日本初公開の作品も多数。「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」が3月8日~5月18日、目黒『東京都庭園美術館』で開催
第二次世界大戦後に東西に分断されたドイツのうち、西ドイツのグラフィックデザインに注目。ポスターを中心とした多彩な資料の展示からその魅力を紹介する「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」が2025年3月8日(土)~5月18日(日)、東京都港区の『東京都庭園美術館』で開催される。
戦後西ドイツのグラフィックデザインの魅力が全開
1919年に創設され、モダンデザインの思想と新たな造形教育によって世界に多大な影響を与えながら、1933年に廃校となったバウハウス。第二次世界大戦での敗戦により、1945年に東西に分断された西ドイツで、バウハウスの理念の継承を目指したウルム造形大学が1953年に開設された。
本展は、グラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏によって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」が所有する、戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料の中から、幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの観点から選ばれたポスターを中心に多彩な作品を展示するもの。バウハウスやウルム造形大学が提唱したモダニズムを継承しながらも、戦後の新しい時代の表現を追求した西ドイツ発のグラフィックデザインの世界に触れることができる内容になっている。
日本初公開の作品が多数登場
主に戦後西ドイツのグラフィックデザインからなり、1000点以上のポスターや、10000点を超えるその他資料類によって構成されるコレクション「A5コレクション デュッセルドルフ」。所蔵作品数は現在も増え続けており、戦後西ドイツのグラフィックデザインを総覧できる充実したコレクションとなっている。その中から本展のために選ばれた珠玉の作品群は、日本ではすべてが初公開となる。
会場では「幾何学的抽象」「イラストレーション」「写真」「タイポグラフィ」の4つのカテゴリーに分けて展示。中には、手書きのタイポグラフィを使った作品など、カテゴリーを横断した作品もあり、デザイナーたちによる斬新なアイディアや創意工夫、実験的な試みを間近に見ることができる。ハンス・ヒルマン、オトル・アイヒャー、ハインツ・エーデルマン、ドロテーア・フィシャー=ノスビッシュおよびフリッツ・フィシャーなど、西ドイツで活動したデザイナーたちが生み出したクリエイションの魅力を堪能できるはずだ。
充実の関連プログラムもチェック!
4月20日(日)講演会「映画から見る戦後ドイツのポスターグラフィック」
4月20日(日)14時~15時15分、講師に国立映画アーカイブ主任研究員の岡田秀則氏を迎え、講演会「映画から見る戦後ドイツのポスターグラフィック」が『東京都庭園美術館』新館ギャラリー2で開催。定員80名(事前申し込み制・先着順)参加費無料。要当日有効展覧会チケット。
5月10日(土)講演会「ドイツのポスター:ザッハプラカート(Sachplakat)を中心に(仮)」
5月10日(土)14時~15時30分、講師に三菱一号館 館長池田祐子氏を迎え、講演会「ドイツのポスター:ザッハプラカート(Sachplakat)を中心に(仮)」が『東京都庭園美術館』新館ギャラリー2で開催。定員80名(事前申し込み制・先着順)参加費無料。要当日有効展覧会チケット。
開催概要
「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」
開催期間:2025年3月8日(土)~5月18日(日)
開催時間:10:00~18:00(3月21日〈金〉・22日〈土〉・28日〈金〉・29日〈土〉は夜間開館のため~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(5月5日を除く)・5月7日(水)
会場:東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)
アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩7分、地下鉄南北線・三田線白金台駅から徒歩6分
入場料:一般1400円、大学生・専門学校生1120円、中学生・高校生・65歳以上700円
※小学生以下および都内在住中学生は無料。障害者手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料。第3水曜日は65歳以上無料。
※3月8日~4月6日期間中は、18歳以下無料(要証明)。
※オンラインによる事前予約制 https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/250308-0518_backtomodern/
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://www.teien-art-museum.ne.jp
取材・文=前田真紀 画像提供=東京都庭園美術館
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。