夏の不調は冷え性が原因かも。意外と多い“夏の冷え性”の手軽な対策はこれ!
ジリジリと太陽が照りつける暑い夏。
一見冷えとは関係なさそうに見えますが、じつは夏こそ冷え性に気をつけなければならない季節です。
今回は夏の冷え性についてその原因と対策を紹介します。
夏に冷え性になってしまう原因は?
夏の冷え性は「エアコン」と「冷たいものの摂りすぎ」が主な原因です。
移動中の電車の中、職場の事務所、外出先のショッピングモールなど、今の時代どこでもエアコンが効いています。
また、暑い夏には冷たい食べものや飲みものを選びがち。
アイスやビールやそうめんなど、1日中冷たいものを口にしていませんか?
このように、エアコンが効いた場所で長時間過ごしたり、冷たいものばかり摂取したりしていると、夏であっても冷え性になってしまうのです。
夏の冷え性が引き起こす不調とは?
夏の冷え性の症状は、胃もたれ、下痢、便秘など消化器系の不調があげられます。
からだが冷えることで内臓がうまく働かなくなり、消化機能が低下してしまうのが原因です。
それだけでなく、からだが冷えると、夏の暑さに適応するために必要以上のエネルギーを使わなければなりません。
その結果、エネルギー不足に陥り、食欲低下、倦怠感、頭痛、めまいなど、夏バテの症状を引き起こしてしまうこともあるのです。
夏の冷え性を改善する方法を紹介
夏の冷え性を改善するためには、内側からからだを温めることが大切です。
自分にあったものを見つけて実践してみましょう。
1. からだを温める食材を摂る
食事の際には、常温、もしくは温かいものを選びましょう。
どうしても冷たいものが欲しいときは、その前後に温かいものを飲んでからだを冷やさないように対策するのをおすすめします。
また、食材選びも大切です。
東洋医学では、からだを温める食材を「陽」の食材と呼びます。
陽の食材には、ねぎ、にんじん、牛肉、鮭、りんご、玄米など、野菜から肉類、果物から穀物までいろいろあるので、自分の好きな食べものを中心に食事に取り入れてみてください。
2. シャワーではなく湯船に浸かる
からだを温めるためには、湯船に浸かるのが一番シンプルかつ効果的です。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、からだを温めましょう。
目安は38~40度のお湯に10分以上。
からだが温まると副交感神経が優位になり血流がよくなります。
もっと効果を感じたい人は炭酸入浴剤を入れるのも◎。
炭酸入浴剤は血行を促す働きがあるため、入浴の効果を高めてくれますよ。
3. ツボ押し
ツボ押しは時間や場所を気にせず実践できる手軽な冷え性対策です。
ツボの場所を覚えておき、気づいたときに押してみるのもいいですね。
・労宮(ろうきゅう)
手のひらの真ん中、くぼんだところにあります。
「労宮(ろうきゅう)」にはからだの熱を冷ましたり、精神を落ち着かせたり、内臓の働きを健やかにしたりする作用があります。
親指で5秒押しながら鼻から息を吸い、5秒息をとめ、口から息を吐きながら10秒かけて押した力を抜くことを繰り返してください。
・三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから、指4本分程上にあります。
「三陰交(さんいんこう)」には血流やエネルギーの流れを整える作用や、消化に関わる内臓を補助する働きがあります。
押しやすい指を使って程よい強さで押しながら、5秒かけて鼻から息を吸い、力をぬきながら10秒かけて口から息を吐き出しましょう。
夏の冷え性には漢方もおすすめ
漢方薬のなかには、医薬品として「冷え性」に効果が認められているものがあります。
夏の冷え性は、エアコンや冷たいものの摂りすぎでからだが冷えることが原因です。
そのため、
・血液の流れをよくして、全身に熱を届ける
・胃腸の働きを改善して熱をつくりだす
・水分の偏りを調整して、冷えを解消する
といった効果がある漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
<おすすめの漢方薬>
・当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)
利水作用と血行促進の働きがあり、余分な水分を排出して血行をよくすることで冷えを解消します。
むくみ、生理不順、冷え性、貧血などの症状にも用いられます。
・人参湯(にんじんとう)
胃腸を温めることで、消化器機能を高めておなかの冷えを解消します。
胃腸虚弱、胃痛や腹痛、胃炎にも用いられます。
漢方薬は症状の改善だけでなく、体質の改善も期待できるため、長期的に服用することで冷え性になりにくいからだを目指せます。
初めて漢方薬を試す人も心配はいりません。
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あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。
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温活で冷え知らずの夏を過ごそう
外がどんなに暑くても、エアコンが効いた部屋で長時間過ごしたり、冷たいものばかり食べたりしていると夏でも冷え性になってしまいます。
夏の冷え性は、消化器系の不調にとどまらず、からだ全体の不調を引き起こす危険な症状です。
そのため、日常的にからだを冷やさないよう生活習慣を整えることが大切です。
夏の冷え性対策をしっかりマスターし、冷え知らずの夏を過ごしましょう。
<この記事の監修者>
医師:木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
(mimot.(ミモット)/あんしん漢方)