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【記者ノート】三原田組社長インタビュー DX認定事業者認定で社員がDX化を「やって良かった」「やり易くなった」と思える建設業に

にいがた経済新聞

同社が運営する建設関連技能講習を行う「上越トレーニングセンター」

インタビューに応じる三原田誠社長

人手不足でDX化による業務効率化待ったなし

総合建設業の株式会社三原田組(新潟県上越市清里区)は今年11月、経済産業省から「DX(デジタルトランスフォーメーション)認定事業者」の認定を受けた。上越地域の建設業では初めてであり、上越では全業種でもJマテ・カッパープロダクツに続き5例目でもあり、認定企業には信頼性の向上や補助金申請時の加点と言ったメリットもある。

三原田社長も「建設業では先駆的かも知れないが、業界の人手不足を背景に業務の効率化は待ったなしだ。ITの専門職を新たに採用したわけではなく、社内の女性社員がリスキリングでITスキルを身につけ、副社長との“タッグ”で進めてきた取り組みは、まずは間接部門への導入から始めた。RPAやノーコードアプリを開発し、社内の全部署に広げつつある」と導入目的を話す。

データ一元化で全社員情報共有、組織力アップ

同社が運営する建設関連技能講習を行う「上越トレーニングセンター」

具体的な例として、同社運営の新潟県労働局登録教習機関で建設関連の資格取得に携わる「上越トレーニングセンター」において、技能講習における各種申請書における様々なデータを活用することにより、業務プロセスがDXされることで、大幅に時間短縮になり、その分担当者らも本来の営業に力を入れられることで売上確保に繋がるメリットもある。本業の工事においても、「工事に関わる全てのデータを独自アプリで一元化され、全社員がそれらの情報を共有化出来る上、必要な情報をいつでも引き出せることで、無駄を減らしていける」と組織力を高める狙いも語る三原田社長だ。

これまでも建設業に関わる様々な先駆的開発・取組みを重ねて74年の歴史を刻み、発展を

設立は昭和40年2月で60年だが、祖父が個人会社でスタートしてから数えると74年が経つ。砂利採取業として骨材製造販売を中心に業績を伸ばし、土建分野や産業廃棄物運搬や生コン製造販売などを展開し、総合建設業として発展を続けてきた。この間、地盤改良工事のエコジオ工法や砂利採取場から排出される洗浄泥水を活用したキヨサトソイルフロー(流動化処理土)の特許登録、新潟県多様で柔軟な働き方・女性活躍実践企業(Ni-fulゴールド)認定、SDGs推進建設企業登録などの先駆的開発や取組みも進めてきた。さらに今夏、砂利採取の生産・出荷量の将来を見越し、「砂利採取業」から撤退し、建設業者から受入れた残土を現在の砂利採取現場(跡地)に埋め戻すという“新しい事業”への転換を図ることも発表している。

当初からの中核事業分野の砂利採取現場

DX化で全社員スキルアップ、チームワークも

話をDX認定事業者認可に戻すが、「最初にも申し上げたが、これからの経営目標の達成には、人手不足の中、ICT活用だけでなく、DXとして進めてきた業務改善や仕組みづくりを通じて生産性を上げていかなければならない。社員の休みもしっかり確保しながら、忙しい建設現場での従業員の負担軽減を図り、その上で売上の確保も図っていくことが重要だ。いずれにせよ、働く社員・従業員の多くが『DX化をやって良かった』、『DX化で仕事がやり易くなった』と思える職場環境を創るのが私達の役割であり、掲げる経営方針に対しても、全社員が効率化でスキルアップし、チームワークが良くなることこそ、会社の発展へと繋がっていくと信じている。このDX化で若手とベテランとの連携で若手が早く一人前になってくれることを期待している」とも語る社員想いの優しい若き三原田社長だ。

義父の後受け3代目社長に、3社合併し新三原田組に、更にDX認定事業者にも

三原田社長は、学生時代に知り合った同社会長の長女(同社副社長)と25年余り前に結婚し、3年前3代目の社長に就任。就任と同時にこれまでの3社(砂利採取製造販売の㈱三商と生コン製造販売の株式会社キヨサト生コン、総合建設業の株式会社三原田組の3社)が合併し現在の社内体制になった。今回、新たなスタートでもあり、しかもこれまでデジタル人材の育成に取り組んできたこともあって、DX認定事業者の認定へと繋がっていった。

新潟県上越市清里区にある本社外観

竜 哲樹(にいがた経済新聞顧問)
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。

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