コルセアのキーボード『K70 PRO TKL』を徹底レビュー!超気持ちいい、圧倒的打鍵感の実力とは?
キーボードはお好きですか? そう、パソコンの。ライターの筆者はおそらく月に数十万回キーボードを叩いてご飯を食べています。そんな筆者がより気持ちよく、キーボードを叩ける環境をあらゆる場所で実現しようとCORSAIRの最新有線接続キーボード「K70 PRO TKL」を導入してみました。
1カ月に何回くらいキーボードを叩いていますか?
どうやら筆者は最低60万回程度は叩いているよう
今回レビューしたCORSAIRの「K70 PRO TKL」。実勢価格25,000円前後のマグネットスイッチ採用の高レスポンスゲーミングキーボードです。
論語ではありませんが、筆者は15にして自分のパソコンを手に入れてから、ほとんど毎日キーボードを叩いています。結果、現在もライターとして日々パソコンの前に座ってキーボードを叩き続けているわけです。天命はいまだに知ることはありません。
当然、原稿だけを書いているわけではありませんが、一般的にWEBライターが1日に書く文字量はだいたい10,000文字程度だといいます。確かに筆者の感覚としても、そこそこ書いたなと思うときは10,000文字を超えていることが多いのです。
そこから逆算して1カ月21日稼働として21万文字、筆者はローマ字入力なので、1文字を入力するのにキーボードを2回叩きます。すると完成成果物の原稿を作るだけで月間42万回キーボードを叩いていることになります。
実際には原稿を書くためにキーボードを叩いている時間よりも、インターネットで資料を読んだり、検索したりする時間のほうが長いのですが、この間もキーボードを叩いています。さらにメールを書いたり、ミスタイプを直したりといった時間もかなり掛かっているのです。このあたりを考慮すると、きっと遅筆な筆者でも月間60万回以上キーボードを叩いていることになるのでしょう。
「K70 PRO TKL」本体と同梱されているのは、脱着可能なパームレスト、USBケーブルとワランティガイド程度です。シンプルな構成です。
昔の筆者の同僚であったプログラマーは同じ時期にノートパソコンを買って、筆者のキートップの文字が消えるころには、彼のキートップはえぐれて、穴が空いていましたから、プログラム関係の方ならもっとたくさんキーボードを叩いているわけです。
仕事の大部分がパソコンの前に座っていることという方は多いでしょう。そんな方なら多かれ、少なかれ1日に数万回キーボードを叩いているはずです。そして、そのなかの大部分の方がキーボードにこだわりをもっているのではないでしょうか。
ちなみに筆者は、キーボードが気に入らないとまったく原稿を書く気が起きません。格安のWindowsパソコンにおまけで付いてきたような、反応も悪く、キータッチがフカフカで、叩くとキーボード全体が振動して揺れるようなキーボードは触りたくもないのです。
持ち歩けて気持ちいいキーボードがほしかった
そこで有線タイプのCORSAIR「K70 PRO TKL」を選択してみた
テンキーレスなので幅は36.5cm。さらにパソコンとの接続方式は有線(USB)のみなので、リチウムイオンなどのバッテリーを内蔵していません。
キーボードがイヤだと、筆者は原稿が書けません。どんなに自分で自分自身をなだめすかしても無理なのです。そのため、筆者はこの自分のワガママを許してあげる方向で調整しています。1日に何万回も叩く仕事道具なので仕方ないでしょう。
そして、筆者は特選街WEBでも紹介しましたが、現在CORSAIRの「K100 AIR WIRELESS RGB」をメインのキーボードとして使っています。どのくらい気に入っているかというと、こちらも「【出張や長期滞在に】キーボードやマウスなどホテルでの仕事効率爆上げ5大パソコン周辺アイテム」-特選街web(https://tokusengai.com/_ct/17685425)という記事で紹介しましたが、ないと自分の機嫌が悪くなるので、沖縄への家族旅行に連れて行ったほどです。
そして、このときはじめて「K100 AIR WIRELESS RGB」への不満が発生しました。1つはワイヤレス接続も可能な「K100 AIR WIRELESS RGB」はリチウムイオンバッテリーを内蔵しているため、飛行機の預け入れ荷物に入れられないこと。
「K100 AIR WIRELESS RGB」を「Geekria キーボード ケース 104-108 キー コンピューターメカニカルゲームキーボード 収納ケース」に収納すると全幅が50cmを超えます。
2つめの不満は飛行機の預け入れ荷物にはできない「K100 AIR WIRELESS RGB」ですが、10キー付きのサイズキーボードなので幅が約45cmあり、これを筆者が愛用するセミハード「Geekria キーボード ケース 104-108 キー コンピューターメカニカルゲームキーボード 収納ケース」に入れると幅が50cmを超えます。
