みんなが読んだ「名著」はどれ? NHK「100分de名著」シリーズのベストセラー10冊<前編>【NHK100分de名著キャンペーン2024】
NHK「100分de名著」シリーズの各レーベルで読まれた本は?
シリーズ開始から13年で、累計1000万部の発行を記録したNHK「100分de名著」シリーズ。古今東西の名著を25分×4回の100分で読み解き、今の世の中を見通すためのヒントを得る構成が人気です。書籍の元となる番組では、司会の伊集院光さんとゲスト講師とのやりとりも、毎回話題に。
今回は、NHK「100分de名著」テキスト編集部が、開催中のキャンペーン対象書籍から、シリーズ内レーベルごとのベストセラーを紹介します。
多くの方が手に取った「名著」読み解きは、どのようなものだったのでしょうか。
(前後編の前編)
NHKテキストのベストセラー
放送の1週間ほど前に発売され、番組に副読本として連動する「NHKテキスト」。放送の反響も大きく影響する特徴がありますが、多くの方の手に取られたのが以下のテキストでした。
2022年4月号 ハイデガー『存在と時間』
古代ギリシャ以来、哲学史上最も重要なテーマのひとつとされてきた「存在」。その問い方自体を刷新し、20世紀以降の哲学に決定的な影響を及ぼしたのが『存在と時間』です。
排外主義や差別がはびこる現代社会に生きるわたしたちが「他者への責任」を引き受け、他者と共に生きるとはどういうことかを、現代ドイツ思想を研究し続ける戸谷洋志さんと考えます。
2022年12月号 中井久夫スペシャル
統合失調症の実像の解明、被災者の心のケアなど、常に人々の苦しみに寄り添い続けた精神科医・中井久夫。
講師の精神科医・斎藤環さんと、彼の著作から『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』を紐解きます。
そこに込められた独創的な文化論や平和論から、人が社会生活を営む本当の意味について考えていきます。
2023年6月号 ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』
ナオミ・クラインは、米国同時多発テロ事件など、社会を揺るがす大惨事に乗じて導入された過激な市場原理主義改革の事実を、「ショック・ドクトリン」によって先進諸国が危機状況にある国の富を収奪する構造を明らかにしました。
社会を裏側で動かす構造を見抜く方法や、それに立ち向かうためになすべきことについて、講師のジャーナリスト・堤未果さんと考えていきます。
記事<後編>では、「100分de名著ブックス」と「別冊100分de名著」のベストセラーを紹介しています。書籍として手に取られ続けるロングセラーはどのようなものだったのでしょうか。
今回ご紹介した「名著」読み解きのためのNHK「100分de名著」テキスト、別冊、およびブックスは、全国の書店で開催のフェア、またNHK出版の特設ページでも展開しています。