【住宅ローンの現実】40歳、年収190万。ひとり親です。中古マンションの購入は可能?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。今回は、住宅ローンのお悩みにフォーカスを当て、借入可能額や毎月の返済額の目安、家計の改善点についてファイナンシャルプランナーが解説します。【40歳 契約社員】
【住宅ローン】40歳、契約社員の場合
プロフィール
40歳、女性
弁護士事務所の契約社員
▼現状
世帯年収:190万円
家族構成:本人、子ども2人(高校生・中学生)
【相談内容】今の年収で中古マンションを購入できますか?
「息子の学費や部活費など削れない出費が多く、副業もなかなか見つかりません。中古マンションを購入したいのですが、住宅ローンを組むことは現実的でしょうか?」
年収190万円の住宅ローンをシミュレーション
一般的に住宅ローンの借入額は年収の5〜6倍が目安とされています。
ただし、相談者さんは正社員ではなく契約社員である点、年収が比較的低めである点から、借入のハードルは高くなる傾向にあります。
実際の金額は金融機関によって異なりますが、年収190万円の場合、借り入れできる上限額は500万〜800万円前後が目安となりそうです。
また、ひとり親で扶養家族が2人いること、かつボーナスなしという状況をふまえると、金融機関からの評価は慎重になる可能性が高めです。
毎月の住宅ローン返済額は「今の家賃以下」が理想
仮に800万円のローンを返済期間35年・金利1.5%で組んだとすると、月々の返済額は約2.5万円です。
現状の家賃8万円と比べるとかなり抑えられますが、物件価格に諸費用(登記費用・仲介手数料・修繕積立金など)を含めると、初期費用として100万円以上の資金が必要になるケースも。
そのため、現在の貯蓄額や今後の副収入の見込みが鍵を握ります。
私立大学進学は可能?教育費とのバランスを考える
住宅ローン返済と教育費のピークが重なるのは危険かもしれません。
息子さんが希望する私立大学の進学費用は4年間で平均500万〜600万円といわれており、文系でも入学時に100万円以上の初期費用が必要です。
そのため、奨学金の利用や授業料免除制度、自宅通学の継続といった工夫でできるだけ教育費を抑える努力が必要になります。
また、下のお子さんも3年後に大学進学を迎えることを考えると、家計全体の見直しと計画的な貯蓄が必須です。
*……参考:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」
副業や支援制度の活用で月5,000円以上の家計改善を
・ ひとり親支援制度の活用(児童扶養手当や高校生への給付金制度など)
・ 在宅でできる副業の検討(データ入力、クラウドソーシングでの文章作成など)
・ 月々の固定費の見直し(スマホ料金や保険料の見直し)
このような小さな積み重ねでも、将来の教育費や繰り上げ返済の原資になります。
たとえ月5,000円でも、副収入があるだけで数年後の安心感は大きく変わりますよ。
まとめ
・年収190万円では住宅ローンは500万〜800万円が現実的な上限。
・物件購入時は自己資金も必要なため、今後の副収入確保がカギ。
・私立大学進学を見据え、教育費とのバランスと支援制度の活用を。
※この記事では媒体で募集した情報に編集を加えて掲載しています。
◆青山かえ
FP2級・日商簿記2級・整理収納アドバイザーを保有するWebライターです。
7年の投資経験を活かし、NISA・iDeCo・暗号資産についてわかりやすく解説します。