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石橋陽彩「声優のお仕事は自分がずっとやってきた歌と少し似ている」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

声優グランプリ

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

今回は、ディズニー&ピクサー映画『リメンバー・ミー』の主人公・ミゲル役で声優デビューを果たした石橋陽彩さんが登場です。高校卒業を期に本格的に声優の道へと進んだ石橋さん。声優業のどんなところに魅力を感じているのでしょうか?

石橋陽彩

いしばしひいろ●8月24日生まれ。エイベックス・ピクチャーズ所属。主な出演作は、アニメ『遊☆戯☆王SEVENS』(王道遊我)、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』(大成タイセイ)、『薫る花は凛と咲く』(依田絢斗)、『鎧真伝サムライトルーパー」(凱)、映画『海獣の子供』(海)、『リメンバー・ミー』(ミゲル)ほか。

公式HP:https://ishibashihiiro.com/
X:@HIIRO_ISHIBASHI

★石橋さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に!

大変なことを「楽しい」に変換できるタイプです

――小学生の頃から芸能活動をされている石橋さんですが、声優に主軸を置いたのは高校を卒業するタイミングだったとか。どのような経緯で、声優の道を選んだのでしょうか?

もともと「歌って踊れるアーティストになりたい」という目標を掲げて歌とダンスをやっていたのですが、小学校6年生の時に『リメンバー・ミー』のオーディションに受かったのをきっかけに、そのほかの作品でも声のお芝居を経験させていただく機会が増えていきました。その中で、キャラクターに命を吹き込むことの難しさと尊さを体感したんです。それが、声優の道を選んだ大きな理由ですね。それに、声優のお仕事は自分がずっとやってきた歌と少し似ているなと思いました。歌も、テクニックよりも“いかに歌詞を理解して、その想いを歌に乗せられるか”が大切だと思っているので、その部分が似ていると感じました。

――そう言われると、セリフに感情を乗せる声優とは近いものがありますね。思わぬ共通点が見つかって、声優業への興味がよりいっそう膨らんだと。

同時に難しさも感じていましたが、それをひっくるめても「声のお芝居って、すごく楽しいな」と思っていました。なので、高校卒業のタイミングで進路を考える時に、声優という選択肢が浮かびました。ボイトレには今も通っているんですが、「自分が楽しいと思えている声優業を頑張りたい」「もっと突き詰めていきたい」という欲が芽生えました。

――ともあれ、舞台のお芝居を経験していたとなると、マイクの前で声だけで表現する声優業は少し特殊な世界にも感じませんでしたか?

個人的には、そんなに感じませんでした。ただ、『リメンバー・ミー』に関しては吹き替えなので、本国のキャストさんのボイスを聞きながら収録していたため、難しかったですね。耳から聞こえる声とぴったりタイミングを合わせてセリフを言うのは、慣れるまで大変でした。

――今も、声のお芝居に関して難しさや大変さを感じることはありますか?

うーん……今は昔に比べて大変だと感じる場面は減ってきましたが、(自身が演じる)キャラクターを理解するためにイチから探りを入れる作業は大変なのかもしれません。特に原作のない作品だと、参考になるものが設定資料と台本だけだったりするので、そこからは自分の想像力が試されていると感じます。とはいえ、僕はそういう過程すらも楽しいと思えるタイプなので、100%「大変だ!」と思うようなことはないかもしれないです。

梶裕貴さんとの掛け合いで“戦い”を知った

――声優の先輩からもらった言葉で、特に印象深いものは?

なんだろう……いっぱいあるのですが、一つ挙げるなら『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』で共演していた皆さんや音響監督からもらった言葉が印象的です。『シンカリオン~』のアフレコが始まったばかりの頃、僕はとにかく緊張していて。画面と台本を見るのに精いっぱいだったんです。

――大所帯の現場で主演を務めていましたし、周りには先輩ばかりだったでしょうから、緊張するのも当然です。

ただそんな時、「もっと周りを見てお芝居しよう」と、声をかけていただきました。「周りの人たちが引っ張ってくれるから。まずは周りの芝居を聞いてみて」「失敗しても大丈夫。音響監督の僕たちが直すから、もっと頼って」と。今考えると、周りの芝居を聞くなんて当たり前のことなのに、当時の僕は緊張でそれどころではなかったんですよね。声をかけていただけて、本当にありがたかったです。

