第30回 早島・倉敷花ござまつり(2024年7月6日・7日開催)〜 い草の魅力を再発見!
2024年7月6日・7日の2日間、早島町にて毎年恒例の「第30回 早島・倉敷花ござまつり」が開催されました。
かつて、日本一のい草の産地であった早島地区。
筆者も毎年開催していることは知っていましたが、行ったことが無かったので今回初めて参加しました。
い草製品の展示即売以外にも、ワークショップ、実演コーナーなど内容も盛りだくさん。早速レポートします。
「第30回 早島・倉敷花ござまつり」について
「第30回 早島・倉敷花ござまつり」は 2024年7月6日(土)・7日(日)の2日間、早島町役場 西特設会場で開催されました。
地元の問屋やメーカーが多数出展し、花ござを初めとする各種い草製品が一堂に展示され、特別価格で販売されます。また、花ござの手織り実演、ミニ畳製作体験ができるコーナーもあり、い草の魅力を再発見できるイベントです。
イベントに足を運びました
7月6日午前11時前に現地に到着。
梅雨明けの夏本番を思わせるような晴天のなか、即売会会場はすでに多くの人で賑わっていました。
テントの下に並べられた花ござや畳の上敷が、お手頃価格で購入できるのも即売会ならでは。
その他にも畳の表替えのコーナーや、い草を使ったサンダルや下駄も販売されていました。
畳屋さんが「畳表(たたみおもて)は、目が粗いもののほうが通気性があるので、横になったときに心地良いよ」と教えてくれました。目が細かいほうが高級だと思っていたので、これは意外でした。
また、飲食ブースも設けられていて、各種屋台が多数出店されていました。
暑いのでかき氷を買い求める人も多かったです。
次々と焼き上がっていく炭火焼き鳥、ジューシーで美味しかったです。
ミニ畳製作コーナー
即売会場の一角で、ミニ畳製作のワークショップを開催していましたので、子どもと一緒に参加してきました。
自分好みの畳縁(たたみべり)をチョイスして、ホッチキスで畳に縫い付けていきます。
畳職人さんがサポートしてくれているので、綺麗に仕上げられました。
完成です。
A4程度のサイズなので、ちょっとした飾り物を置くのにちょうど良い感じです。
畳製作実演
公民館のなかでは、総社市の「赤木薫畳工業所」による畳製作実演がありました。
上の写真は「平刺し」という工程で、畳縁とござを畳床に縫い付けていく作業です。
今は機械化がされており、通常は畳専用のミシンでおこなう作業ですが、今回は職人の手作業で縫い付けをおこなっています。
まっすぐに縫っていくのは、熟練した技術が必要です。
畳専用の定規です。
この目盛りは昔ながらの「尺」で刻まれています。大工さんの曲尺(さしがね)と同じですね。
花ござ手織り体験
会場に隣接する「花ござ手織り伝承館」では、花ござの手織り体験のワークショップが開催されていました。
それでは、早速なかに入ってみましょう。
なかに入ると向かって左手に、昔使われていた花ござの手織機が整然と並べられていました。
今回の体験で使うのは、こちらの手織機のミニチュア版です。
まずは、横糸となるい草を2種類選びます。
縦に張られた糸の間に、先ほどのい草を交互に差し込んでいきます。
一番上段の、水色と赤色の模様が今回編んだ部分です。柄にも個性が出ますね。
こちらは指導して下さった伝承館のかたによる作品です。一つとして同じ模様が無いところもハンドメイドの魅力ですね。
おわりに
生活の洋式化などで、一時期は畳の需要も落ちていたそうですが、最近は天然素材の良さが見直されつつあり、畳の人気も復活しつつあるそうです。
また、早島・倉敷界隈はかつて日本一のい草の産地であったことは、それなりに知っていました。今回のイベントを通して、身近な天然素材であるい草の魅力を再発見できたように思えます。
なお、現在国内のい草はおもに熊本県で生産されています。
しかし、流通や販売、製造については表にあまり出てきませんが、岡山の老舗企業も多数関わっているとのことです。
たとえば、こちらの畳縁を製造している児島の「髙田織物」は、美観地区にもアンテナショップを出店しています。
貴重な体験の数々、ありがとうございました。
来年の開催も楽しみにしています。