60分待ちの大行列も【倉田商店 ベビーカステラ】富山の祭りの定番屋台!山王まつりには4店舗が登場
縁日やイベントに欠かせない屋台グルメ。
たこやきやリンゴ飴、わたがしなど、好みはさまざまですが、富山県民にとってもっとも身近と言えるほど人気なのが、倉田商店のベビーカステラ。
オレンジ色に青い船が描かれた袋がトレードマークで、露天商の中に倉田商店を見つけると、いつもその店の前には行列がついています。
富山の祭りで必ず見かける!? 青い船のベビーカステラ
倉田商店は、富山・石川のお祭りやショッピングセンターなどに出店していて、出店情報はInstagramで案内しています。
6月は毎週のように開催される県内各地の祭り会場で楽しむことができます。
なかでも、“山王さん”で知られる日枝神社の春季例大祭「山王まつり」には一度に4店舗も出店する予定です。
【5/31~6/2 富山市/山王まつり 出店予定場所】
・グランドプラザ近く七越 総曲輪フェリオ店付近
・富山市ガラス美術館近く西町大喜 西町本店付近
・富山市太田口通りドリアン付近
・富山市西町香港酒家 富紀付近
出店数を増やしても必ず行列ができるほどの人気ぶりで、祭り会場によっては60分待ちなんていうことも。「山王まつり」以外の6月の出店予定は下記の通り。2店舗が出る祭り会場も多いようです。
【6月の出店予定場所】
6/4~6 魚津市/魚津神社祭礼(神明さんの祭り) 2店舗
6/8~9 上市町/市姫祭礼 2店舗
6/11~12 立山町/五百石天満宮・市姫神社春季祭礼 2店舗
6/13~14 砺波市/となみ夜高まつり 1店舗
6/15~16 滑川市/櫟原神社春季例大祭 1店舗
6/18~19 入善町/観音祭り 2店舗
6/21~22 富山市/ファニチャーパーク ケースリー、射水市/太閤山ランド 各バス1台
6/24~25 黒部市/じんじん祭り 2店舗
6/28~29 富山市/ファニチャーパーク ケースリー、射水市/太閤山ランド 各バス1台
袋は3サイズ 一番オトクなサイズは?
物価高騰につき、露店でも値上げが相次いでいます。倉田商店ではかれこれ35年ほど値段を据え置いて販売していましたが、それも限界に達したとのこと。
「価格を据え置きにして、個数を減らさせてもらったんですよ」(倉田商会 倉田さん)
500円で買える露店商品も少なくなるなか、ワンコイン価格を維持してもらえたのはうれしいポイント。
サイズは「小」500円、「中」1000円、「一釜」2000円の3サイズ。それぞれの個数は、
小(500円) 12個
中(1000円) 24個
一釜(2000円) 50個
1個あたりの値段を計算してみると、「小」と「中」が1個41.6円なのに対して、「ひと釜」の袋は1個40円。
というわけで、オトクに食べたいなら、「一釜」の袋がオススメです。
1回に焼ける量がちょうど50個ということもあって、常連客には「焼きたて一釜、大の袋ちょうだい」という注文も多いんだとか。
おいしさの秘密は…子を想う母の声
“冷めてもおいしい”理由
ベビーカステラを販売する店はたくさんありますが、富山県内では倉田商店の人気ぶりが群を抜いています。
「1963年ごろかな…富山の祭りでベビーカステラを売り始めたのは、うちの父親が最初だと思います」
こう明かすのは、倉田商店の2代目で、倉田商会代表の倉田達也さん。
もともとは甘栗の露天商だった父が始めたベビーカステラの商売を継承し、今では移動販売車6台、大きなバス型キッチンカー2台を抱えて、毎週末、県内各地のイベントや施設などに出店しています。
人気の秘密は、なんと言っても“冷めてもおいしい”こと。
「ある時、『県外にいる子どもに送ってやりたい』と言うお母さんがおられて。その話を聞いてから、冷めてもおいしいカステラを作るにはどうしたらいいか、いつも考えているんです」(倉田さん)
つまり、「冷めてもおいしい」ベビーカステラは、子を想う母の声の賜物というわけ。
その想いに応えるため、倉田さんはカステラの材料や配合の研究を重ね、ちょっと高めの質のいい小麦粉を使用し、卵や牛乳、三温糖にハチミツを混ぜ合わせたこだわりのカステラ生地に仕立てています。
さらに、決め手となる材料がもうひとつあるのですが…残念ながら、それは企業秘密ということで教えてもらえませんでした(泣)。
とはいえ、倉田さんは今でもよりおいしいベビーカステラを求めて、日々、材料や配合に改良を重ねているんだそうですよ。
50の金型に生地を流し込む時間は9秒
職人技とスピードで焼きムラのない仕上がりに
行列に並んで待つのは決して楽しいものではないですが、テキパキと職人が作る様子を間近で見ることができるのも屋台グルメの醍醐味のひとつ。
専用の金型を使って焼き上げる倉田商店のベビーカステラも、コロコロとでき上がっていく様子を見てワクワクするという人は少なくないのではないでしょうか。
焼きを担当する職人は複数いますが、取材に訪れた日はこの道35年超というベテランの金川さん。
2列50個の金型に一気に生地を流し込むのですが…その時間、わずか9秒(最高記録)。1個あたり0.18秒という速さで正確に一定量の生地を流し込んでいきます。
そして、待つこと約3分。
タイマーなどは使わずに、体にしみついた焼き時間でふたを開けると…こんがりとキツネ色に焼きあがったカステラが甘い香りを漂わせながら姿を表します。
と、そんな余韻にひたる間もなく、次から次へとカステラを千本通しで受け皿となるくぼみにはじき飛ばしていくのですが、これも空を切ることなく見事な手さばきです。
スピーディーな職人技は、焼き上がりの待ち時間を短くするだけでなく、均一でムラのない焼き加減や口当たりにもつながっているそうですよ。
一度冷めてからあたためる場合は
電子レンジではなくトースターがオススメ!
できたては外カリッの中ふわふわふわ、ちょっと時間が経って冷めるとしっとりしてなめらか食感。
お好みのタイミングでそれぞれのカステラの味を楽しめますが、一度冷めたものをあたためる場合は、電子レンジではなく、トーストでちょっとあぶるのがオススメだそうです。
「祭りに行って、出店で好きなものを買ってワイワイ言いながら食べるのって楽しいですよね。だから『ちょっとでもおいしいベビーカステラを』と思って作ってますが、昔に比べると小さい祭りとか減ってきてて…出番が少なくなってきました」と、ちょっと寂しげな倉田さん。
現在は祭りや縁日、イベントなどの会場に加えて、大きなショッピングセンターの駐車場でも販売を行っています。比較的並ばずに買えることもあるので、見かけた時は狙い目ですよ。
【倉田商店】
住所 富山県富山市水落1-30