【訪問レポ】札幌純喫茶レトロ旅(2)西18丁目駅前の隠れ家。「ちゃっかる」で懐かしのナポリタンと深煎り珈琲を【札幌市】
地下鉄東西線「西18丁目」駅3番出入り口の眼の前にある「ちゃっかる」。純喫茶らしい落ち着きのある空間は、かなり年季が入ったように見えますが、実は2016年にオープンした比較的新しいお店。でもお店には店主の徹底した純喫茶へのこだわりが息づいています。
地元の人々からサラリーマンまで、多様な人々が訪れる“人間交差点”
店頭のガラスケースに並ぶのは蝋細工の食品サンプル。扉を開けると、ノスタルジックな温かみを持った空間が広がります。こぢんまりとした店内には、観葉植物や雑誌が並ぶ本棚、シックな色合いでレトロな家具が並びます。まるでこの場所で何十年も続いてきた店のようですが、オープンしたのは2016年。店主・石岡彩子さんが思い描いてきた“古き良き純喫茶”を再現したのがこちらのお店です。
学生からご高齢の方まで混在し、近隣の住民だけでなく仕事の合間の会社員、デートや待ち合わせ中のスキマ時間での利用など、幅広い客層から愛されています。 「いつからあるお店ですか?二代目ですか?などと聞かれたときは、心の中でガッツポーズをしますね(笑)。狙い通りのお店になっているんだなとうれしくなります」と石岡さんは笑顔をみせます。
人気メニューはこれぞ喫茶店の味「ナポリタン」
西区発寒の名店「おかめや」から仕入れた食パンを使うトーストやサンドイッチ、ビーフカレー、ドリアなど、メニューには「これぞ純喫茶」と言いたくなるようなものがズラリ。中でも、一番人気はナポリタンです。
スパゲッティーは茹でたものを一晩寝かせたモチモチ食感。タマネギやピーマン、ソーセージと共に特製のトマトソースで炒め、仕上げにトマトケチャップでフレッシュな酸味を加えます。コク深い味わいで、粗挽きの黒コショウがピリッと味を引き締めるのが絶妙です。
珈琲はサイフォンで抽出したどっしりとコクの深い味
コーヒー豆は、北区新琴似「JINNO COFFEE」より仕入れたオリジナルブレンド。サイフォンで抽出しており、深いコクとどっしりとした後味を楽しめます。酸味が控えめな昔ながらの味わいで、付け合せのミニチョコレートとの相性もたまりません。おかわりは100円引き(他のドリンクメニューでも可)、豆の購入もでき、こちらはg650円です。
このほか、ドリンクメニューは豊富で、ウィンナーコーヒーやカフェオレなどをはじめ、紅茶やチャイ、ソフトドリンクではメロンソーダやレモンスカッシュ、いちごミルク、もちろんクリームソーダもあります。
つい長居してしまう居心地の良さ
ところどころにあしらわれた手作りのステンドグラス、ずっしりした長椅子など、一つひとつのインテリアに純喫茶の息吹を感じます。パソコンで仕事をしている人もいれば、タバコをくゆらせながら静かにコーヒーを飲む人など、思い思いに時間を過ごす人々。“あの頃”の懐かしさを感じる空間に、居心地の良さを感じずにはいられません。
「じっくり滞在しても良いし、サッとコーヒーを飲むだけでも良いんです。どんな使い方でもできるのが、純喫茶の魅力ではないでしょうか」と石岡さんは話します。
※金額は全て税込
ちゃっかる
■所在地:札幌市中央区大通西18丁目2-14
■営業時間:9:00〜19:00
■定休日:日曜日
【ライタープロフィール】
山下 恭平(雑誌・書籍編集者&ライター)
ラジオ局で番組制作の仕事をしながら、ミニコミ誌の制作や雑誌のライター業を始める。その後、編集者として出版社に入り、タウン情報誌をメインにさまざまな記事を手掛けてきた。好きなことは料理、山登り、川釣り、札幌の石碑。札幌市南区在住で、南区をこよなく愛している。