バッテリー問題で預け入れはできないので、機内持ち込みしかありません。しかし、機内持ち込み用のキャリーケースやバッグなどに入らないのです。旅行の際に飛行機の中でキーボードを使うことはないので、非常に邪魔。そして、下手すると手荷物が1つ増えるわけです。
そこでテンキーは諦めて、それでもタイピングの気持ちよさは保ち、キーボードの内部にリチウムイオンバッテリーを内蔵しないキーボードを探していたところ、同じCORSAIRの「K70 PRO TKL」にたどり着いたわけです。
最初は同じCORSAIRのK100シリーズでと思ったのですが、該当するモデルがなく、K70シリーズのなかでも、有線接続のみで内蔵リチウムイオンバッテリーなしの最新モデル「K70 PRO TKL」。キータッチについてもCORSAIRであれば筆者の好みにあうだろうと判断したわけです。
CORSAIR(コルセア)「K70 PRO TKL」とは
CORSAIRの有線テンキーレスキーボードのハイエンドモデル
テンキーレスですが、十分なキーピッチが確保されているので、タイピングの感覚はフルサイズキーボードと変わりありません。使いやすい。
CORSAIR「K70 PRO TKL」が一体どんなキーボードかというと、CORSAIRのゲーミングキーボードのなかでも有線テンキーレスキーボードとしてはハイエンドのモデルになります。実勢価格は25,000円前後。なお、筆者が愛用している同社のハイエンドシリーズK100にはテンキーレスモデルがありません。
そのため、持ち歩きたいという筆者の希望を叶えるCORSAIRのハイエンドモデルは「K70 PRO TKL」ということになるのです。そして、この「K70 PRO TKL」の大きな特徴の1つがMGX HYPERDRIVEマグネットスイッチを採用していること。
「K70 PRO TKL」の右上端に並んだ2つのボタンとダイヤル。左から「ゲームモードボタン」「メディアボタン」「マルチ機能回転式ダイヤル」となっています。
ホール効果センサーを搭載したMGX HYPERDRIVEマグネットスイッチは科学的に得られる最速の入力起動を実現。また1億5,000万回のプレスが保証させる長寿命となっています。さらに今やPCゲーマーにとって必須ともいえるラピッドトリガーにも対応するだけでなく、CORSAIR版のSOCDともいえるFlashTapテクノロジーも搭載しています。
このFlashTapテクノロジーにより、相反する2つの移動キーが押された場合、最初か、最後の入力のどちらかを優先するか、もしくはどちらの入力も無視するといった設定が可能です。これは最新のゲームキーボードのトレンドともいえる機能だといいます。
なお「K70 PRO TKL」は8,000Hzハイパーポーリングによって一般的なゲーミングキーボードに比べて最大で8倍高速に入力が可能。コンマ数秒を競うPCゲームに対応する脅威的な反応速度を備えた最新のマグネットスイッチ採用、ラピッドトリガー対応、SOCD装備の最新ゲーミングキーボードが「K70 PRO TKL」というわけです。
脅威的な反応速度を誇る「K70 PRO TKL」を実際に使ってみた
滑らかでスムーズな打鍵感が徐々に病みつきになる
セミハードのケースに入れても約40cmというサイズが重要です。50cmを超えると機内持ち込み用キャリーケースだけでなく、さまざまなものに入らなくなります。
ゲーミングキーボードとしても脅威的な反応速度を誇る「K70 PRO TKL」を、主目的は仕事用と考えて実際に導入してみました。到着して梱包を解いた「K70 PRO TKL」の大きさは本体のみで約36.5×13.5×4cm(実測値)、重さが約967g。これに約36.5×8×2cm、重さ約179g(実測値)マグネット脱着式のパームレストが付属します。
筆者がメインで使っている「K100 AIR WIRELESS RGB」よりも幅が約10cm短いので、ぴったりサイズのセミハードケース「Geekria キーボードケース 87キー互換品」(https://www.amazon.co.jp/dp/B09CGSGWN5)実勢価格3,000円前後に入れても、幅は約40cmと飛行機の機内持ち込み可能なキャリーケースに余裕が収まりますし、リチウムイオンバッテリーも内蔵されていないので預け入れ荷物に入れることも可能です。
また、筆者が普段持ち歩いているバックパックのメイン気室にも余裕で収まりますので、飛行機に乗るほどではない、ちょっとした持ち歩きにもとても便利。これで、どこでも原稿をCORSAIRの高級キーボードで気持ちよく書きたいという当初の目的は達成したのですが、問題は「K70 PRO TKL」の叩き心地、そう打鍵感です。
