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80〜90年代のゲームカルチャーが錦糸町に集結!! 「百獣ゲームランド」を徹底レポート!

Dig-it[ディグ・イット]

2025年3月2日、錦糸町のすみだ産業会館にてMCU×シティコネクション主催「第1回 百獣ゲームランド」が開催された。「百獣ゲームランド」とは、 1980〜90 年代のカルチャーで育まれた MCU と、同テーマでゲームパブリッシャーとして活動するシティコネクション社が共同で始めた、ゲームにまつわる展示・即売のテーマパークだ。当日の様子をレポートする。

“好き”に満ちあふれたテーマパーク

この日、東京は温暖な陽光が降り注ぎ、最高気温が20℃を超えた。絶好のイベント日和の日曜に、錦糸町マルイの8Fのすみだ産業会館で開催された「百獣ゲームランド」に、ゲーム愛好家が大挙した。

「百獣ゲームランド」は、ゲーマーやレトロゲームコレクターとして知られる「MCU」と、保有するジャレコIPを中心にオールドゲームを展開する「シティコネクション」社が共同で、ゲームを中心とするカルチャーの 「あの頃の今」を存分に浴びてほしいと立ち上げたイベントである。昨年「第0回」が開催され、今回は正式な第1回としての開催となった。

そこは“百獣”(MCU発の言葉で「最高」を表す)な展示・即売のテーマパークだ。来場者は思い思いにゲームにまつわるアパレルや小物を身に付け、出展者はこの日のための逸品を用意してと、全員がもち寄った“好き”の気持ちで場内は満たされていた。

入口で入場チケットとして販売されているパンフレットは、11時の会場からわずか2時間で準備していた400部が完売!

豪華な出展者との交流&サイン会

当日の出展ラインナップを見れば、それも納得だ。アーティストやタレント、ゲームメーカー、ゲームクリエイター、ショップなど、いずれもゲームファンにはお馴染み。出展者の皆さんは気さくに交流して、そこかしこでサイン会が始まっている。人気の出展ブースには商品を求める列が形成され、会場の外の廊下まで延びていた。

【出展一覧 敬称略・五十音順】

MCU (KICK THE CAN CREW)
株式会社シティコネクション
iam8bit japan & asia
愛沢めみ
8bitcafe
MPC SKOOL
川田宏行
キノコ国本剛章
ゲームインパクト
GAMES GLORIOUS
サルサカバナ
しのしの塔
辻野芳輝/辻野寅次郎
ディスクユニオン アニソン・ゲームミュージックストア
Nakamura(YMCK)
謎の店
ハッピーミール株式会社
BEEP
HIGE DRIVE
フジタクエスト
BETTA FLASH

MCUは新曲「燃えろ!! プロラップ 令和決定版」をはじめとしたCDの他、アクリルスタンドなどのオリジナルグッズを販売。サインや写真撮影にも快く応じていた  Ⓒelements ltd.
「燃えろ!!プロラップ 令和決定版」はピクチャーレーベルCD! 高橋名人や伊藤一朗(Every Little Thing)も参加している  Ⓒelements ltd.
シティコネクションは会場とマルイ錦糸町1階にブースを出展。アパレルや各種ゲーム、グッズなどを販売した 写真提供:シティコネクション
一際目を引いたのは、ジャレコで極秘開発された幻の未発売ソフトが35年の時を経て復活した『P-47ⅡMD』。2025年3月13日の発売日に先行して販売された 写真提供:シティコネクション
ファミコンソフト『忍者ハットリくん』『チャレンジャー』『スターソルジャー』などの名作の音楽を手がけているレジェンドの国本剛章氏。雑誌『昭和50年男』vol.16にて作曲秘話を明かしている。手にしているCDは最新作となる『キノコ国本剛章 History Vol.6 もう1回チャレンジャー』
『天外魔境』シリーズのキャラクターデザインや、最近ではテレビアニメ『全修。』の設定を担当している辻野芳輝氏は作品集を販売(『Dragonia Story』『Rough Skech-skull-』を購入し、巨匠からもサインをGet!)。『昭和50年男』vol.32では辻野氏とMCUの『天外魔境』トークを掲載
謎の店のブース。高橋名人のピンズやMCUを題材にした「うちのラッパー知りませんか?」グッズなどが人気を集めた 写真提供:謎の店

特設ステージにじゃじゃ丸くんも登場!

マルイ1階入口にはステージが設けられ、主催者であるMCUとシティコネクション広報・志貫 徹(しぬきてつ)氏によるトークショーを開催。イベントを知らずにのぞいた人までも巻き込んでステージ前にはたくさんの観衆が集まっていた。

MCUは「昔住んでいた錦糸町でゲームイベントを開催できるなんて」と感慨深げ。シティコネクションのマスコットキャラクターのじゃじゃ丸くんが駆けつけて、写真撮影会も実施された。

マルイ入口の屋外ステージでの志貫徹氏とMCUのトークショーには大勢の人が集まり、にぎわいを見せていた
シティコネクションのマスコットじゃじゃ丸くん。「じゃじゃ丸くんと一緒に写真が撮れます」という係員のアナウンスに、「ジャジャマルって何?」と興味深そうにしている人もいた 写真提供:シティコネクション

奇跡の復活! 高橋名人のサイン会&トークショー

午後の部の主役となったのが、スペシャルゲストの高橋名人だ。今年の1月に心臓の開胸手術を受け今も恢復の途上にあるが、会場に姿を見せた高橋名人はいつもの笑顔。『昭和50年男』の連載「高橋名人の冒険時代」のためにほぼ毎月取材をしているが、入院のためしばらくぶりに拝顔できた。

