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《市民病院医療事故多発》院長命令に背き侵襲的検査12件 3件は文書通達後

赤穂民報

 手術ミスによる業務上過失傷害罪で起訴された元赤穂市民病院の脳神経外科医、松井宏樹被告(46)が同病院に在籍中に行った手術(カテーテル検査など侵襲的検査を含む)のうち12件が病院から手術禁止を言い渡された後に命令に反して行われたことが明らかになった。

 しかも、うち3件は手術禁止を文書で再徹底された後に行われており、同病院の医療安全統制がまったく機能していなかったことを示している。

 同医師は2019年7月に同病院に中途採用され、21年8月に依願退職した。病院のまとめでは、この間に手術室で38件、血管造影室で45件の手術・侵襲的検査を実施したという。

 同医師が関わった手術では、着任から8か月間で8件の医療事故が発生。藤井隆院長(当時)は20年3月1日、本人に手術と侵襲を伴う検査を行わないよう口頭で指示した。しかし、同医師は、その月に2件、6月と7月に1件ずつ、さらに9月に5件の侵襲的検査を血管造影室で実施。10月に院長が指示を徹底しようと改めて文書で通達したものの、12月にも侵襲的検査を3件行ったという(なお、これら計12件とは別に、助手として参加していた手術で途中から科長に代わって執刀したケースが1件あったことを病院も認めているが、病院は松井医師の手術件数に計上していない)。

 これまで病院は、院長の指示に反して医療行為が行われた理由を「指示が文書ではなく口頭で行われ、中止の範囲の解釈が異なって理解された」と説明してきた。一連の医療事故への対応について検証した外部有識者会議も、病院の説明を前提に「文書で指示すべきだった」と再発防止策を指摘している。

 ところが実際は、文書による通達の後も院長命令に反して医療行為が行われていた。問題の本質は、指示が口頭だったこととは別にあることになる。病院の説明は実態に即しておらず、外部有識者会議の指摘は再発防止策として十分ではないことは明らかだ。

 文書通達後も指示が守られなかったのはなぜなのか。周囲にいた医療従事者はなぜ止めなかったのか。あるいは松井医師が手術や侵襲的検査を禁じられていたことを知らなかったのか。禁止後の手術や検査で医療事故は起きなかったのか。患者には説明と謝罪をしたのか。

 赤穂民報はこれらの疑問を12月26日までに質問。病院は「(禁止後の12件で)医療事故はない。患者への説明や謝罪はしていない」と回答し、その他については27日までに回答はない。

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