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私事だが12月末に子供を産んだ。妊娠中は抵抗力が弱るため、食中毒を恐れて生魚を食べられなかった。生肉や生卵も同様だ。

そう思うと回転寿司は控えるべきなのだが……ダメって言われると逆に行きたくなるじゃない!?

ってなワケで「生モノ完全NG」で回転寿司に行っても楽しめるのかどうか、検証してみることにした。今回はいよいよ最終回、はま寿司編をお送りしますっ！

【写真】注文用タッチパネルで声優さんを選べる。クリスマスバージョンまで！

・ルール説明

今回筆者が訪れたのは、回転寿司チェーン『はま寿司』の地方店。

生魚・生エビ・生貝・生肉・生卵といった「生モノ」はすべて完全NG。

その縛りの中で、いかに美味しく楽しく食事ができるかを検証するものとする。

検証時期は2024年12月で、平日のランチ時間に訪問。そのためこの記事が公開される2025年1月には すでに提供を終了している期間限定メニューが登場することをご了承ください。

それではさっそく行ってみよう～っ！

・出会いにトキメキはま寿司

入り口のドアを開けた時、待合室の混雑具合に驚いた。平日の昼間、それも人口の少ない地方店なのに待ちが発生していたのである。

もしかして、はま寿司ってブームなの!?

明確な混雑の理由は最後までわからなかったのだが、人が多いのも納得できるトキメキがはま寿司にはあった。まず、席についてすぐのこと。

注文用のタブレットとは別に、レーンに貼りつけるような形で謎のディスプレイが配置されているではないか！

いろんなメニューがぐるぐるとループしていて、どうやらココからタッチして注文できるらしい。コレってもしかして……デジタル回転寿司ってこと!?

思い出すのは子供の頃のこと。

コロナ禍を経て多くの店がオーダー制となったが、かつて回転寿司といえば、文字通りレーンの上を寿司が回転するのが当たり前だった。（なんなら注文すらできなかった覚えがある）

目の前を通り過ぎていく様々な握り、巻き寿司、デザート。「うわっ、今の美味しそう！」と手を伸ばすあの瞬間には、たとえ寿司がちょっと干からびていようとも気にならないほどのトキメキがあった。

……あの日の“偶然の出会い”を再現できるのが、このデジタル回転寿司ディスプレイってことなのか。

すごいな はま寿司。早くも楽しくなってきたぜ～っ！

肝心なメニューの方はといえば、こちらもなかなか心のアクセルぶん回し系の楽しい雰囲気だ。

冬にオススメのあったかメニューランキングがあったかと思えば、

加熱済み系の寿司のバリエーションも意外と豊富。

追加トッピングの大根おろしと旨辛ネギも、食べ慣れたネタにワンパンチ加えられてうれしいね！

しかも、どのメニューもひとひねり工夫があって美味しそう。失礼ながら はま寿司には影が薄いイメージを持っていたが、まさかこんな実力者だったなんて！　こりゃ混んでるのも納得だ!!

・生モノNGはま寿司で注文したのは…

正直注文したいものが多すぎたのだが、悩んで削って最終的に頼んだメニューがこちらです！

・カリカリポテト（税込220円）
・北海道味噌バターコーンラーメン（税込506円）
・アスパラ天（税込165円）
・特製キンパ風ツナキムチ太巻（税込110円）
・エビ天握り おろし盛り（税込165円）

まずはアツアツで到着した味噌ラーメン。

見るからに美味しそうなこってりスープ。バターが溶けだし、空腹でただでさえ高まっている食欲に拍車をかけてくる。（ちなみに半熟卵のトッピングをウッカリ見逃していたため、申し訳ないが卵だけ残させてもらった）

ズズズッと麺をすすった瞬間に「うっまぁ～っ！」という言葉が自然と漏れた。

麺に絡まるスープはコッテリと甘みのある濃口。一口飲むだけで一気に体が温まってポカポカしてくる。油分が多いのが気になるが、そのおかげで食べ応えが増しているんだろう。

