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村尾信尚「トランプ大統領の利下げ要求は戦前回帰みたい」

文化放送

トランプがFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長に利下げを迫るメッセージをSNSに投稿したことでアメリカの株価が下がり続けている。4月22日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が、この問題について語った。

村尾「アメリカに限らず、どこの国の政府も選挙対策ということで金利を下げたがるんです。金利を上げていくと企業は銀行からの借り入れも困難になってくるし、市民は住宅ローンや自動車ローンが高くなるので、一般的にいうと政府は金利を下げて選挙の環境を整備したがるものなんです。一方で通貨だとか金融を調整している中央銀行は安易に政府の言うことを聞いて金利を下げていくと景気が過熱して物価が上昇していく。ただでさえ今、インフレの動きが高まっているところに火をつけかねない。したがってトランプさんからの利下げの要望にFRB議長のパウエルさんは非常に慎重に構えているので、この対立が起きているんです。実は戦前から政府は金融緩和を主張し、中央銀行はインフレ阻止のために頑なに守っていくという対立の構図はあったんです。それが第2次世界大戦の時に政府の圧力に負けて中央銀行がお札をどんどん市中にバラまいた結果、ハイパーインフレが起きた。そういうこともあって戦後の世界では中央銀行を政府から独立させようという動きがあって、日本でも日銀法の第3条に『日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は尊重されなければならない』という条文を入れたんです。つまり政府の圧力に屈しないで物価の安定を図るために日銀は頑張りなさいよっていうことが書いてある。これはアメリカも同じなんですね。それなのに今、トランプさんは戦前回帰みたいに関税は上げるし、中央銀行は俺に従えと言っている。これにマーケットも『これは無茶苦茶だろ!』ってことで今回株価が下がったということだと思います」

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