元音楽教諭野村さん 金沢区と内モンゴル繋ぐ 5年越しに初公演
中国・内モンゴル自治区の少女芸術団「小鴻燕(しょうこうえん)芸術団」が2月11日(祝)に金沢公会堂での文化交流コンサートに出演する。金沢区での公演は初めて。コロナの影響により一度中止になり、5年越しの実現となる。公演の運営を担う元音楽教諭の野村進さんは「思い出深い金沢区で公演できて非常にうれしい」と語る。
内モンゴルと日本の子どもたちがお互いの伝統芸術・文化を披露し合い交流を図る目的で開催するチャリティーコンサート「子どもたちが未来につなぐ〜文化交流コンサート」。日本モンゴル中国文化交流会が主催する。同会会長を務めながら、モンゴル民族歌手として活動するボルジギン・イリナさんと、八景小学校や大道小学校で長く音楽教諭として勤めてきた野村さんが橋渡し役となり実現した。
2020年に公会堂で公演を行う予定だったが、コロナ禍で同団が来日できず中止に。それでも文化を異にする子どもたちが交流し、理解を深め合うことを目的としたイリナさんの活動を支援したいと考える野村さんの働きかけにより、5年越しに初公演の実現が決まった。野村さんは「言葉が通じなくても、場を共有したり、音楽で表現することで、通じ合うことができる」と話す。
母国に教育の場を
イリナさんは内モンゴル芸術大学で声楽を学ぶ中、日本の民謡に魅せられ、宮城教育大学に入学。約15年前から内モンゴルの子どもたちの教育環境改善や学校建設費用を集めるチャリティーコンサートを実施してきた。今回のコンサートでも、収益の一部をモンゴルでの学校建設の費用に充てる予定。
同団は中国の全国舞踊コンクールで金賞の受賞歴がある芸術団で、今回は小学4年生から6年生の約40人が来日。公演では内モンゴルと日本の子どもたち約80人とプロの演奏者の総勢約90人が舞台に立ち、伝統芸能舞踊や馬頭琴の演奏、日本舞踊や金沢六浦の三艘囃子連による囃子、「八橋智子バレエ教室」の生徒による発表、イリナさんと野村さんによる歌などが披露される。
金沢区での勤務が長く、思い入れがあるという野村さんは、「長い間準備してきたので、無事に成功させたい。観客の皆さんが『次も見に行きたい』と思えるような公演になれば」と話す。
10日にはカナリヤ幼稚園、12日には大道小学校の子どもたちと文化交流会も行う。「子どもの頃から異文化に触れることで、自分と異なる人がいる環境を自然なことと思えるようになる。このような体験は貴重」と野村さん。
コンサートは金沢公会堂で午後1時30分開場、2時開演。前売り券は1500円、当日券は1800円で、中学生以下は無料。前売り券の予約は前日まで。チケットは当日会場で受け渡し。申し込みは【電話】080・1303・6739。案内チラシは金沢区役所や金沢公会堂に配架されている。