「手術の後は個室だったから取材に応じたかったんだけど、面会できる時間に制限があって…。(休載して)ゴメンね」と筆者にタフネス&ジェントルぶりをさらりと見せる高橋名人。会場内のブースを巡りながら来場者との交流を楽しんでいた。

午後の部に高橋名人が出演したイベントは2つ。まずは、サイン会。会場でMCUのCD「燃えろ!!プロラップ 令和決定版」か謎の店が販売する「高橋名人のピンズ」の購入者150人に参加券が配付されたが、午前中に定員に達した。

サインに応じる高橋名人。色紙か名人にゆかりのある私物にサインを書いてもらうことができた

高橋名人とMCUの対談の様子をダイジェストで紹介!

そして、もう一つがMCUとのトークショー。一旦サイン会を中断して再び高橋名人がイベントスペースに立つとMCUとの対談がスタート。「普段は聞けないような質問をしたい」と意気込んでいたMCUが問いかける。

MCU名人がジャレコでゲームを出していたら、どんなゲームになったでしょうか。

名人ジャレコさんでちゃんと遊んだのは『P-47』なんだよね。当時、戦闘機が好きだったからさ。小学校5年生ぐらいから72分の1のプラモデルを作っていました。

MCU忍者とかどうですかね? 『忍者としゆきくん』! じゃじゃ丸と違って黄色い服ですよ。

名人忍者で黄色い服って、すぐにバレるよね。

MCUカエルじゃなくて野菜とかに乗るのはどうでしょうか? それともハニーちゃん!?

名人それ、女性の虐待になるよね。そういえば、俺さ、じゃじゃ丸くんの歌を歌っているよ。「♪じゃじゃじゃ じゃじゃ丸 じゃじゃ丸参上〜」(※1)

MCU俺も歌っていますよ。「♪じゃ じゃ じゃじゃ丸!」ってやつ(※2)。以前に名人から「新宿で飲む時はボディーガードがついていた」って聞きましたけど。

名人それはボディーガードじゃなくてスタッフ。歌舞伎町ってピンク街があるじゃない。そこを歩いていて週刊誌に撮られたらまずいだろうと。一人で歌舞伎町を歩くなって言われていたの(笑)

MCUそんな歌舞伎町で、僕はゲームセンターの店長をやってましたからね(笑)

 〜ここで高橋名人の提案で来場者からの質問を受け付けることに。

名人お客さんで質問のある方はいらっしゃいますか。

質問者名人が連射でスイカを割るシーン(※3)は本当でしょうか。

名人夢が壊れますけれどいいの? 本当です(笑)。撮影では4個くらい割っていて、いちばんきれいに割れたものを本編で使いました。収録場所は5月の新宿公園で、当時は5月だとスイカは1個1万円ぐらいしたの。5、6個を用意したから5、6万円もかかって大変だったんだよ。

高橋名人のかつて全国キャラバンで磨いた話術は健在。二人の当意即妙なトークに約40分間、聴衆の笑いが途切れることがなかった。

Ⓒelements ltd.

 ※1…タイトルは「忍者じゃじゃ丸くん〜the memories〜8BIT Studio Session」。『ファミソン8BIT SP~ゲームソング編』に収録されている。

※2…タイトルは「忍者じゃじゃ丸 コレクション ~新たなる君のストーリー~」。2019年に『忍者じゃじゃ丸 コレクション』の発売に合わせて公開された

※3…映画『GAME KING高橋名人VS毛利名人激突!大決戦』(1986年)で高橋名人が特訓するシーンの一つ。スイカを連射して真っぷたつに割って見せた。

目標は幕張メッセ。本家のゲームショーのクレームも上等!! 

11時からスタートした宴は夕方5時に閉幕した。最後に主催者であるMCUとシティコネクションの代表取締役・吉川延宏氏の二人から締めくくりの挨拶がなされた。

MCU前回も大盛況に終わったんですけれども、今回はタイトルどおり“百獣”なことになりましたんで。お客様も倍に、スペースも倍になったので次はさらに倍を、そして倍の倍の倍を目指して、最終的に幕張メッセに行きたいと思います。東京ゲームショウから目をつけられる存在になりたいと思いますので、皆さんのお力添えをまたよろしくお願いします。

吉川氏次回からコンテンツの方がちょっと増やしていきたいと思っています。食の方とか、ちょっと動きのあるものとかもちょっと入れたりとかそういったコンテンツも充実させていきたいなと思っていますので、また次回もぜひご来場いただければと思います。ありがとうございました。

「百獣ゲームランド」の主要メンバー。左からMCU、吉川延宏氏、高橋名人、志貫 徹氏 Ⓒelements ltd.

【プロフィール】
MCU:1973年、東京都生まれ。KICK THE CAN CREW、ULのMC。一方でSNSやゲームイベントなどを中心にゲーム愛を公言し続け、ゲームの世界にもその名を着実に浸透させている。
MCUオフィシャルサイト https://www.mcu.tokyo/
シティコネクション:ゲームソフトの企画、開発、販売、ライセンスマネジメント、プロデュースを行う。さらに、ゲームサウンドトラックの制作・受託、製造・受託、販売など。「ジャレコ」のIPを保有している
シティコネクションYouTube https://www.youtube.com/@CITYCONNECTIONch/featured

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