【富士・Little Farm】 予約必須「たまご焼きサンド」 週2日のカフェと “放し飼いニワトリ”が暮らす農場
静岡・富士市にある「Little Farm(リトルファーム)」は、放し飼いで育ったニワトリの新鮮卵と純粋生ハチミツの農場です。カフェやドッグラン、民泊もあり、予約しないと食べられない規格外卵の「たまご焼きサンド」は絶品です。
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富士市間門のリトルファームは、県道76号を富士山方面へ上り、新東名の高架をくぐる手前、細い農道に入った先にあります。
広い敷地には農場やカフェ、民泊などがあり、中心的な建物は「Makado Cafe(まかどカフェ)」です。まかどは地名の「間門」からきています。
放し飼いのニワトリたちが暮らし、その卵を使ったサンドイッチは絶品。
養蜂もしていて、貴重なニホンミツバチのハチミツがあります。
週2日営業のまかどカフェ
まずはまかどカフェからご紹介します。
ログハウス風の店内には、暖炉やゆったりとしたソファー、木のテーブルがあります。
4人掛けテーブル席は2つ、カウンター席は2席。ハンモックも2つあります。
メニューは飲み物とスイーツ、それに予約制で「たまご焼きサンド」があります。
また富士市に焙煎所を持つ「自家焙煎珈琲 komon」のコーヒーが飲めます。
まかどカフェには、利用客専用のドッグランも併設。
持ち帰りのスイーツやハチミツ、タマゴなどもカフェで販売しています。
週に2日、日曜と水曜のみの営業です。
リトルファーム・三尾夏子さん:
以前はタマゴやプリンの販売だけでしたが、間門まで来てくれたお客さんにゆっくりしてもらえるスペースをと、2020年1月にカフェをオープンしました
ハチミツ+プリンが出会う「まかどぷりん」
カフェのおすすめメニューは「まかどぷりん(400円)」。
プラス100円でニホンミツバチのハチミツがけ、プラス50円でセイヨウミツバチのハチミツがけにできます。
プリンとハチミツの組み合わせを思いついた理由を、リトルファームのオーナー・三尾夏子さんが教えてくれました。
リトルファーム・三尾さん:
夫がニホンミツバチの純粋生ハチミツの生産をしていたんです。そのハチミツをプリンにかけて食べるとめちゃくちゃおいしいんですよ。それならプリンも自分で作りたいと思って、プリンには卵が必要ということでニワトリを飼い始めました
こうして育てたニワトリが生んだ新鮮タマゴと、純粋生ハチミツを使い、試行錯誤して生まれたのが「まかどぷりん」です。
まずそのまま食べてみると、卵の味がしっかり感じられる自然な甘さのトロトロ系プリンでした。
続いてニホンミツバチのハチミツをかけてみます。フルーティーなハチミツがプリンとマッチして、甘くて濃厚だけれど、スッキリさっぱりしていました。
さらに「フィナンシェ(200円)」もカフェのおすすめです。
プリンは卵黄のみを使用するため、残った卵白を使ってフィナンシェを作っています。
ほんのり温かく、外はさっくり中はもっちりしっとり、自然な甘みです。油分がしつこくないので、軽くて後味もスッキリでした。
要予約「こだわりたまご焼きサンド」
リトルファームのニワトリたちが生んだ卵は「まかどたまご(10個入り1パック700円)」として販売しています。
形がいびつだったりサイズが大きすぎるなど、販売には適さない規格外の卵は、「こだわりたまご焼きサンド(900円)」に使われています。
富士市内にあるパン店「鈴木屋」の食パン、三島市の「だいいちはむ」のベーコン、自家製のハニーマスタード。
それに規格外の卵を使ったボリューミーなサンドイッチです。
規格外の卵は毎日あるわけではないため、こだわりたまご焼きサンドを食べたい場合は、前日午前までに必ず予約をしてください。
リトルファーム・三尾さん:
ニワトリは1年~1年半ほどで産卵頻度が減るため廃鶏されてしまうのが一般的ですが、リトルファームのニワトリたちは最後まで大切に育てています。卵を産まなくなった4~5歳のニワトリもいるので、卵の供給が不安定であることをご理解いただけると嬉しいです
持ち込みOKなので、ドリンクだけ注文して、食べ物は持参してもいいそうです。
まかどぷりんやフィナンシェ、まかどたまごも予約をしておいた方が安全です。
放し飼いのニワトリは羽毛がツヤツヤ
一般的な養鶏場は鶏舎の中でニワトリを飼育しますが、リトルファームのニワトリたちは平飼いエリアや放し飼いで暮らしています。
お願いすれば柵の中に入って、近くでニワトリを見ることもできます。柵の外の庭にも放し飼いのニワトリたちがいるので、優しく見守ってあげましょう。
リトルファームのニワトリたちはとにかく元気。
土を掘って砂浴びをしたり、ミミズを探したりと自由に動き回っています。
のびのび過ごすニワトリたちのトサカはハリがあり、羽毛もつやつやしていました。
リトルファーム・三尾さん:
最初に迎えたのは6羽です。卵をおすそ分けすると、「すごくおいしいから、卵屋さんやったら?」という声が増えてきました。それに応えてニワトリの数を増やし、現在は70羽です
2種類のハチを飼育
敷地内に置かれている木の箱は、養蜂のためのハチのお家です。
リトルファーム・三尾さん:
ニホンミツバチのハチミツは年に一度だけ採蜜(巣箱からハチミツを集めること)します。いろいろな花の蜜が混ざった、味も香りも濃厚なとても貴重なハチミツです。セイヨウミツバチは年に数回採蜜し、時期ごとに異なる花の蜜を味わうことができます
ニホンミツバチは在来のミツバチが巣箱に住み着いてくれるのを待つなど、飼育が難しいそう。
そんな貴重なニホンミツバチのハチミツは「幻のしずく(100g 2000円)」として年に一度だけ販売します。
セイヨウミツバチは管理の手間はかかるものの、季節ごとにたくさんのハチミツを採ることができ、「まかどはちみつ(100g 750円)」として販売されています。
取材時には採取時期が違う2種類の「まかどはちみつ」が販売されていました。
民泊施設「HEAVEN」やBBQスペースも
リトルファームには民泊施設「HEVEN」もあります。
リトルファーム・三尾さん:
自分自身バックパッカーとしてあちこち行っていたので、そういう人たちや海外からのお客さんには民泊施設のHEAVENに来てほしいです
HEAVENはレンタルスペースとして時間貸しもしているので、子供の誕生日パーティーや演奏会、ヨガ教室などに使われることもあるそうです。
外にはBBQスペースもあるので、富士山や駿河湾を眺めながら、ゆっくりできそうです。
リトルファームは富士山も駿河湾も見える見晴らしの良い場所にあります。
春には敷地内に咲き誇るサクラを見ながらお花見、夏には自家製レモンとハチミツの特製シロップを使ったかき氷が登場します。
元気なニワトリたちと触れ合いながら、四季を通じて自然に癒される小さな農場を訪れてみてはいかがでしょうか。
■店名 Little Farm
■住所 静岡県富士市間門35-1
■営業日時 水・日のみ 10:00~15:00
■問合わせ 0545-32-6010
※商品予約はインスタグラムのDMかメールが確実
■駐車場 10台程度
文/望月知世子 撮影/神野あゆみ