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【量子化の父】マックス ・ プランクの唱えた「黒体輻射」と「エネルギー量子化」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話】

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【量子化の父】マックス ・ プランクの唱えた「黒体輻射」と「エネルギー量子化」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話】

プランクの「黒体輻射」と「エネルギー量子化」とは何か?

「鉄は熱いうちに打て」といいますが、物理学者はたぶん「それは何度か?」とすぐに聞き返してしまう。鍛冶屋さんが聞いたら、きっと「赤いときに打つんだ!」と怒鳴られることでしょう。それはともかく、鉄が赤いときはほぼ800℃、白熱灯は2500℃、太陽は5500℃くらいですが、それぞれ光っている色が違います。太陽はプリズムで見るとわかりますが、7つの色を出しています。熱い鉄はおおむね赤です。どうやら熱さと物が光る色(または光る波長)は関係していそうです。

ところで、物理学者が使う「黒体輻射(こくたいふくしゃ)」という言葉があります。むずかしそうですが、「ある温度を持った真っ黒なものが放つ光」という意味です。この黒体放射(輻射)を真面目に計算したのが、イギリスの物理学者ジェームズ・ジーンズとレイリー卿。ところが、実験と計算式がまったく合致しない。そこに登場したのが、ドイツの物理学者マックス ・ プランクでした。1900年ごろ、プランクは光のエネルギーは1個、2個と数えられる「粒」としてみたらどうだろうと考えました。そして、このように物の性質が粒のように数えられることを「量子化」と呼びました。この条件を含めた計算式を使うと黒体輻射の実験データと計算値がピッタリ合ったのです。

このプランクの唱えた量子化という考え方は、その後さまざまなところに応用されることになります。原子や電子などの物質を1個、2個と数える以外にも、「エネルギー」や「運動量」「磁場の束」(磁束)といった各種の物理量も1個、2個と数えられることがわかってきました。これもいまでは「量子化」と呼ばれます。プランクのこの斬新なアイデアを称え、現在彼は「量子化の父」と呼ばれています。

「量子化の父」マックス・プランク

マックス・プランク(1858〜1947年)
ドイツ生まれ。物理学者。1918年ノーベル物理学賞受賞。光のエネルギーは「量子化する」と初めて唱え、黒体輻射を解き明かす「プランクの法則」を確立。光の最小単位にかかわる定数hは、「プランク定数」と呼ばれる。

光を「波」として考えないで「粒」のように1個、2個と数えると計算が合うと思うよ

黒体輻射を真面目に計算したのが、イギリスの物理学者ジェームズ・ジーンズとレイリー卿だった。2人は別々に計算して同じ式にたどり着いたが、実験と比較すると全然合っていない。そこに登場したのがマックス・プランク。プランクは光のエネルギーは連続的なものではなく、「粒」として数えた。そうすることで実験データと計算がどんぴしゃとなった。

頑張ったけど惜しかった、敢闘賞2人

ジェームズ・ジーンズ(1877〜1946年)
イギリス生まれ。物理学者・天文学者・数学者。

レイリー卿(1842〜1919年)
第3代レイリー男爵/ジョン・ウィリアム・ストラット。イギリス生まれ。物理学者。「レイリー散乱」で知られる。1904年ノーベル物理学賞受賞。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話』著:久富隆佑、やまざき れきしゅう

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