粒あん派注目!ふわふわしっとり生地に大粒あんこがたっぷり『あんこ屋Suzu』
高尾駅と高尾山口駅のほぼ中間。旧甲州街道沿いの古民家で2024年9月、自家製あんこを使ったお菓子の店『あんこ屋Suzu』がオープンしたということで行ってきました!
高尾山麓の古民家菓子店
高尾駅、高尾山口駅からそれぞれ徒歩15分ほど。西浅川交差点から旧甲州街道を約100m進んだところにあります。店前に2台分の駐車場はありますが埋まってしまうこともあるため、徒歩や自転車で行くのがおすすめです。駐輪場は奥にありますよ。
目印はシンボルツリーの大きな梅の木。梅の花の季節はまだ先ですが、開花が楽しみですね。木を囲うようにベンチが作られており、こちらに座って食べたり休憩したりできます。
庭の奥には椅子とテーブルがあり、そちらでも飲食可能です。天気のよい日は外で食べるのも気持ちよさそうです!
こだわりの自家製あんこを楽しむメニュー
『焼きドーナツ』はプレーンのほか、生地にほうじ茶を練り込んだものや、あんこをのせたものがあります。『どら焼き』は「大納言」と「白粒あん」の2種類です。初めての方におすすめなのは、『焼きドーナツプレーン』と『どらやき白粒あん』だそうです!
季節限定メニューもあるので要チェック!ドリンクは『焼きドーナツ』や『どらやき』と相性のよいコーヒーやラテのほか、飲んであんこを楽しめる『あんこラテ』もあります。
どらやき白粒あん 330円
まずはおすすめの『どら焼き 白粒あん』をいただきます。こちらの『どらやき』は、あんこを包んでから一晩寝かせるとのこと。そうすることで「あんこの水分」が生地に移行し、全体的にしっとりと一体感のあるどらやきに。「生地のしっとり感」にこだわりがあります。
生地も水分量や原料の種類等を少しずつ変えたり、焼き加減も調整したりと試行錯誤を重ね、納得のいくまで半年近くもかかったのだとか。今でも合わせる「あん」によって、日々改良を続けているそうです。まさに職人技です。
口に触れた瞬間、生地のふわふわしっとり食感に思わずうっとり。何より感動したのがこの白粒あん!こんなにも豆のいい香りと粒感を感じられる白粒あんは初めてです。少し大きめですが、生地やあんこの甘さが控え目なのでぺろりとたいらげてしまいました。
焼きドーナツプレーン 350円
続いてもう一つのおすすめ、『焼きドーナツ プレーン』をいただきます!この日は天気が良かったので、外の梅の木のベンチで食べることにしました。こちらもなかなか大きめです。大きな口で頬張ると、口いっぱいに優しい甘さと香りが広がります。どらやきとはまた異なる、心地よいふわふわしっとり食感です。
お気づきの方もいると思いますが、こちらの焼きドーナツの特徴は、「穴が空いていないこと」。試行錯誤する中で、くぼみにあんこを乗せられるようにしたそうです。バターの代わりにこめ油を使用することで重たくなく、あんことの相性も良い生地にしています。
粒感感じる『あんこラテ(アイス)』 600円
同店のあんこの特徴は「豆の香りと粒感」とのこと。「うちのあんこは甘すぎず、粒感を感じられるのが特徴です。ただ、あんこは練って作るので、粒感の残し方がなかなか難しくて(苦笑)。練りすぎると粒感がなくなるし、豆感を残しすぎるとあんこではなくて煮豆になってしまう。豆の出来によっても配合や練り方の調整が必要なので日々研究です」とご主人。
また、水は高尾の地下水を使用しています。地下水はクリアな味わいのため、素材の香りを活かしやすいとのことです。小豆は北海道産の大納言で、普通の小豆よりひとまわり大きいものを使用しています。見てください!この光輝く粒あんを!粒あん派にはもう、たまらないですね。
このたまらない「あんこ」を使用した珍しいドリンク『あんこラテ』を注文。取材当日は暖かかったので、アイスで注文しました。アイスはあんこの粒感を、ホットではお汁粉のようなとろっとしたあんこを楽しむことができるそうです。
よく混ぜてからいただきます。あんこの甘さと牛乳のクリーミィさが合わさり、ドリンクというより飲むスイーツという感じです!ドリンクだとあんこの一粒一粒の粒感をより感じられます。
開店は高尾への移住がきっかけ
同店はご夫婦で営業されています。前職はご主人が職人歴20年以上の和菓子職人で、奥様はトリマーだったそうです。開店のきっかけは、高尾へ移住したことでした。
「今の家にたどり着いていなかったら、自分たちでお店をやろうと思わなかったと思います」とご主人。
「高尾は自然が豊かで人も温かいですし、ものづくりが好きな人が多い。いい意味でみんなが好きなこと好きなようにやっているので、自分たちもやってみようと思うようになりました。八王子全体でも地元愛があって、八王子を盛り上げようという人が多いので、お店を営んでいるものとしてはありがたい街ですね」と奥様。
お店は築60年の古民家を改装したもの。開店場所を探していたところ夫婦で一目惚れし、持ち主に手紙を書いて想いを伝えたところ快諾を得られたことで「店作り」が始まりました。
知人や近所の人と力を合わせて4~5カ月かけて改装しました。店作りのポイントは「おしゃれすぎないお店」。子どもからお年寄りまで、どんな人でも「ちょっと行ってみようかな」と思える、家に帰ってきたような安心感のお店を目指したといいます。
奥様自身の子育て経験から、子連れの方や、すっぴんのママさんが気分転換がてら、気軽に立ち寄りやすい場所にしたかったそう。店内にはおむつ替えスペースやトイレもあります。安心してゆっくり買い物を楽しめそうです。
気になる店名『Suzu』の由来ですが、『すず』という言葉の響きが好きで、何かお店をするときはこの名前でと前から決めていたそうです。さらに、外国人や若い人にも親しんでもらいたいという思いを込めて、ローマ字表記の『Suzu』になりました。
お店作りからメニューまで、ご夫婦のこだわりと優しさを感じられるお店でした!季節限定メニューなどの最新情報はインスタグラムでお知らせしています。こしあんメニューが登場することも!メニューによっては午後には売り切れてしまうものもあるため、ゆっくりいろいろな種類を見たい方は午前中に行くのがおすすめです。