【作家さん!いらっしゃい】絵本を自費出版したしみず久安さん(御前崎市)に聞く、初めての本作り
本ができるまでの経緯、周囲からの反響などをインタビューしました!
プロ・アマ問わず、本を執筆した作家さんの想いや本音、本作りの裏側などをインタビュー形式でお伝えする「作家さん!いらっしゃい」。第2回のゲストは、このほど絵本「キクちゃん はじめての登山」を静岡新聞社から自費出版した、しみず久安さん(御前崎市在住)です。本ができるまでの経緯や、出版後の反響・感想などについて聞きました。
(聞き手:編集担当タッキー)
きっかけは絵本講座。作品をベースに文章と絵を再製作
―しみずさんが絵本を自費出版しようと考えたきっかけは何ですか?
しみず:還暦を迎えたあたりですか、何か自分の記念にというか、形あるものを残したいなと思いました。元々漫画が好きで、子供の頃描いたり読んだりしていて、漫画を出すのがちょっとした夢でもあったんです。
そんな時、御前崎市の図書館が主催する「手作り絵本講座」というのがありまして、講師の先生を知っていたこともあって受講しました。世界でたった一つしかないオリジナルの絵本が出来上がった時、絵本なら自費出版できるんじゃないかなと思ったんです。
―実際に本を作っていて楽しかったことや苦労したことを教えてください。
しみず:初めて作った絵本が世に出せる形になることが本当に嬉しかったです。ただ、きれいに印刷するためにもう一度絵を描き直した方がいいということで、ペン入れの方は意外とスムーズに行ったのですが、その後の色塗りが大変でした。
塗りやすいし失敗も少ないかなと思って色鉛筆にしてみたら、塗るのにすごく時間がかかってしまったんです。それに色鉛筆は塗り方によって、色の出方が変わってくることもあり、試行錯誤しながら塗るような感じでした。
書店に並んだ自分の本に、喜びもひとしお
―本作りを進めていく中で、印象に残っていることはありますか?
しみず:1ページ1ページ仕上がっていくごとにワクワクしてきましたね。今回一番強く記憶に残っているのは、色の確認と調整のために印刷所へ行ったことです。あれは忘れないですね。
印刷所の担当者さんがこちらの意向を丁寧に確認しながらテスト印刷をしてくれて、本当にありがたかったなと思います。いい経験をさせていただきました。
本屋さんに並ぶ前に、大変お世話になった手作り絵本講座の先生に1冊寄贈させていただきました。先生は自分のことのように喜んでくれて、大変ありがたかったです。
地元の図書館や小学校にも寄贈して、皆さんに喜んでいただいたことが嬉しかったし、親しい友人からも「おめでとう」とお祝いの言葉をもらいました。実際に本屋さんにも行ってみました。やっぱり嬉しかったですね、自分の本が本屋さんに並んでるっていうのは。照れくさい部分と嬉しい部分がありました。
―これから自費出版を考えている人へのメッセージをお願いします。
しみず:自費出版をしようか迷っている人って、たくさんいると思うんです。私も、まず門を叩くのが恐れ多いと思っていましたが、電話して打ち合わせをさせてもらって、すごく背中を押してもらえました。夢のような話ですよね、自分の本が世に出回るって。ちょっとでも自分の中に「本を出してみたい」という思いがあるなら、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。
■著者紹介:しみず久安(しみずひさやす)
1961年菊川市生まれ。御前崎市在住。2022年に菊川市役所を定年退職後、就農。趣味は絵を描くこと、低山登山、サイクリングなど。
お父さんと一緒にはじめて山に登るキクちゃんの一日を、親しみやすい文章と絵で描いた。親子で山登りに行きたくなる一冊。
静岡新聞社発行、A5判32頁、定価1,100円(税込)
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