【京都】見頃を迎えた太田神社の「カキツバタ」
「大田神社」の沢に咲くカキツバタの紹介です。太田神社は世界遺産「上賀茂神社」の摂社にあたる神社。参道を入ってすぐ右手側にある神池が、カキツバタの名所として知られる「大田の沢」です。約2,000平方メートルの敷地に約25,000株のカキツバタが古代から自生すると伝わるこの池は、平安時代後期~鎌倉時代初期の歌人・藤原俊成により歌を詠まれるなど古くから名所として知られて来ました。今月15日は葵祭です。上賀茂神社に参拝されたら、上賀茂神社から徒歩で約10分の距離にある太田神社のカキツバタの群生もお勧めです。
国の天然記念物
5月11日、北区上賀茂の山裾にある神社「大田神社」に行って来ました。太田神社の御祭神は天鈿女命(あめのうずめのみこと)。神社にある沢では、今、杜若(カキツバタ)が見頃を迎えています。ここに自生しているカキツバタの群落は、国の天然記念物にも指定されています。カキツバタはおよそ2万5000株あり、淡い紫色の花が次々と咲いて見頃を迎えています。
平安歌人が詠った「カキツバタ」
太田の沢のカキツバタを、平安時代の歌人・藤原俊成(1114年~1204年)は、和歌に詠まれています。「神山や 大田の沢のかきつばた 深き頼みぞ色にみゆらむ」。 「カキツバタ」の名の由来ですが、万葉集の和歌に記載されていた、花の汁を衣に摺り付けて染める、「摺り染め」の時に染料として使われていたと言われ「搔付花/書付花(かきつけばな)」が転訛したものとされます。 カキツバタの花の色は紫みの青色で、上品な落ち着いた青紫色が特徴です。江戸時代には「江戸紫」の名で親しまれて来ました。
カキツバタは、ひと株で3回花を咲かせます。花の形はあやめに似ています。「カキツバタ」と「あやめ」の見分け方ですが、「カキツバタ」は花の中心に白い線が入っていて、葉の中心の脈は「あやめ」と比べて目立ちません。花言葉は「優雅な女性」や「淑女」。 これらの花言葉は、カキツバタの優美な姿と、しなやかな花びらに由来しているそうです。
新緑の風に揺れる太田神社のカキツバタ。 見頃は5月中頃まで。
太田神社 〇住所 〒603-8047 京都府京都市北区上賀茂本山340 〇拝観料 カキツバタの時期育成協力金300円 〇拝観時間 日の出~日没 〇アクセス 京都駅から京都市営バス4号系統「上賀茂神社前」下車して徒歩。 四条河原町から京都市営バス46号系統「上賀茂神社前」下車して徒歩。
TEXT by Akio