【大原三千院】可愛い紫陽花に美しい苔、荘厳な釈迦三尊像が見所
先日ふと、今年はまだ十分に紫陽花を十分に愛でていないと気付いた私。これは大変!ということで、まだ見たことのなかった三千院の紫陽花を見に行ってきました。数十年ぶりの三千院は、とても素敵でオトナなひとときになりました。
三千院について
三千院は、京都の中心地からは少し離れた大原エリアにある寺院です。
天台宗の宗祖・伝教大師最澄が比叡山東塔南谷にあった山梨の大木の下に庵を結んだのが始まりとされています。
平安後期からは皇子皇族が入寺する宮門跡となり、寺地は比叡山内から近江坂本、洛中と転々とし、寺名も円融房→梨本坊→梨本門跡→梶井宮と変遷していたそうです。
現在の大原に移ったのは、明治維新以後でそれからは三千院と称されるようになりました。
三千院の境内
三千院は四季を通じて美しい景色が楽しめる寺院です。
特に私が好きなのは初夏から梅雨入り頃の季節。
新緑と苔がしっとりと濡れたように艶めいている様子は、とてもきれいで癒されます。
参道から境内へ
三千院の入口にあたる御殿門は、とても風格があってまるでお城の門のようです。
御殿門の両側に積まれた美しい石垣も見逃せません。
お抹茶を飲みながら眺められる聚碧園
御殿門をくぐって左手にある拝観受付から客殿へ入ると、その向こうに見えてくるのが1つめの庭園・聚碧園です。
こちらではお抹茶をいただきながら緋もうせん(赤いじゅうたん)に座ってお庭を眺めることもできます。
なだらかな丘に沿って丸く刈り込まれたツツジや樹々、その手前には池。
広々としたというよりも、緑に包まれているかのような安心感がありました。
宸殿から見る有清園
客殿から渡り廊下を抜けると宸殿(しんでん)です。
宸殿には最澄作と伝わるご本尊の薬師瑠璃光如来像がお祀りされていますが、秘仏のため見ることができません。
その宸殿の前に広がるのが有清園です。
聚碧園と異なり、広々とした空間に杉やヒノキがすっくと立ち並び、地面には美しい苔が。
今は緑一面の庭園ですが、春には山桜と石楠花(しゃくなげ)、秋には見事な紅葉で彩られ、冬は静かな雪景色と、いつ訪れても素敵な景色が楽しめます。
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有清園の景色を眺めながらゆっくりと歩いていった先にあるのが往生極楽院です。
穏やかなお顔の阿弥陀様
往生極楽院にお祀りされている阿弥陀三尊像にお目にかかるのが、今回私が三千院を訪れた2つめの目的でした。
ちなみに1つめは、紫陽花です!
舟底型の天井いっぱいにお祀りされた阿弥陀如来像と少し前かがみで正座をしているような大和坐り(やまとすわり)をされている勢至菩薩像・観音菩薩像。
ずっとお会いしたかったのです。
とても穏やかで包み込むような表情の三尊像をじっと見ていると、知らない間に溜まっていた心の奥の澱のようなものが溶けていくようでした。
そして、往生極楽院から見る庭園も見事!
お庭にあちこちにたたずんでいるわらべ地蔵を探しながら弁財天へ。
弁財天がお祀りされている奥があじさい苑です。
あじさい苑
三千院の紫陽花は、土壌の関係なのか全体にブルー系のお花が多いと感じました。
淡いブルーや藍色に近い濃いブルー、時々紫や、薄ピンクっぽいのもあります。
日なたでは汗ばむくらいの気候ですが、ここでは涼しい風が吹き抜けてとても気持ちいい!
あじさい苑の中には小道がたくさんあって、ぐるぐるとあちこち楽しめました。
車いすの方用に舗装された通りやすい道もあります。
あじさい苑から律川を渡ると、大きな石造りの仏様がいらっしゃいます。
売炭翁石仏
こちらは鎌倉時代に作られた阿弥陀石仏です。
高さは約2.25m、この地で修行をしていた念仏行者たちが作ったものと伝わっています。
金色不動堂と観音堂
境内の一番奥には平成元年に建立された金色不動堂と観音堂があります。
金色不動堂の手前には、御朱印の授与所と無料休憩所。
休憩所ではおいしいお茶をいただきながら、係の方とのおしゃべりと楽しむことも!
おかえりの前にぜひ円融蔵へ
円融蔵は、三千院出口の手前の三千院オリジナルグッズ販売所と並んであります。
中には三千院所蔵の文化財の他、往生極楽院の天井画が創建当時のままに復元されたものがあります。
極彩色のとても美しい天井画で、この中にあの三尊像がお祀りされていたのだと想像すると…「まさに極楽浄土!」
円融蔵は素通りされる方もいるのですが、ぜひぜひ見ていただきたい!です。
三千院の基本情報
住所 京都市左京区大原来迎院町540
拝観時間
・3~10月 9:00~17:00
・11月 8:30~17:00
・12~2月 9:00~16:30
拝観料 一般700円/中高生400円/小学生150円
アクセス
バス 「大原」徒歩約10分
HP:http://www.sanzenin.or.jp/