【認知症の予防に】アメリカ専門機関が「「がん予防になる食材のトップ」に位置付けたニンニク。脳への影響を解説
大好きだった祖母が認知症を発症したことをきっかけに、認知症の予防法の普及に生涯をかける決心をしたという山根 一彦さん。医学博士として、認知症専門人材の育成、教材開発に携わってきました。これまで多数の認知症関連書籍の監修・執筆活動を行ってきた山根さんが、著書『OK食材、NG食材もズバリ!認知症を防ぐ最高の食べ方』(KADOKAWA)で伝授しているのは、認知症の最新情報や、認知症を予防、改善するための食材や食べ方です。今回はその中から、認知症リスクを減らすために毎日食べたい食材の食べ方と選び方をご紹介します。
※本記事は山根 一彦著の書籍「OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方」から一部抜粋・編集しました。
【OK食材】ニンニク
―――疲労回復ばかりか脳への好影響も
ニラと同じくヒガンバナ科ネギ属の香味野菜、ニンニクについてもお話ししておきましょう。
ニンニクといえば一般的には、疲労回復、滋養強壮のイメージが強いでしょうか。しかしそれ以外にも、免疫力の向上、がんの予防、血行促進、血栓予防、殺菌作用......と実に多様な働きがあります。とくにがん予防については、アメリカの国立がん研究所が「がん予防
になる食材のトップはニンニク」とまでいっています。
ニンニクの健康効果の主な立役者は、あらゆる食材の中でニンニクだけに含まれる「S-アリルシステイン」という硫黄化合物です。この成分には強い抗酸化作用があり、そればかりか、脳でもさまざまな働きを担っています。アミロイドβの蓄積を抑えたり、神経細胞
の変性を阻止したり、さらには海馬の神経細胞の再生を助けてくれます。
このようにニンニクが認知症の予防と改善に良いのはたしかで、健康情報に敏感な人たちは、すでにそのことを知っています。
ただしニンニクだけで目覚ましい効果が得られるというのは言い過ぎです。認知症の原因はさまざまで、ニンニクがいくら優れているといっても、それだけで認知症を防げるとは言い切れません。
POINT!
疲労回復にもがん予防にも頼れるニンニクは脳でもさまざまな働きを担っている。