ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.2|岩手・宮城 三陸の漁師町の魅力 その②
編集長・小西克博が最近気になったお店を、語り下ろし形式で紹介していく連載企画です。今回のテーマも前回に続き「三陸の漁師町の魅力」。なかなか行けないエリアではありますが、大震災から立ち直った岩手、宮城の三陸海岸を訪れ、漁師さんたちとの交流の中で出会ったお店を中心に紹介しています。
今回ご紹介するお店〈釜石~田野畑〉
今回の旅ではここ釜石から南に下ったのですが、海外沿いを北上して田野畑村まで行くのも魅力的です。前回行ったエリアを少しだけ触れておきましょうか。一般的にはなかなか行く機会が少ないところだとは思いますが、豊かな自然が残っている風光明媚なところです。
釜石駅前の「駅前橋上市場 サン・フィッシュ釜石」は商店街ですが、釣った魚を自分たちで捌いたり調理したりできるサービスもあって、もちろん商店で買ったものをそこで食べたりもできます。駅前食堂という店があって、ラグビーの街らしくラガーメンなるラーメンを出していたのですが、残念ながら閉店してしまいました。
釜石から三陸鉄道リアス線で北上すると、岩手県の広さがわかりますね。同時にリアス海岸の美しさとそれぞれの港で揚がる魚が違うというユニークさ。一駅ずつ降りて、ゆっくり過ごしたい気分になります。
大震災のときには私もお手伝いで来ましたが、少しずつ復興していってる姿をみるとうれしいですね。
大槌町には地域おこしの酒「源水」があります。地元の吟ぎんがという酒米に湧水を用いて釜石の酒蔵・浜千鳥で仕込んだという吟醸酒。
これをいただいたのは地元の人気店【居酒屋えびす】。ここも地元の食材をフル活用した素敵な居酒屋です。東京から移り住んだ漁師さんや、研究者、ボランティアの方々なども交えて、大人数でお邪魔した座敷には、復興を祈願する漫画家の大きな絵がかけられていました。
イカの腑入りという、いわば肝和えですね、これが名物という大槌ですが、魚のみならず鹿肉も有名です。
岩手初の鹿肉ブランドをつくった「MOMIJI」では狩猟体験などのツアーも行っています。
そういえば故井上ひさし氏の小説「吉里吉里人」で有名になった吉里吉里も大槌町ですね。砂浜を歩くとキリキリ音がするという意味のアイヌ語から来ているという話を聞きましたが、古代から住んでいた人らに思いを馳せながら、ここで独立する人たちの話を描いたこの小説を読むとなかなか意味深で面白いかもしれません。
さらに北上すると宮古、そして有名な【ロレオール田野畑】のある田野畑村です。岩手県の海岸沿いは日本最大のジオパークになっていますが、この田野畑には白亜紀の化石層が広がっていて、ツアーもさかんにおこなわれています。
【ロレオール田野畑】は岩手を代表するレストランです。ローカル・ガストロノミーの先駆者でもある伊藤勝康シェフが、地元の食材を南部鉄器で料理するフレンチ。眺めのいい丘の上に建つレストランでいただく岩手愛に満ちた料理は、まさにここでしか味わうことができない唯一無二なものです。
以前ヒトサラ・ジャーナルにも登場していただいてます。三陸の話が聞けますよ。
ここで登場した恋し浜ホタテの漁師さん、佐々木淳さんとイザベルさんが催行するマリアージュクルーズは釜石の南の大船渡にあります。
次回はその話をしながら釜石を南下してみましょうか。
居酒屋えびす
【電話】090-6784-9120
【住所】大町502-6
【エリア】釜石/大船渡/陸前高田
【ジャンル】居酒屋
【ランチ平均予算】-
【ディナー平均予算】-
ロレオール田野畑
【電話】080-9014-9000
【住所】岩手県下閉伊郡田野畑村明戸309-5
【エリア】久慈/宮古
【ジャンル】フレンチ
【ランチ平均予算】5,000円 ~ 5,999円
【ディナー平均予算】6,000円 ~ 7,999円
【アクセス】田野畑駅