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「カニと温泉の街」で 眺望もグルメも楽しむ! 山陰海岸ジオパークから湯村温泉まで 山陰本線「浜坂駅」周辺の見どころ(兵庫県) 

鉄道チャンネル

美方郡新温泉町 城山園地(写真:兵庫県)

兵庫県美方郡にある山陰本線の停車駅、浜坂(はまさか)駅。駅のある新温泉町には2つのカニ水揚げ港があり、松葉がにの漁獲量が日本トップクラス。駅前のまち歩き案内所「松籟庵(しょうらいあん)」からスタートし、「浜坂県民サンビーチ」内にあり、地形模型や岩石・化石などが展示されている「山陰海岸ジオパーク館」へ。諸寄港を見下ろす高台にある「城山園地」で眺望を楽しんだら、バスに揺られて「道の駅 山陰海岸ジオパーク 浜坂の郷」や「七釜温泉」、そして「湯村温泉」を堪能。もちろん松葉がに但馬牛といったグルメも楽しめます。

今回は、兵庫県美方郡新温泉町にある観光スポットを紹介します。

自転車のレンタルもできる、まち歩き案内所からスタート

浜坂駅は「新温泉町」という町名のとおり、湯村温泉の玄関口にあたります。そのため、駅舎を出ると「歓迎 湯村温泉・浜坂温泉郷」の大看板が観光客をお出迎え。ちなみに「浜坂温泉郷」とは浜坂温泉・七釜温泉・二日市温泉の総称で、環境省が指定する「国民保養温泉地」に指定されています。駅前には「国民保養温泉地指定記念碑」も建立されています。
温泉の街であることを示すように、駅前には無料で利用できる足湯が。浜坂温泉配湯事業25周年を記念して作られたもので、車椅子に座ったまま利用できるステンレス製の浴槽や緩やかなスロープも整備された、ユニバーサルデザインです。

営業時間 10:00~18:00
定休日 水曜日

JR浜坂駅前(写真:Pixta)

大看板の左手にあるレトロな木造建築はまち歩き案内所「松籟庵」。浜坂駅の開業時に建築された店舗を活用した施設で、かつてこの地域の主要産業だった縫い針の歴史や、そこから派生して蓄音器針、蓄音器とレコードも展示されています。また、観光案内やお土産の販売、自転車の貸し出しも行っています。観光パンフレットや、駅周辺のお散歩やサイクリングに役立つ地図も配布しているため、浜坂を散策する前に是非立ち寄りたいところ。囲炉裏と掘りごたつの休憩スペースは、ちょっとした休憩や待ち合わせ場所としても便利です。

まち歩き案内所「松籟庵(しょうらいあん)」(写真:兵庫県)

営業時間 9:30~17:30
定休日 水曜日

山陰海岸ジオパークを学び「カニの港」を歩く

京都府から兵庫県、鳥取県にかけての海岸線に沿った東西120km、南北30kmの広大なエリア「山陰海岸ジオパーク」では、日本海の海面変動や地殻変動により、起伏があり変化に富んだ地形・地質遺産を見ることができます。
その中心に位置する「山陰海岸ジオパーク館」では、山陰海岸の地層を模型で表現して分かりやすく伝え、さまざまな岩石や化石を展示。岩石と水をテーマとした実験も体験できるなど、ジオパークについてさまざまな角度から学ぶことができます。

「山陰海岸ジオパーク館」(写真:兵庫県)

営業時間 9:00~17:00
定休日 火曜日(臨時休館あり)
入場料 無料

「山陰海岸ジオパーク館」がある「浜坂県民サンビーチ」は日本海を望む白い砂浜の海水浴場。夏の海水浴はもちろん、キャンプをしたり、ベンチでくつろぎながら日本海をのんびりと眺めたりするにも最適なスポットです。
キャンプ場一帯は「松の庭(浜坂海岸飛砂防備林)」と呼ばれ、日本の白砂青松100選に選ばれています。

浜坂県民サンビーチ(写真:新温泉町)

