第52回「ラジオでつながる"春の声"」
「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
今回は春休み中の渋谷で"街の声"を収録しました♪
40代です。
この春から娘が小学校に入学するんですけれども、 学童保育に通わせることになりました。
我々は共働きなんですけれども、学童が保育園のように融通が利かないんじゃないかという不安がありまして。
しっかり迎えに行けるのか、行けなかった場合どうなるのかというところが少し不安に思っております。
なんかもうお店が、っていうか会社が経営不振で、結構、大丈夫かなみたいな感じなので。
変わらずお店がなくならないことを祈っています。交通費出ないとか、給与が最低賃金だっていうのは、まあ承知の上で働いているんですけど、なんだろう、これ以上少なくならない方がいいかなっていう感じですね。
好きなことやって見合ったお金が欲しいっていうより、なんか、ね、楽しく働ければって感じですね。
今55歳です。はい。それで、いま雑誌(ビッグイシュー)の販売をしています。
あとはだから日雇いとかしながらなんとかやっています。
生活がみんな結構向上して、みんな旅行とか行くようになればいいかなとか思います。個人的にもやっぱりどっか旅行とか行ったりしたいなぁと思っています。
行きたい場所ですか? そうですね。魚釣りをやっていたんで、魚釣れるようなとこ行きたいです。できれば海外旅行とか行けるようになりたいです。 アフリカとか一回行ってみたいなとか思っています、はい。
50歳です。
仕事は自営業をやっているんですけど、それだけではちょっと厳しいので、 カフェでアルバイトしています。 とりあえず今年は現状維持で、来年子どもが大学に入るので、 それまで今年は頑張ってサポートしようかなっていう感じですね。
35歳で飲食店でマネジメントしている立場です。
今130店舗あるんですけど、それを5年後までに200店舗にしたいっていう気持ちがあって、今年は30店舗ぐらい出したいなと思っています。
今 23 歳の大学 4 年生で、来年から金融系で働きます。
一応全国転勤で配属先が仙台になるんですけど、 僕、実家千葉で、まあ、その、慣れない土地でいきなりそこで働くっていうのが、 ちょっと新しいことが多すぎて。
そういうことで体の調子が崩れないかっていうのがすごい心配です。やっぱ朝ちゃんと起きるとか、 そういうところをちゃんとできるかなっていうのが不安です。
小泉:ふふふ。そうだね。春休み中の渋谷のみなさんのご意見でした。えいちゃん、気になった方はいましたか?
大石:やっぱり、みなさん共通して、希望もあるけど不安に感じてらっしゃる方も多いなっていうのが、感じたことですね。
小泉:あと、オープニングの声の方も「高校時代にコロナ禍だったからいろいろなところに旅行に行きたい」っておっしゃってたじゃないですか。雑誌を販売している55歳の方も「旅行に行きたい」って言っていて。私も、そういえば全然旅行に行ってないんですよ。
大石:おお。
小泉:もちろん、コロナ禍もあったりして。昔、30~40代までは外国とかにも行ってたんですけど。だから、その感覚を私も取り戻したいっていう感じはあります。まあ、仕事では日本全国いろいろなところに行きますけどね。
大石:ちなみに、今きょんさんが行ってみたいところはあるんですか?
小泉:私、台湾に行ったことがないんですよ。台湾に行って、韓国にも行って帰ってきたい。
大石:推しの人たちを…?
小泉:そうですね!会えるとか会えないとかじゃなくて、これだけ20年間、韓国のドラマを観続けている私としては、知っている場所がたくさんあるんですけど、行ったことがないので。
大石:そういうものなんですね。
小泉:そうですね。だから、行ってみたいです。えいちゃんはどこか行きたいところありますか?
