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還暦社員の3割が「貯蓄100万円未満」 就労意欲は高いが、不安は体力・収入・物価に集中

月刊総務オンライン

還暦社員の3割が「貯蓄100万円未満」 就労意欲は高いが、不安は体力・収入・物価に集中

プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険(PGF生命、東京都千代田区)は5月13日、2025年に還暦(60歳)を迎える1965年生まれの男女を対象に実施した調査結果を発表した。ライフスタイルや老後に対する意識を探った本調査からは、人生100年時代を見据えた不安や希望が浮かび上がった。

貯蓄額「100万円未満」が3割 「3000万円以上」は2割に届かず

総務省統計局によると、今年還暦を迎える1965年生まれの男女は全国で174万人に上る。とくに今年の干支「巳年(みどし)」生まれの中では最多の世代だという。

今回の調査で、現時点の貯蓄額を尋ねたところ、「100万円未満」が30.0%と、調査開始以来最も高い割合となった。一方で「3000万円以上」は2024年で18.0%、2025年では19.7%にとどまり、2年連続で2割を下回った。

現段階の貯蓄金額(※画像クリックで拡大)

平均貯蓄額は2460万円。2023年以降、減少傾向が続いており、2023年が3454万円、2024年が2782万円、そして2025年には2460万円と、前年より322万円減少し、調査開始以来の最低額となった。

還暦以降の就労意向について、60歳以降に働きたいと思うかを聞いたところ、働きたいと思う人は87.1%、働きたいと思わない人は12.9%と、大多数が還暦以降の就労に対して意欲的であることがわかった。

60歳以降も「働きたい」87.1% 70歳超えても意欲

59歳時点で働いている人のうち、60歳以降も「働きたい」と答えた割合は87.1%、70歳以降も働きたいと思う人の割合は44.0%となった。70歳以降も働きたいと思う人の割合は、2022年以降の上昇傾向が見られ、調査開始以来最も高い水準となった。

70歳以降も働きたいと思う人の割合(※画像クリックで拡大)

将来への不安、「物価上昇」が上位に 「健康診断」「体力づくり」で「人生100年時代」に備える

今後の生活における不安については、以下の項目が上位となった。

 ・身体能力の低下(48.5%)

 ・収入の減少(35.8%)

 ・物価上昇(34.4%)

とくに「物価上昇」は前年の29.1%から5.3ポイント上昇し、昨年の6位から一気に3位に浮上した。

還暦以降の人生で不安に思うこと(※画像クリックで拡大)

「人生100年時代」に向けた備えとしては、「健康診断の受診」(32.2%)や「体力づくり」(31.5%)が上位に挙がった。同社は、健康と体力の維持を意識する傾向が強まっていると分析する。

また「今後行いたい備え」としては、以下の回答が多かった。

 ・体力づくり(25.7%)

 ・貯蓄(24.2%)

 ・認知症予防(18.4%)

 ・エンディングノートの作成(16.8%)

 ・健康診断の受診(16.6%)

「エンディングノートの作成」は、男女別で見ると男性11.6%に対し女性は22.0%と、女性の方が10ポイント以上高かった。

1965年生まれの「文化的原体験」は「スマホ・車・パソコン」

調査では、還暦世代が生まれた1965年当時を象徴する「いざなぎ景気」にちなんだ設問も盛り込まれた。この年は、高度経済成長期の真っただ中。自動車・カラーテレビ・クーラーは「新三種の神器」として家庭に普及し、アニメなどのサブカルチャーも隆盛を迎えた時期だ。

また、「現在の生活で欠かせない『自分にとっての三種の神器』」を尋ねたところ、以下が上位となった。

 ・スマートフォン・携帯電話(51.4%)

 ・自動車(32.1%)

 ・パソコン・コンピューター(23.9%)

さらに、「これまでに最もハマったアニメ」の問いには、次のような作品が挙がった。

 ・1位:宇宙戦艦ヤマト(2025年に映画新作を上映)

 ・2位:機動戦士ガンダム

 ・3位:キャンディ・キャンディ(1976年アニメ化)

「2025年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」は、3月19日から21日までに実施。今年還暦を迎える1965年生まれの男女を対象にインターネットリサーチで実施し、有効サンプルは2000人。調査の詳細はPGF生命の公式サイトで確認できる。

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