東京メトロ上場、時価総額1兆円超え 藤井氏「どうやったって金儲かるしね、メトロだったら」
10月24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、東京メトロ(東京地下鉄)の上場に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「民業圧迫しないで街を活性化させるのが鉄道会社の任務」
東京メトロが23日、東証プライム市場に上場した。個人投資家から注目され、時価総額は1兆円を超えている。取引開始から買い注文が集中し、1時間ほど価格がつかない状態が続いた。初値は公開価格1200円を36%上回る1630円。終値ベースの時価総額は1兆103億円で、私鉄首位の東急(1兆1510億円)などに匹敵する規模となった。
株主優待も話題となっていて、所有している株の数に応じて、東京メトロ全線で使える片道切符が発行される。1万株以上保有している場合は全線定期乗車証が発行され、半年間、東京メトロが乗り放題。さらに鉄道ファンの間で話題となっていたのが「かき揚げ無料トッピング」。東京メトロが運営するそば店で使える、かき揚げトッピング無料券3枚が貰えるという。
東京メトロ株の23日の終値は1739円。時価総額は1兆円を超えた。
寺島アナ「いやぁー、やはりとんでもない人気となっているんですね」
藤井氏「超優良企業ですもんね。どうやったって金儲かるしね、メトロだったら。首都直下地震とか起こった時はちょっとリスクはあるでしょうけど、べつにでもそれはメトロだけの話じゃないですからね」
寺島アナ「そうですね」
東京メトロの稼ぐ力は首都圏の私鉄のなかで突出している。東京都心を中心に9路線を展開し、輸送効率が高く、24年3月期の営業利益率は19.6%と私鉄大手の2倍近い水準だという。
上場後も国と東京都が合計で発行済み株式の50%を保有する。経営に一定の関与を残し、有楽町線や南北線の延伸計画を確実に実行するためだといわれている。
国内の人口が減少し輸送人員が頭打ちとなるなか、競合他社は不動産など非鉄道事業に成長を求めてきた。現在では旅客運輸収入が営業収益に占める割合は1~2割台になっている。一方、東京メトロは8割台と高い。04年に株式会社化して以降、競合とは対照的に依存度が高まっている。山村社長は「鉄道一本足では、新型コロナウイルス禍のような危機に対して強靱(きょうじん)な経営とは言えない」と話す。
東京メトロも不動産事業の強化を急いでいて、24年度からは不動産投資信託(REIT、リート)を活用し、外部から資金を募り事業を伸ばす戦略を打ち出している。
寺島アナ「こういう動きを東京メトロも見せているんですね」
藤井氏「なるほどね。いわゆる公営の地下鉄でしたから、不動産開発をやるっていう文化はないでしょうね。それはまぁ要するに民業圧迫になるからっていうことでしょうけども」
寺島アナ「これからはそれができていくと」
藤井氏「でもあれですよ、“駅ナカ”なんてJRは今では当たり前になってますけど、僕らは『そんなの民業圧迫や』ってずっと言ってましたけどね。そりゃあ駅ナカとかやったら儲かるやろうけど、鉄道会社は運ぶだけが仕事であって、運んできた方々を街に解放して、民業圧迫しないで街を活性化させるのが鉄道会社の任務だよと言ってたんですけど、そんな感じじゃなくなりましたなぁ〜」
寺島アナ「そうなんですねぇ」
藤井氏「なんかもう世知辛いなぁ〜」