リンパは“体の関所”? なぜ全身にリンパ節があるのか【眠れなくなるほど面白い 図解 デトックスの話】
毒を流し出して体を浄化する血液とリンパのクリーニング作用
血液とリンパの流れが悪いと毒を出せない
心臓から送り出された血液は栄養素や酸素を全身の細胞に行き渡らせ、今度は各細胞の老廃物や二酸化炭素を回収しながら静脈を通って再び心臓に戻ります。
体内に入り込んだ異物を攻撃する「免疫機能」も血液の重要な役割です。マクロファージやNK細胞などの白血球が、細菌やウイルスが入り込まないように臨戦態勢を整えています。
一方、リンパは血管からしみ出した組織液をリンパ液に取り込み、リンパ節でろ過してから心臓へ戻す役目を果たしています。リンパ液にはたんぱく質などの栄養素のほか、細菌や乳酸、尿素などの老廃物も含まれるため、フィルターの役割をするリンパ節で不要物をふるいにかけてから静脈に合流させるのです。
しかもリンパ節では強力な免疫力を持つリンパ球(白血球の一種)がつくられているので、病原体やウイルスなどを退治するしくみも備えています。心臓や脳に有害な物質が流れ込まないよう、体内に数百ものリンパ節とい関所を設けて監視、排除しているわけです。
また、血液が循環することで臓器をクリーニングしながら常にメンテナンスしているので、健やかな血流が体をフレッシュで万全な状態に保っています。私たちの体はこうした血液やリンパの働きによって病気から守られ、かつ毒をためないシステムが機能しています。
血液とリンパの役割
毛細血管は最も長い血管で、体中を網目のように巡り、
・細胞に必要なものを届ける
・不要なものを回収する
という重要な働きをしています。
細胞間内で使われなかった余った栄養素、バイ菌やウイルス、腫瘍細胞がリンパ管に回収される。/リンパ管に回収され、リンパ液に流れ込み、関所のリンパ節へと向かう。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 デトックスの話 』著:加藤 雅俊