとはばたいていきます!
[構成・逆井マリ]
「Palette Days」
【発売日】2025年2月26日
【価格】
アーティスト盤(CD+BD):3,300円(税込)
アニメ盤(CDのみ):1,650円(税込)
≪収録内容≫
【CD】
1. Palette Days
TVアニメ『日本へようこそエルフさん。』オープニング主題歌
作詞:真崎エリカ/作曲・編曲:KOUGA
2. Daydreamin’
作詞・作曲・編曲:鶴﨑輝一
3. 君と僕の星
作詞・作曲:佐々木李子/編曲:佐藤厚仁
【BD】※アーティスト盤のみ
1.「Palette Days」 Music Video
2.Music Video Making
3. Sasaki Rico presents “エルフさんおもてなしプラン”