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山形『おーばん 山形嶋店』~ 佐渡ケ嶽部屋推しに圧倒! ご当地食&相撲熱愛スーパーに行きたい~

さんたつ

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山形の秋の風物詩といえば「芋煮」。あちこちの河原で楽しい宴が開かれます。旅のついでに……というのは、少しハードルが高いけれど、『おーばん 山形嶋店』ならばそれも可能に? そして、好角家にはぜひ訪ねてほしい。佐渡ケ嶽(さどがたけ)部屋推しに圧倒されること間違いなし!

おーばん 山形嶋店

今回のゴー!ゴー!

『おーばん 山形嶋店』(山形県山形市)

牛と豚のマークに「おーばん」の文字が印象的な看板のスーパーです。

山形県北東部のスイカの産地・尾花沢(おばなざわ)市で、51年前に「肉のおーばん」として誕生。その名は「尾花沢で一番の店に」という、創業時の目標に由来します。現在は県内に20店舗展開するスーパーに成長し、あることでも、とても有名になっています。

店に入る前から、その「あること」がなんであるか気づくはずです。琴櫻関、琴勝峰(ことしょうほう)関の両力士、そして初代・琴ノ若関の佐渡ケ嶽親方の大きなパネル。中に入れば、店長の顔写真よりも数十倍も大きな、歴代の琴○○関の活躍を伝える写真の数々。「おーばんは佐渡ケ嶽部屋を応援しています」の文字も掲げられています。

二藤部(にとうべ)政樹店長によれば、おーばんの二藤部洋社長は現・佐渡ケ嶽親方と同じ尾花沢市出身で、家もご近所の間柄。「肉のおーばん」時代から知る少年が角界入りし、人気力士となって親方に上り詰めた過程をすぐ近くで応援してきた、親戚のおじさん的愛情であふれているのです。

ちなみに社長と同じ姓の店長は、社長と遠い親戚関係のため、これまた英才教育で相撲好きに育ちました。

今回訪れた山形嶋店は特に、店内のあらゆるところに相撲関連の写真やグッズ(非売品)が飾られていて、もはやスーパー併設の「相撲資料館」。相撲好きにはたまらない空間になっています。

相撲の幟(のぼり)に圧倒される。

さて、相撲以外にも魅力はたっぷり。山形はフルーツ大国なので、つい果物に目がいきがちですが、米、野菜、きのこ類、山形牛、日本海の幸など食材の王国でもあり、名物ぞろい。しかも、もとからそば文化の根づいている地域ですが、近年ラーメンの外食費が日本一となり「ラーメンの聖地」とも呼ばれる山形市。もう、食べるべきのが多すぎて……。

そんなときは「おーばん」でご当地食をお持ち帰り! 他県民にとっても「おいしい」ご当地食が、これほど豊富な地域は貴重です。

二藤部店長が持つ「洗い里芋」は、皮をむかずにすむ山形県民の必須食材。「秋の芋煮会シーズン後も、芋煮コーナーは継続します!」。
鍋の貸し出し付き「芋煮会セット」の予約販売も。ホームページをチェック!
秋のごちそうによく合うワインが地元ワイナリーから届く、新酒の季節。

地元と相撲への愛、『おーばん』の味

『おーばん』の発祥地、尾花沢出身の佐渡ケ嶽親方を愛してやまない相撲愛と地元食への深い思いが、『おーばん』らしい品ぞろえを生み出しています。

山形の漬物「おみ漬け」を味わえる「おみ漬けたまごサンド」。「おーばん手作りパン工房ボンジュール」で毎日数量限定販売。
佐渡ケ嶽部屋直伝「ちゃんこ鍋つゆ」(富士甚醤油)は味噌・塩・キムチの3種。
『おーばん』特製「若鳥唐揚げ」は、佐渡ケ嶽部屋直伝のパンチあるまかない飯。肉片をひと口大に丸めた、外はカリカリなのに口でほぐれてあふれる旨味。
大鍋からひっぱり出し、サバ缶+納豆+麺つゆで食べる地元食・ひっぱりうどんも相撲柄。小川製麺の「どすこいひっぱり饂飩(うどん)」(細・太麺)。

県民が愛する地元定番品

大事に食べつないできた地元の味で、日々の食卓が彩られます。名品ぞろいの山形の日常食。どこか凜とした地元メーカー品たちは、お土産にもちょうどいい価格帯です。

旅のおやつに食べたい、老舗『中條屋』の「中條饅頭」黒あん白あん5個入りと、地元「やまべ牛乳」の「やまべコーヒー」(瓶)。
定番のだし醬油は「丸十大屋」の「味マルジュウ」新鮮ボトル、便利な「芋煮のたれ」も。
ご飯が進む「山形のだし」、摘果スイカの漬物「スイカの子っこ」、山形を代表する「晩菊」、近江商人が教えた「おうみ漬」説がある、地元野菜の青菜(せいさい)と根菜の漬物「おみ漬」、色が抜けるようにナスを漬けた辛い「べちょら漬」はまるごとガブリ!
地元好みのそば、中華麺が豊富な乾麺コーナー。
野菜売り場では、食用菊「もってのほか」が爛漫。

「取り組み結果」に注目!

まるで「大相撲おーばん場所」かのような相撲の幟も見ものですが、必ずチェックしたいのは、大相撲開催中に掲示される「本日の取り組み結果」。佐渡ケ嶽部屋の力士の成績によって「勝どきタイムサービス」が開かれます。

※2023年の写真です。

『おーばん 山形嶋店』の詳細

おーばん 山形嶋店
住所:山形県山形市嶋北2-1-2
/営業時間:10:00~22:00(日曜は9:00~)
/定休日:無/アクセス:JR奥羽本線北山形駅から車7分

取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2023年12月号より

菅原佳己
スーパーマーケット研究家
執筆やテレビ出演、講演活動をこなしながら、全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。著書に『47都道府県 日本全国地元食図鑑』(平凡社)など。

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