基地交付金 対象拡大を 旧軍港4市が国に要望
旧海軍鎮守府が置かれた横須賀市と長崎県佐世保市、広島県呉市、京都府舞鶴市で構成する「旧軍港市振興協議会」の正副会長会議(上地克明会長)が10月28日、横須賀市本町のホテルで開かれ、今年度の国への要望事項をまとめた。基地交付金の対象資産の拡大や4市に所在する海上自衛隊の部隊機能維持など5項目を盛り込んだ。11月15日に総務、財務、防衛の各省に提出する。
旧海軍工廠などの解体で立市基盤を失い、戦後の都市再生が急務だった4市が共通する課題を協議するため毎年持ち回りで会議を実施。同市での開催は6年ぶりとなる。
旧軍用財産や米軍返還財産の処理についての要望では、「4市が戦後も国防の第一線を担い、隣国の脅威やテロへの対応、国際平和協力活動が求められるなか、防衛施設を抱える4市の役割はさらに重要になっている」と指摘。戦後、旧軍用財産などを活用し、都市再建に役立てるために施行された旧軍港市転換法にのっとった対応を求めた。
また4市で自衛隊が使用する港湾施設はまちづくり計画に大きな影響を与えているにも関わらず固定資産税の対象になっていないと指摘。代替措置として基地交付金の対象に含むよう要望した。さらに補助事業の採択要件の緩和や、地元経済活性化に寄与する施策の推進なども盛り込んだ。
バランス重要
会議後の記者会見で、上地横須賀市長は「港湾施設を基地交付金の対象に含めることは特に強く要望したい」と強調。旧軍用財産の移譲などを求める一方、部隊強化の維持も求めていることについては「バランスを取っていかなければならない」との認識を示した。
「護守印」巡りいかが
同日、「旧軍港市日本遺産活用推進協議会」が開かれ、今年度の取り組みが発表された。11月23日(土)から寺社の御朱印をモチーフにした「護守印帳」=写真=を販売する。
4市それぞれに設けられた5カ所の指定窓口を訪れると日本遺産の構成文化財をデザインした「護守印」を集めることができる。横須賀市内は猿島砲台跡、スチームハンマー、世界三大記念艦三笠など。護守印帳は横須賀中央駅観光案内所などで1冊2200円で販売する。