大石:僕も海外とか、ほとんど行けてないですけどね。40代の子育て、共働き中の方もいましたけど、子育てに関わってると、海外出張とかもおいそれと行けないところ、ありますよね。
小泉:家族で行くのも、大変ですもんね。
大石:阪神のキャンプで沖縄に行くくらいですよ。海外に行くのはなかなか難しいところがありますね。
小泉:最初の、40代の方は「学童とかが融通が利かないんじゃないか」っていう不安がありましたけど。この間もテレビドラマを観ていたらそういうテーマでお話を作っている回がありましたね。主人公の弟さんが保育士で、学童が大変で、お父さん、お母さんが仕事が終わって、いつも延長になっててすごく怒られちゃったりしている…っていうのがお話になっていて。その後、その弟さんが保育士を辞めたのかな、自宅で溢れてしまった子ども達を引き受ける、っていうお話になってたから。
大石:うん。
小泉:私は子どもがいないから、そういうのを知らないけど、ドラマとかいろいろな作品で社会における小さなこととかを知らせてくれるのってすごくいいな、と思って観てました。
大石:共有できますからね。会社側も、放課後に来てもらう場所を会社にしてもいいじゃないですか。
小泉:そうだよね。
大石:みんなそこに集まってきて、お母さん、お父さんと一緒にいればいいわけだから。
小泉:大きい会社とかでそういうことをやるのは大変なのかもしれないけど、大きい会社だからこそやって欲しいですよね。
大石:そうですね。
小泉:あとは、切実な、「お店がなくならないといいな」「交通費も出ないし最低賃金だけど」っていう…そのお店が好きなんでしょうね。
大石:そうですね。これ、きょんさんも雇用する側、社長でもあるじゃないですか。
小泉:はい。
大石:私も経営者ですけど、こういう経験をなさっている方って、気休めでもなんでもなく、採用する側からするとすごく貴重な経験をなさっている方なんです。
小泉:そうかもしれないですね。
大石:そう。シビアなところも経験されている方だから、お店が残ることもいいことだと思うし、このキャリアの経験ってすごく次につながっていくと思います。
小泉:そうですね。今は不安かもしれないけど、この声を聞く限りはお若い方だったと思うんですけど、それでこんなふうに感じている人がいたら、その人材が欲しい!っていう感じはしました。
大石:ね!社長2人が言ってますから。
石川県輪島市・町野町の新たな挑戦!
「ラジオ局をつくる!」
お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。
今回ご紹介するのは、石川県輪島市の「町野町(まちのまち)」の話題。
地震と豪雨によって、大きな被害を受けたこの町で、ラジオ局を作る、という新しい挑戦が始まろうとしています。中心となって進めている、お米農家の山下祐介さんにお話を伺いました。
私の地震と豪雨の被害ですけども、本業は、農業をまずやっていたので、作業所が全壊しまして。
コンバインとか田植え機とか機械関係もほとんどが使えないという状況になりました。農地についても、わたしがやっていたところは棚田が多かったこともあり、多数の亀裂が入ったり、田んぼに起伏ができてしまって、お米が作れるような状況には全然ないという状況になってしまいました。
昨年、令和 6 年は、とりあえずなんとかやってみようということで、 2割の作付けをしたんですが、そのあと 9 月 21 日の豪雨で、そもそも田んぼにいく道が崩落してしまったり、 冠水した、土砂が入った、さまざまな被害がありまして、 今年の作付けというのは、ほとんどゼロに等しいという状況になっています。
小泉:なるほどね。私、棚田の風景大好きなんです。素敵じゃないですか。あれって、美しいでしょ?
