辻󠄀元清美・小塚かおる著の新刊「日本政治の大問題」。本を書きながら気づいた大きな発見とは?
5月16日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、朝日新書から出版された著書「日本政治の大問題」について、参議院議員・辻󠄀元清美氏と日刊現代第一編集局長・小塚かおる氏に話を伺った。
長野智子「小塚さん、この本を書かれて何か発見はありましたか?」
小塚かおる「私が一番『はぁー、なるほど』って思ったのは、少子化について生物学者の五箇公一さんと話していて、元々は『人類滅亡しちゃうんですか?』っていうテーマから始まって、五箇さんに話を聞いていったんですけども。要するに、生物という意味での人間を考えた時に、生物っていうのは普通、生存欲だけがあるわけなんですよ。だから、子供を作るとかそういうことなんだけども。人間っていうのは生物業界の中では異質というか、そんな感じの存在で。だからいろんな欲を持っていて」
長野「そうですね」
小塚「でも、それは悪いとか良いとかそうではなくて、人間が世の中に順応していく中でそうなったと。そうやって考えるといろんな欲がある中で、いまは『べつに子供いらないよね』っていう、要するに生存欲というか子供を作る欲っていうのが薄くなっているっていう状態、生物学的にはそういうのもあるのかもしれないっていうような話があって。そういう中で、いまの政治がやっている少子化対策っていうのは『お金渡します』とか『とにかく制度を作ります』とか『だから産んでください』みたいな。それって響かないんじゃないかなぁ、っていうのが大きな発見でした」
長野「なるほどねぇ」
辻󠄀元清美「(五箇さんいわく)人間は今、ウイルスに逆襲されていて。『昔は恐竜があんなにいっぱいいたのに滅びていったのはなんでだろう?』って思わなかった?いま人間がやられているわけよ、のさばりすぎて。それで生物のピラミッドっていうか、生態系っていうのは元に復元しようとする力が働くから、あまりにのさばりすぎたものが出てくると、それを食い散らすというか、どんどん減らしていこうっていう方向にいくと。それがウイルスだっていう話があって。なんか(話題が)政治とかけ離れているようで離れてないんだよね」
長野「少子化とかもそうなんだけど、政治家の方がよく口にする『次世代に負債を残さない』っていうのが最近めちゃくちゃ引っかかります。なんか結局それ、私たちの時代がずっと痛みを伴う改革から始まって、ずっと痛い思いをしている中で『次世代に負債を残さないように』って言うことで、いまの人たちがすごい苦しくなっちゃって、なかなか若い人たちが子供を産みづらくなっちゃったりとかってありますよね?」
小塚「そうですよね。いまの人たちのことも考えないと、たしかに次世代のことなんてとてもそんな余裕もなくて考えられないっていうことになるじゃないですか」
長野「それってどう思います?辻󠄀元さん」
辻󠄀元「私、広報本部長やっててね、いま立憲民主党の参議院選挙を戦うキャッチコピーを考えているわけですよ。で、私が出したコピーが『いまを支え、未来も守る』っていう」
長野「あぁ〜。そこなんですよね」
辻󠄀元「いまもとてもしんどい人がいっぱいいるわけだから、『いまを支え』をきちんとやらないと、未来も守れない」
長野「結果的に、いまが辛すぎて子供を作るってことがなかなかできないっていうことで少子化になっていっちゃうわけじゃないですか。だから将来どころの話じゃない。『いまを守れ』って国民は感じているんじゃないかなって」
辻󠄀元「それで結局、『次世代にツケを残さないために』っていうキャッチフレーズが、なんていうのか、逃げなんだよね」
小塚「自民党ですよね、まさに言うのは」