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さっぽろカフェ連載(59)/菓子喫茶 fuu

poroco

やわらかな明かりが漏れる店内の入口すぐの場所には焼き菓子が並ぶ。

地下鉄駅直結の落ち着きのある空間

地下鉄円山公園駅の4番出口の階段を上ると、途中に「BOYS BE」という喫茶店があった。私が知る限りずっとその場所に、当たり前に存在していた。

同店が30年の歴史に幕を下ろすと知ったのは、まだ雪が残るころであったろうか。

最後に訪れた日、前マスターからレクチャーを受ける方がいて、ぼんやりと眺めていたのだけれど、その人こそこの場所で新しくお店をオープンさせた店主だった。

やわらかな明かりが漏れる店内の入口すぐの場所には焼き菓子が並ぶ。
店内の壁にはアーティスト・natsuco susaさんの作品を常設展示。空間と調和する。

 

外光がほとんど差さないこの場所はいつ訪れてもどこか隠れ家めいた落ち着きがあって、すっぽりと包み込んでくれるようなぬくもりがある。


使い込まれたテーブルとカウンター、趣のある床板はこの場所が紡いできた時間の流れを感じさせる。
カウンターの奥には磁器のカップが並び、まさに「街の喫茶店」といったたたずまいだ。


場所柄、訪れる人の世代や性別も幅広く、開店の噂を聞きつけたと思しき若い女性グループや、以前のお店の常連であったような雰囲気の年代の方もちらほら。

 

プロによる本格“スイーツカフェ”

濃厚なのに口に含むとすっと溶けるイートイン限定の「スフレショコラキャラメル」500円。「ブレンド珈琲」550円と合わせて。

最近では自家製のスイーツを出すカフェや喫茶店は珍しくないけれど、このお店のものはひと味違う。店名に掲げた「菓子喫茶」の名前にふさわしい本格的なケーキが楽しめるからだ。

 

店主は様々なお店で腕をふるってきたパティシエ。星付きレストランのデセールから、誰もが知る大手菓子店まで、スイーツに関する経験も豊富だ。

 

例えばシンプルだからこそ、その技術がものをいうタルト。一緒に焼き込んだアマンド生地と、たっぷりのった季節のフルーツは、なめらかな口当たりのカスタードクリームとのバランスも絶妙で、プロならではの丁寧な仕事ぶりが窺える。

 

「フルーツタルト」600円は季節によって一番美味しいフルーツをセレクト。写真は5月の河内晩柑。

リッチな味わいの焼き菓子もお見逃しなく

焼き菓子は300円から用意。有料のギフトBOXもあるので手みやげにもオススメ。

イートインでくつろぎの時間を過ごすのはもちろんのこと、テイクアウトOKの焼き菓子もぜひ。
素朴というよりも洗練された美味しさで、店内で味わうこともできる。

 

コーヒーを口に運んで「ふぅ」と一息つく瞬間。

これが何よりも日常のスイッチ。「菓子喫茶fuu」は店名の通りまさにそんなお店だ。
広い間口で「いつでもおいで」といってくれているような街の喫茶店に、私の暮らしは支えられている。

菓子喫茶 fuu
(かしきっさ ふぅ)
住所:札幌市中央区南1条西26丁目1-1 ターミナルハイツ円山B1
アクセス: 地下鉄円山公園駅4番出口直結
営業時間:12:00~18:00
定休日:火・水曜

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