泉区横山養豚 NTTらと豚舎環境対策 データ生かし「豚を健康に」
泉区和泉町の(有)横山養豚(横山清社長)が現在、NTT東日本神奈川事業部らと合同で、豚舎内の環境向上を目的とした実証実験を実施している。データを活用し、周辺への臭気対策や豚にとって快適な環境を模索中だ。
都市の中で畜産と快適な暮らしを両立する――。そんな未来に向けた実証実験が泉区の横山養豚で始まっている。
同実験は、2019年からICTで都市型畜産の課題解決に取り組んでいるNTT東日本神奈川事業部の働きかけで、豚舎環境改善と周辺への臭気対策を目的に実現。7月から豚舎内に臭気を測るアンモニアセンサーや、温湿度計などを設置して情報を一元化し、リアルタイムで豚舎の環境や豚の状態が表示される仕組みを構築した。
飼育環境に変化
実験開始から約5か月経った現在。同社の横山正至さんは「今回の実験で時間帯によって豚舎の臭いの度合いに波があることがわかった」と話す。そこで掃除の時間を調整し、なるべく臭気の値が一定になるようにした。
また横山養豚では、これまでにもオゾンを使った脱臭装置を導入するなどしてきたが、より清潔な環境で豚の健康を高めたいと今回の実験に臨んだ。実験開始後は、豚の健康状態が向上し、豚舎環境をデータ化するメリットを感じているという。
NTT東日本神奈川事業部の土屋和正さんは「実験をふまえ、臭気問題などに対して、個人農家でも導入可能な実用的な解決手段の開発に生かしたい。今後も地域内で資源が循環する社会を地元の皆様とつくっていければ」と話した。