イモト「とりあえずやってみる」
イモトが、初めて一人で講演会をやってきたと報告。これまでトークショー形式のものはあっても、一人で喋る講演会は初めてだったイモト。芸人になりたての頃に一人で舞台に立ってスベッたという苦い過去を克服したい思いから、今回自らを追い込むように臨んだ、人生初の一人喋りの講演会。900人を前にイモトは・・・
イモト「とりあえずやってみる」
イモト、講演会を一人でやってみる!
イモト:先日、珍しい試みをしてきまして。それが「講演会」でございます。「講師:イモトアヤコ」って書いてあったよ(笑)。そんなことになってしまいましたよ。去年、新潟県新発田市で、元マネージャーさんの関係で公演をさせてもらったんですよ。その時は司会者の方がいらっしゃって、講演会というかトークイベントという形で皆さんにお話をする感じだったんですよ。
イモト:今回は、一人でやってみようと思ってみまして。周りからは「司会者をつけたら?」と言われたんですが、ちょっと一人でやってみたい!と。自分で自分を追い込んだんですよね。だから、2ヶ月前から気が気じゃなくて。自分で言ったくせに、すごく憂鬱になってしまって。そういうところあるんだよね。一人の講演はやったことが無く、ゼロだったので作家のイヤスさんに構成をお願いして、年明けから打ち合わせをして。で、やってみました! 講演のタイトルは「とりあえずやってみよう」。
20年前の一人舞台の恐怖
イモト:舞台で一人で喋る、何かやるというのが、マジで20年前のワタナベエンターテインメントの「WEL」ライブ以来だったんですよ。そこで、腰振って、ネタが飛んで、腰をグルグル回して暗転。その時、トイレで泣いた記憶があるんですよ(笑)。その20年前の記憶が恐怖なんですよ! 人前に立って何かやるということに対して、この20年間、自分の中で恐怖心があったんです。講演で司会者の方がいると、楽しいしやりやすいけど、どうしても私は甘えちゃうんですよね。自分の責任だけじゃなくなってしまうから。
講演は磐田市の高校の生徒会が主体となって企画・運営
イモト:でもここは、自分に課題を課そう!と思って。誰にも言われていないのに(笑)。講演の依頼ですら司会者がいてもいいですよってあったのに(笑)。一人でやります!って自ら足を突っ込んで。講演は90分で、最初の60分は自分の伝えたいことを伝えて、最後の30分は質疑応答にしようと思って。めちゃくちゃ緊張しました!
イモト:今回、この講演会をやるにあたって、私自身いいなと思ったポイントが、主催が高校生なんですよね。静岡県の磐田市の「高校生ラボ」という企画・運営があって、市内の5校の高校の生徒会が集まって初めて開催する大きなイベントということで。誰を呼ぶかから、当日の受付や司会進行、写真をプロジェクターに出す係、楽屋の準備なども含めて全部、高校生主体でやる企画がとても良いなと思って。
イモト:当日の打ち合わせなども仕切ってくれるんですよ。司会者は、将来は映画監督になりたいという高校1年生のオオヌマさんという方で。最初の60分は私が喋るんですが、最後の質疑応答のところはオオヌマさんが司会をやるということで。事前に頂いている質問が10問あるので聞いていきます、と。私が「10個の質問が足りなかったり、余ることもあるよね? その場合はどうしようか?」って聞いたら、オオヌマさんが「いや、質問10個で私が全部回しますから!」って。すげえじゃん!と思って、こっちも安心して任せて。
工藤静香さんやマッチさんがコンサートするような大きな会場!
イモト:で、会場に来る人たちも高校生が多いと聞いていて。私から学生のみなさんにお伝えできることがあればいいなと思って、それをテーマにやってみようということで「とりあえずやってみよう」というテーマに決めて。いざ、磐田市民文化会館「かたりあ」という会場に行ったら、キャパが1200人くらいで2階席もあって、(あれ、ここはNHKホールかな!?)と思って(笑)。3年前に改装されたばかりで、めちゃくちゃきれいな所! 工藤静香さんとかマッチさんとかの音楽イベント、コンサートをするような会場だったんですよね(笑)。(私、大丈夫、、、!?)って思って(笑)。
イモト、講演会のテーマ「とりあえずやってみる」
イモト:緊張しながら講演が始まって。会場に出てみたら・・・高校生が多いと聞いていて高校生に向けて喋る内容を考えていたんですけど、思いの外、年配の方がたくさんいらっしゃって! 出た瞬間、すぐ目の前の席には60代くらいの方がずらっといらっしゃって、(あれ、どうしよう、、、)と思って。(こんな人生の大先輩の人達に向けて何を話せばいいんだ!?)って。(とりあえずやってみよう!)ってどの口が言うんだろうという不安の中、始まって(笑)。
イモト:この講演会自体がテーマの通り、「とりあえずやってみよう」だったのでそのこともお話ししながら。今まで行った海外のエピソードだったり、その上で自分がどうやって乗り越えて来たか、とりあえずやってどうだったかみたいなことをお話しして。「修正力が大事ですよ」みたいな話をするんですが、それを目の前で人生の大先輩達がメモってるの(笑)。10代のみなさんに向けて喋ってたから、逆に緊張しちゃって。まあでも、会場のみなさんには楽しく聴いていただけた空気で。来場者も地元の高校生が主体というイベントと理解している人も多くて、すごくあたたかい空気でした。
イモト、高1オオヌマさんの発言にハッとさせられる
イモト:最後の質疑応答も、司会のオオヌマさんがウケる、ウケる! なんか、16歳のオオヌマさんに甘えちゃいましたよ(笑)。オオヌマさんにハッとさせられることがあって、非常に正直な子なんですよ。質疑応答の時に「イモトさんは芸能界のお仕事をされていなかったら何になっていましたか?」という質問があって、私が「今というより、生まれ変わったらオリンピックに出るアスリートに憧れています」って答えたんですよ。
イモト:そしたらオオヌマさんから「え? 今じゃダメなんですか?今からでも遅くないですよね?」みたいなことを言われて、ハッとさせられて。それまで講演会で「年齢は関係ありません!」とか散々言ってたのに(笑)。急にひよって「生まれ変わるならアスリートかな~」なんか言っちゃって。たしかに、オオヌマさんの言う通り、何歳からでも遅くないかと思って。そんなことを教えてもらいましたね。
熱量の高い「すっぴんしゃんファン」!