目隠しして食べたら普通にチェーンのラーメン屋の商品だと勘違いする自信があるし、寿司食べさせる気あるのかよ!?　ってぐらいの本気度を感じる。

あと、食べても食べてもなくならないコーンに笑った。

続いては揚げ物3連続、ポテトとアスパラ天とエビ天握りだ。

何を隠そう、筆者は回転寿司チェーンのポテトの中では はま寿司が一番お気に入り。

珍しく衣がついているタイプのポテトには、ジャンキーな味がついていてベストマッチ。

あと、この細さが他にない軽さを生んでいるんだよね。サクサクとスナック感覚でどんどん進んじゃう。いつかコレを独り占めで食べたいと思ってたんだよ！

ちょっと地味かな？　と思いながらも注文したアスパラ天は、想像以上に太くて柔らかくジューシー。

大人になるとアスパラの青い味が美味しく感じるんだよね！

そしてそして、この藻塩が天ぷらに相性ピッタリ。

塩辛すぎない柔らかな塩味を足して、アスパラの旨みを引き立ててくれた。

アスパラが塩だったので、エビ天はだし醤油で食べてみよう。

大根おろしがたっぷりと載ったエビ天握りは、高さがあってアンバランス。食べるのに技術が必要だ。

サクサクに揚がったエビがプリッと弾ける。噛むごとにサッパリした大根おろしがジワリと染みて、口の中の脂っこさを中和する。

自業自得ながらも 揚げ物が続いて疲れたアラサーの胃に優しい味。この寿司ひとつで実質天ぷら定食が楽しめちゃったなぁ……!!

ラストは人生初挑戦となるキンパだ。

カニカマ、キュウリ、ツナ、キムチが入ってるのかな？

一口では食べ切れない太さで、しっかりと味がついているため醤油は不要だ。寿司っていうよりも、具沢山ツナマヨおにぎりみたいなテンションで美味しい。

生魚を選べたら絶対頼まないメニューなのに、こんなに満足＆楽しめちゃうんだ……。今まで損をしていた気がしてくる。

・秋のデザートで幸せに締める

ここまでで十分お腹はいっぱいだったのだが、期間限定スイーツのメニューを眺めていたら欲が出てきた。

芋だ、芋！　こんなの見てたら芋のスイーツが食べたくなってきちゃったじゃない!!

ただし、一番大きな『秋のおいも満喫パルフェ』を食べられるほどの余裕はない。あれだけいっぱい揚げ物を食べたのだから、少し自重して小さめスイーツを頼もう。

ってなワケで『安納芋のおいもんぶらん（税込286円）』をオーダー！

種子島産の安納芋を使っているというモンブラン。

小さいデザートを頼んだハズが嬉しい誤算。

意外とサイズが大きく、中にはクリームがたっぷり詰まっていてボリューミー！　おまけに甘露煮のような甘～い芋がコッテリと濃く、ヘビー感に拍車をかける。

芋、クリーム、スポンジというシンプルな構成だがそれがいいのだ。芋は甘くてヘビーに、クリームはくちどけホワッと、スポンジは存在感を消して土台を支える縁の下の力持ち。クゥ～ッ、たまらないぜっ！

──と、入店から最後までトキメキが途切れることのなかった生モノNGはま寿司。

次回生モノありで来店するならば、サーモン×旨辛ネギや青魚×大根おろしなどはま寿司ならではのトッピングを楽しみたいところ。炙りや期間限定のメニューが豊富で、何度来ても飽きそうにないエンターテインメント性にも惹きつけられた。

個人的には「回転寿司界のダークホース」と呼びたいところ。回転寿司って生モノなしでもこんなに楽しめるんだと教えてもらいました。は、は、はま寿司！　ごちそうさまでした!!

参考リンク：はま寿司公式
執筆：高木はるか
Photo：RocketNews24.