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ひと袋1000円の「超高級もやし」を食べてみた / 800年の歴史を持つ青森県『大鰐温泉もやし』

ロケットニュース24

青森物産展に立ち寄った時のこと。売り場の前で「マジかよ……」と呟いたあと、筆者は絶句してしまった。

というのも、一般的には節約食材の代名詞とも言える野菜 もやしが、そこでは税込980円で販売されていたからだ。「たかが」と言うと失礼なのだが、それでも “もやしとしての価格” と考えると大きく相場外れなのは間違いない。

──果たして、この『大鰐(おおわに)温泉もやし』には1000円の価値があるのか? 実際に購入して確かめてみた。

【写真】長さを計測してみたらすごいことになっていた!

・1000円のもやし

こちらが1000円もやし こと『大鰐温泉もやし』だ。

見ての通り非常に長さがあり、白く伸びる茎は とても暗い場所で育ったとは思えないほどにまっすぐだ。

パンフレットによると、青森県にある大鰐温泉の温泉水と地熱を利用して土耕栽培されているそうで、約400年の歴史があるんだとか。

現在はたった6軒の農家が栽培しているのみということで、頭の中では「そりゃ1000円もするよな」という納得感と「でも、もやしだぜ?」という疑問とがせめぎ合う。

・調理してみた

大鰐温泉もやしに適した調理方法は、上のパンフレットに6件記載されていた。今回はそれらの中でも、シンプルにもやしの美味しさを味わえそうな「ナムル」に挑戦してみよう。

まずはもやしを束ねている藁(!)をほどいて水洗い。

水をためたボウルでサラッと3回ほど洗うだけでOKだ。

丸ごと茹でて冷ましたら、

食べやすいサイズに切りわけ、しょうゆ・ごま油・塩こうじ・塩と混ぜ合わせる。

お皿に盛ってごまをかければ完成だ!

・主役を張れる濃いもやし

出来上がりを見て最初に気が付くのが、そのボリューム感である。

横から見てもこの通り、こんもり。シンプルに量が多いのはもちろんだが、火が通ってもヘタらず1本1本の形がしっかり保たれているというのもあるだろう。

肝心なお味はというと……

箸でひとつまみ口の中に放り込んで「ジャキッ」と噛んだ瞬間のこと。思わず「うおぉっ! な、なんじゃコレ~~っ!?」と声が出た。

だって “もやしの味” が、するのだ。

これまでの人生、申し訳ないけどもやしの味なんて意識したことがなかった。カメレオン俳優的と言うとちょっとカッコイイけど、もやしって、調味料や他の食材の味を吸い込んで自分のモノにするタイプじゃない?

だから「もやし味ってどんな味?」と聞かれると、「薄い大豆的な味がしなくもないけど……まぁ料理次第だよね」って答えになる。

──ところがこの大鰐温泉もやしの場合、今まで知り得なかった “もやし味” がするのだ。

例えるならば、豆乳から乳臭さを抜いて旨みを増した感じと言うべきか、豆乳の旨みに透明感を持たせた感じと言うべきか。豆部分だけでなく茎からもその味がするため、噛むたび旨みの汁が口いっぱいに広がる。

温泉っぽい味がするような気もするが、コレは思い込みによるものかもしれない。

だが、とにかく最高に美味しく食感も心地よいことは間違いない。カサ増しのための脇役野菜ではなく、単体で主役をドドーンと張れる実力派野菜と言えよう。

また、土耕栽培にもかかわらず根っこまで食べられる点も面白い。

土臭さは一切なく、茎と同様に旨みがたっぷり。土の上で育ったなんて信じられない現象だ。

──後日、比較として税込48円の通常もやしで同じナムルを作ってみた。

もちろんコレはコレで美味しいのだが、まったくの別物と言わざるを得ない。全体的に水っぽいため、味が調味料頼みになってしまうのは通常もやしの宿命だろう。

やはり大鰐温泉もやしは、何にも代え難い唯一無二の存在。

もちろん、どんなに美味しくとも野菜に1000円をかけるってのは非常に贅沢な選択。そのため「次回も見つけたら必ず買います!」とは即答できないが、未体験の方は是非試してほしいというのが正直な気持ちだ。

なお青森物産展のスタッフさん曰く「地元以外では滅多に流通しないもやしで、ネットでも売っていないんです。どうしても食べたい場合はふるさと納税で手に入りますよ」とのこと。

噂によると大鰐町ではひと袋300~400円ほどで購入できるらしいので、現地に立ち寄った場合はマストで食べてほしい!

参考リンク:楽天市場「ふるさと納税 大鰐温泉もやし」
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

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