大石:そうですね。
小泉:だから、ちょっと田舎に行くと外を見て棚田を探したりするんです。でも、ああいう作りだからこそ災害があった時って、傾斜にあるわけだから…
大石:段になっていますからね。
小泉:コンバインとか田植え機とか、機械関係がほとんど使えなくなってしまったっていう。農家をちゃんと始めるための初期投資って、結構かかりそうじゃないですか。
大石:お声は結構、元気にお話しなさっているけど、本当に大変ですよね。
小泉:山下さんは、将来への不安が拭えないなかで、 地域の方々とともに「復興プロジェクト」を立ち上げ、リーダーに就任しました。現在の目標は、輪島市・町野町に「ラジオ局」を開設することです。今年 2 月には、試験放送も行いました。
私の住む輪島市の町野町は、典型的な「ザ・田舎」みたいな地域で、 少子高齢化、人口減少という、日本の課題のど真ん中といっても過言ではない地域で、これだけの大きな災害が起きてしまいました。
一番の課題だったのは、 「とにかく正しい情報を、正確に、広く、早く、大勢の人に届けること」でした。
我々は LINE ならと思ったんですが、その LINE もハードルが高い。
高齢の方にこそ情報を早く伝えたいのに、その術がない、というときに思いついたのがラジオなんですね。畑とかで作業される時に、よく、みなさん、ラジオを腰につけてぶらさげているとか、そういう風景をみていたので、ラジオであれば、みなさん、難しく考えずに聞くことができるんじゃないか。
このエリアでなら、自分たちがなんとかできるかもしれないから、なんとか開局できたらいいなと、会う人会う人に、口にしていたら、東日本大震災のときに、宮城県の女川町で臨時災害 FM をやられていた「女川FM」の方にその話が届きまして。「みなさんが本当にやりたいなら協力できますよ」と返事をいただきました。
本当に届くのか、まずは、実験してみようよと、2月23日に実験放送ということで、まずは1日やってみようという流れでした。
小泉:なるほど、女川FMというのは結構、当時話題になったというか。私はNHKでこの女川FMのことを描いた「ラジオ」というすごく素敵な、単発のドラマを観たんです。それを観ていたので、胸が熱くなりました。女川FMの人たちが協力して実験放送が実現した、というのが。
大石:どんなラジオなんですかね。
小泉:どんな内容だったか知りたいですけどもね。2月23日に1日だけ放送された、町野町「災害 FM」。 名前は、「まちのラジオ」です。地域で唯一のスーパーマーケットの社長さんやボランティアに奔走する小学生、いろいろ方をゲストに迎えて、5 時間の生放送を行ったそうです。どんな反響があったんでしょうか?
正直、本当に想像以上に多くの人が聞いてくださいました。
「次、いつやるの?これ、このあとどうなるの?」っていう声が本当に多かったんです。やはり地元の話題がいっぱい出てくると。それがすごく良かったと。
「今日は地元のスーパーのお刺身が入っています、これがおすすめです」っていう情報を流したら、その1~2時間後に完売したっていうような、ものすごい反響で。こういった話題が出てくるのがいいっていう。実際に放送した後、若い人を中心に、数名ではありますが、ラジオ手伝いたいっていう人があらわれました。
できれば、5 月のゴールデンウィーク明けには、 臨時災害放送局として、なんとか開局できないか少しずつ準備をしているところです。小泉さんには、大変お忙しい中、言いにくいことではありますが、もし本当に臨時災害放送局が開局したあかつきには、一度輪島市・町野町にもお越しいただき、ラジオにもご出演いただいて、地域のみなさまにもメッセージ発信していただけたら、本当に地域の方々も喜んでくれると思いますので。
ぜひ町野というところが、今どんな状況になっているのかも肌で感じてもいただきたいので、開局したあかつきには町野にもお越しいただき、ラジオにもご出演いただけたら大変嬉しいなと思っています。
小泉:行きますとも!
大石:お、本当ですか?
小泉:もっとお話を伺ってみたい気もしますし、5月以降だったら、ドラマも終わってるし。私は、こういうことは、本当に大事だと思うんです。私たちができること。
大石:そうですね。
小泉:さっきの、「スーパーのお刺身がおすすめです」って言ったら1時間後に完売するとか。情報として置いてきぼりにされちゃう人たちが、ご高齢の方とかもそうだと思うし。でも、ラジオを聴いていたらお得な情報をキャッチできたりするみたいなの、すごくいいことだと思う。
大石:そうですね。
小泉:あと、ラジオを手伝いたいっていう人が若い人を中心に集まってくる、そこでまたいろいろな年齢の人たちとのコミュニケーションが生まれたりとか。なんなら、夜、若い人が聴くような時間の選曲とかしてみたいですね。
大石:おー!
小泉:若い人だとちょっとあれかな…わかった、同世代の人が聴く時間帯みたいな、そういうところ!
大石:企画も出来上がった感じですね。
小泉:そういうのやってみたいですね。同世代の人に向けての、ちょっと胸がキュンとするような曲をかける。
大石:胸がキュンとするようなね。勇気づけられるような。
小泉:そうですね。行ってみたい。
大石:俺、何しようかな。作業手伝いたい。
小泉:いいですね、私もそういうのも好きなんですよ。ちゃんと行きましょうね。
大石:ちゃんと行きましょう。
小泉:行きますからね、待っててください。
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)