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白蛇が建材運んだ伝承 氷川神社の本殿

タウンニュース

創建当初は赤色だったのではないかと言われている本殿(写真提供=氷川神社)

今年の干支は「巳(へび)」。中央区内で蛇にまつわる伝承を調査したところ、清新にある氷川神社の本殿には蛇に関する逸話があるという。

氷川神社は1843(天保14)年、武蔵国南多摩郡上櫟田村(現在の八王子市)の村社から分霊し、翌44(天保15)年に建設された。清兵衛新田の入植者の心のよりどころとされていた。氷川神社に現在ある本殿は、緑区相原にあった「外の御前」という建物が76(明治9)年頃に移築されたもの。

浅原寛宮司によると、本殿の建立には1匹の白い蛇が関係しているという。

「外の御前」に祀られていた祭神は明治時代の初め頃に相原八幡宮に合祀され、中は空の状態になったとされている。その後、建物の建材が毎日少しずつなくなる事態が発生し、相原の村人たちが見張ったところ、白蛇が木材を口にくわえて氷川神社まで運ぶ姿を目撃した。相原の人々は「外の御前を清兵衛新田に移したいという神のご神意だ」と考え、氷川神社の氏子に木材を譲ったと伝えられている。

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