イモト:あと、事前に頂いた質問のほかに、会場に来てくださった方からも質問を募集したんですよ。で、この講演会は自由席だったので、前の方に座っている方はすごく熱量のある方が多くて。パッと手を挙げた方に当てたら、その方が「すっぴんしゃんの大ファンです!いつも聴いてます!」と(笑)。嬉しかったな~! それを聴いた瞬間、すぐにラジオで喋ろうと思った(笑)。「イッテQ」じゃなく「すっぴんしゃん」だという熱量の高い女性のお客さんがいらしゃいましたね。質問が「すっぴんしゃんでも聴いているんですけど、イモトさんの交友関係、昔の方ともずっと繋がっているコツってあるんですか?」って、良い質問をするのよ~! 当てて良かったと思いましたね。
イモト「私しか気付かないパーカーを着ていたファンも(笑)」
イモト:実は、その熱量の高い「すっぴんしゃんファン」の方の隣にも、もっと熱量の高い方がいらっしゃって。びっくりしたのが、私が昔、ドラマ「下町ロケット」に出演しているとき、“ギアゴースト”という会社に勤めている役だったんですよ。その時、「下町ロケット」と「しまむら」がコラボしたパーカーがあるんですけど、それを着ていたのよ! 私しか気づかないよ(笑)! 実は「イッテQ」の観覧に来る人の中にも必ずギアゴーストのパーカーを着て来る人がいるのよ。その人とは別よ。とりあえず日本に、超超濃厚なファンの方が2人はいます!
イモトの大学時代の友人「サユリ」、誕プレに「ガーネット採取」
イモト:あとは、今回の講演会の会場の磐田市に住んでいる、大学時代のサユリという友達がいるんですけど、サユリも普通に一般で応募して家族で講演会を見に来てくれたんですよ。サユリは昔からすごく丁寧な子で、私が出産した時にうちに会いに来てくれたんですよ。その時はまだコロナ禍だったので、いつもは電車とかで来るのに磐田市から東京までクルマで来たの、気を遣ってくれて。その時、出産祝いと私の誕生日祝いということでプレゼントを渡してくれたのが、10センチくらいのケースに入っていたんですよ。ケースを開けたらピンクの石がいっぱい入っていたの。
イモト:「これ、何?」って聞いたら、「イモトの誕生日は1月でしょ。1月の誕生石がガーネットだから、近所の河原でガーネットを取って来たんだ」って言われて、びっくりして。そしたらサユリが「その時のVTRがあるから、どうぞ!」と言われて(笑)。VTRではクルマで移動するカットから始まって「今日はイモトのためにガーネットを取りたいと思います!」って。ダンナさんが編集してくれて、テロップも入れてあって。「1箇所も河原、ダメでした。別の河原に行ってみましょう!」って、何箇所も巡ってくれて!
イモト:最終的には全然近所でもない、すごく遠い河原まで行ってくれて。砂金をすくうみたいに細かい網で砂利をすくってサラサラって。ガーネットの石は1個じゃなくて何個もあったから、これだけ取るのは大変だったろうなあと思って。そのくらい熱量のある大事なお友達なんですよね。あと、サユリは自分で作った味噌をを毎年送ってくれるんですよ。それで毎日、味噌汁を作っております。
イモトの講演会、焦って60分→45分に「またやりたい!」
イモト:やっぱり、900人くらいを前にして喋るのって、焦るし、緊張するし、怖いしということで、90分の講演のうち60分は私が喋る構成だったんですけど、結果、45分で終わっちゃいました(笑)。焦っちゃって(笑)。また講演会もやってみたいと思いますね。
(TBSラジオ『イモトアヤコのすっぴんしゃん』より抜粋)