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キー・ホイ・クァン「極悪非道の悪い役を演じてみたい、ボンド映画の悪役のような」

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Photo by Super Festivals https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ke_Huy_Quan_%2843865682592%29.jpg

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2023)のキー・ホイ・クァンといえば、キレ味鋭いアクションや親しみやすいキャラクターを思い浮かべるファンも多いはず。しかし、クァン本人はそのイメージを覆す悪役を演じたいそうだ。

英のインタビューにて、クァンは「悪いやつを演じたいんですよ。ボンドの悪役のような」と語る。「あるいは『HERETIC』ののような役ですね。自分のコンフォート・ゾーンを抜け出して、極悪非道な本当に悪いやつをただただ演じてみたいんです。すごく楽しそうだから」と目指したい境地を明かしているのだ。

ボンドの悪役といえば、言わずと知れた人気シリーズで主人公と対峙するキャラクターを、マッツ・ミケルセンやハビエル・バルデム、クリストフ・ヴァルツら錚々たる名優が演じてきた。かつては「ロマコメの帝王」と名を馳せたヒュー・グラントもA24製作のホラー映画『HERETIC』の名演技でゴールデングローブ賞にされたほどだ。クァンは悪役を切望する背景についても言及している。

「僕はアクション俳優だとは捉えられたくはないんです。アクションが上手な俳優と捉えてもらえたらと思っています。だから一歩ずつ進んでいくつもりです。

俳優としての醍醐味って、様々なキャラクターを演じられることです。(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で演じた)ウェイモンドと違うから(「ロキ」で演じた)ウロボロスが大好きだし、ウェイモンドは(『Love Hurts(原題)』で演じる)マーヴィン・ゲイブルとも全然違います。」

事実、クァンのフィルモグラフィを遡ると、悪役はほとんど見られない。声の出演で『カンフー・パンダ 4 伝説のマスター降臨』(2024)では盗賊団のリーダーであるマレーセンザンコウのハン役、2025年冬にとなる『ズートピア2』では指名手配犯のヘビ・ゲイリーのアフレコを務めているが、悪役と呼ぶにはいささか可愛すぎるかもしれない。

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(1984)や『グーニーズ』(1985)など子役時代のクァンは、頭脳明晰な少年を演じることが多く、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で演じたウェイモンドは、実は凄腕ながらも内面は穏やかで朗らかなキャラクターだった。合わせてInstagramで度々する、名匠やスターとのセルフィーや、授賞式でのアツいなどもあって、クァンといえば、お茶目で素朴なナイスガイという印象が浸透している。

しかし、そんなイメージが強いクァンだけに悪役を演じたらそのギャップで、見る者を圧倒してくれるはず。今後、大きく予想を超えてくるようなヴィランの登場に期待したい。

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