浜坂漁港は「カニの港」として知られ、毎年11月~3月に漁が行われています。火山灰が蓄積した土壌で育つ浜坂産の松葉がには味がよく、生息域と同じ水温に保った冷海水槽で港まで持ち帰るため、鮮度を保てるのだとか。なかでも厳しい基準を満たし、1.3kg以上のものは「光輝」、1.2kg以上のものは「煌星」に認定され、極上品として取り扱われています。
近隣には、研修を受けカニのエキスパート「かにソムリエ」が常駐する宿が多く、プロの目で選んだ松葉がにを、ベストな調理法で味わえます。

浜坂産の松葉がに(写真:新温泉町)

諸寄港を一望できる城山園地で一休み

但馬漁火ライン(国道178号線)からつづら折りの細い道を歩いていくと、かつて北前船の寄港地として栄えた「諸寄港」を一望できる公園「城山園地」に辿り着きます。東屋とベンチがあるので、夏場は海に沈む美しい夕日をゆったりと眺めるのもおすすめ。撮影用の台が設置されていて、気軽に記念撮影ができます。
また、周辺には芦屋城跡や、新温泉町出身の登山家・加藤文太郎の記念碑、歌人・岡垣徹冶の歌碑などもあり、散策を楽しめます。

城山園地(写真:山陰海岸ジオパーク推進協議会)

浜坂駅からバスで道の駅や温泉へ

浜坂駅からコミュニティバス「夢つばめ」に乗り、栃谷七釜温泉口から少し歩くと、道の駅「山陰海岸ジオパーク浜坂の郷」があります。新温泉浜坂インターチェンジからすぐの立地で、新鮮な地元野菜や果物が並ぶ直売所や新温泉町の特産品を取り揃え、飲食店も人気があります。
ここで是非味わってほしいのが、日本を代表する黒毛和牛であり、地元のブランド牛「但馬牛(たじまうし)」。兵庫県美方地域(香美町と新温泉町)では、但馬牛の育種改良に取り組んできました功績が認められ「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」が世界農業遺産に認定されています。お馴染みの神戸牛も、但馬牛の一種。浜坂の郷には精肉店も、但馬牛のステーキやローストビーフなどが味わえる飲食店も入っているため、その場でも、家に帰ってからも但馬牛を堪能できます。

道の駅 山陰海岸ジオパーク浜坂の郷(写真:Pixta)

営業時間 9:00~17:00(直売所・肉のたじま屋)
定休日 元旦

浜坂の郷まで行ったら、近くの「七釜温泉(しちかまおんせん)」にも立ち寄りましょう。七釜温泉は1955年、井戸を掘っていて偶然に発見されたという温泉です。100%源泉かけ流しの温泉が楽しめる「七釜温泉ゆ~らく館」で、気軽に日帰り入浴ができます。

七釜温泉ゆ~らく館(写真:新温泉町)

営業時間 9:00~22:00 (一般受付21:15終了 多目的風呂受付20:30終了)
休館日 第1・第3水曜日(祝日の場合は営業)
料金 大人(中学生以上)700円、子ども(3歳以上)400円

ここからもう少しコミュニティバスに揺られれば、1200年前に慈覚大師が開湯したという名湯「湯村温泉」に到着です。日本屈指の高熱温泉であることで知られており、元湯の「荒湯」は98度の高温泉が毎分470リットルも湧出しているとのこと。観光客には荒湯で茹でる「荒湯たまご」が人気です。
夜は春来川と荒湯の周辺が美しくライトアップされ、湯村温泉街を一望できる高台にある清正公園では「夢」の文字が夜空に浮かび上がります。温泉街に一泊して、夜の風景も楽しみましょう。

湯村温泉の荒湯(写真:山陰海岸ジオパーク推進協議会)

温泉巡りを楽しみ、松葉がにや但馬牛を堪能し、海辺の景色に心癒される。さらには山陰海岸ジオパークで自然について学ぶこともできる、山陰本線の浜坂駅周辺エリア。徒歩やレンタサイクル、バスで観光できるスポットがたくさんありますので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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