ファスナーを閉めて「K70 PRO TKL」を収納した「Geekria キーボードケース 87キー互換品」。なにやら楽器などが入っていそうですが、キーボードケースです。
同じCORSAIRの高級ラインゲーミングキーボードといっても、筆者がメインで使ってる「K100 AIR WIRELESS RGB」はメカニカルスイッチのなかでも非常に薄いCHERRY MX Ultra Low Profileを使用したちょっと特殊なキーボード。これに対して同じCORSAIRのキーボードといっても「K70 PRO TKL」はMGX Hyperdriveマグネットスイッチを採用したキーボードです。
キーの厚みも、スイッチの方式もいままでのキーボードとはまったく違う「K70 PRO TKL」はキータッチも、打鍵感もまったく「K100 AIR WIRELESS RGB」とは異なりました。
MGX Hyperdriveマグネットスイッチはメカニカルスイッチに比べても滑らかでスムーズな打鍵感。スムーズなのですが、最初はそれなりに違和感がありました。
しかし、約1kgの「K70 PRO TKL」はデスクに設置すると、その重さ以上に安定感が高く、かなり激しくタイピングしても、ほとんど揺れることがありません。非常に打ちやすい。しかも、キーの動きは非常にスムーズですが、フィードバックされるキータッチ音とキーを叩く感触は非常に軽快なのです。原稿を書いているだけで、ちょっとアガるくらい。
「K70 PRO TKL」本体背面にあるチルトスタンドを立てたところ。付属のパームレストと組み合わせてベストの高さのポジションをみつけてください。
「K100 AIR WIRELESS RGB」に比べても軽快感という点では、筆者は「K70 PRO TKL」に軍配を上げます。叩いていて気持ちがいいのです。そのため、持ち歩き用などといって導入した「K70 PRO TKL」ですが、筆者はノートパソコンに増設モニターといっしょにつないで、メインのパソコンでの原稿書きに飽きると、ノートパソコンを設置した部屋に移動して「K70 PRO TKL」で原稿の続きを書いています。
実際のところ「K100 AIR WIRELESS RGB」と比べると「K70 PRO TKL」のキータッチはどちらがいいという問題ではなく、気分転換になるレベルで異なります。キーボードを叩く爽快感は「K70 PRO TKL」のほうが強いです。
また「K70 PRO TKL」自体は分厚いキーボードではないのですが、筆者は使用時に付属のパームレストを使って原稿を書いています。これもあり、なしは好みです。あり、なし、さらにチルトスタンドを立てる、立てないの組み合わせでベストなポジションを探してみてください。筆者はパームレストあり、チルトスタンドは立てる派です。
付属のパームレストはマグネットで簡単に脱着できます。筆者は、このパームレストは必ず使う派です。ちょっとした高さのポジションで使いやすさがかなり変わります。
「K70 PRO TKL」は、CORSAIRのカスタマイズ&コントロールソフト「iCUE」で、さらに細かに自分好みにカスタマイズが可能になっています。このあたりは少しずつ自分好みに調整していくとよいでしょう。
なお今回はブラックとホワイトから選択できる「K70 PRO TKL」のうち、ホワイトを選択しました。「K100 AIR WIRELESS RGB」はブラックのみなので、気分の変わるホワイト程度の気持ちで選択したのですが、これが大当たり。
単純なホワイトではなく、基本的にキーはホワイト、キーボードの天板部分はヘアライン加工のアルミニウム合金のパネルとなっているため、予想以上の高級感があり所有欲を満たしてくれます。また、キーボードの色が異なることでやはり気分も変わるのです。
そして、なにより筆者にとってうれしかったのは「K70 PRO TKL」のホワイトに変えてから、4歳の息子が「パパのパソコンかっこいい!」といってくれること。我が家の場合、パソコン本体はモニターの後ろに隠れているので、息子にとってはパソコン=キーボードのようで「K70 PRO TKL」のホワイトはかっこいいそうです。パパも予想外にうれしい。
ということで筆者は出先や旅先になどに手軽に持って行けて、しかも自宅のメインキーボード並みか、それ以上に原稿を書く気にしてくれる「K70 PRO TKL」を入手したので、原稿を書きにどこかにワーケーションにでも出掛けたいと思っています。
それくらいキーボードを触ること、使うことが楽しくなるキーボードに「K70 PRO TKL」は仕上がっているといえるでしょう。当然、この原稿も「K70 PRO TKL」で書いていますが、今週は普段よりも原稿の仕上がり量も多くなっています。ゲーム用だけと思わずに、ぜひ一度高級筆記用具としてMGX Hyperdriveマグネットスイッチの書き味、叩き味を試してみることをおすすめします。きっとほしくなりますよ。