――それに、すごく頼もしい言葉ですね。「もっと頼って」だなんて。

本当に! おかげで、緊張でガチガチになっていたのは1、2話くらいまでで、以降は周りの方のお芝居を聞けるようになっていきました。梶裕貴さん演じるキャラクターと戦うシーンのアフレコは、リハーサルと本番で僕のお芝居が変わったことに梶さんが気づいてくださって、お互いにお芝居に乗っかり合うようなやりとりができました。その瞬間、「“戦い”って、これのことだったんだ!」と実感しました。毎回、収録に行くのが楽しかったですし、回を重ねるごとにより自由にお芝居できるようになっていきました。

――梶さんをはじめ、先輩のお芝居を見て刺激を受けることも多そうですね。

そうですね。最近は、『鎧真伝サムライトルーパー』で共演している榎木淳弥さんのお芝居にすごく感銘を受けました。最近、アニメの現場では自然なお芝居が求められることが多いのですが、なかでも榎木さんのお芝居はすごく人間味を感じて、現場でも素敵だなと感じました。キャラクターが内に秘めた思いを忠実に体現されているし、音にならないくらいかすかな息芝居もちゃんと伝わってきて、聞くたびに「僕も頑張らないと!」と奮い立ちます。あと、友達でもある戸谷菊之介さんのお芝居も素敵です。直近でいうと、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』のデンジが超良くて……!! 思わず2回観に行ったくらいです(笑)。

――惹かれるものがあるんですね、戸谷さんのお芝居にも。

はい。戸谷さんの演じる純粋な男の子や、欲望に忠実な男の子が素敵なんだなってあらためて思いました。もう魅了されています。

――早くも多くの現場で活躍している石橋さんだからこそ、いろんな場で刺激を受けているのですね。ちなみに、そういう言葉はご本人に伝えたりするのでしょうか?

いや、恥ずかしいので言ってません!(笑)

実はロングスリーパー。休日は昼まで寝たいです(笑)

――今後の出演作ですでに発表されているのは、先ほども話題に上った『鎧真伝サムライトルーパー』(2026年1月スタート)。石橋さんは主人公の凱役ですが、オーディションに受かった時の心境を教えてください。

「受かりたい!」という強い気持ちでオーディションに挑んでいました。なので、マネージャーさんからサプライズで合格したことを教えてもらった時は、「僕があの役をやれるんですか!?」と、驚きとうれしさが同時に込み上げてきました。それに、凱のような血気盛んな役は今までにやったことがないので、個人的にはチャレンジだったんです。そんな役で、僕を選んでいただけたのは光栄でした。

――アフレコ現場はどんな雰囲気ですか?

榎木さんのほかにも、村瀬歩さん、武内駿輔さん、熊谷健太郎さんがメインでいらっしゃって、すごく明るい雰囲気です。なかでも特に村瀬さんと武内さんは明るく、現場のムードメーカーです。でも、アフレコが始まると一気に空気が変わってピリッと引き締まります。妖邪と呼ばれる敵との戦闘など、シリアスなシーンが多いですからね。アフレコ中と休憩中の落差がかなり大きい現場だと思います。

――そして、現在もいろんな作品の現場に参加されていると思いますが……休日はどんなふうに過ごしていますか?

めちゃくちゃロングスリーパーなので、平日にとれなかった分の睡眠をまとめてとりたくて。とりあえず、お昼くらいまでは寝ています(笑)。で、昼頃に起きて「今からカフェ行かない?」と友達を誘って。おしゃれなカフェでゆったり過ごすのが最近の定番ですね。「この1週間、何があった?」って話ながら。睡眠を取るキャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

――そういう、何げない過ごし方がいちばんリラックスできますよね。

そうなんですよね。最近は、毎週末こういう感じなので、余計な体力を使わずにリラックスできています。あ、でも、今はディズニーシーにもたくさん行っています。『リメンバー・ミー』とコラボをしているので、楽しくて!(※現在は終了) そうして、家族や友達と過ごすのが好きですね。

――身近な方と一緒に過ごして、おしゃべりするのがお好きなんでしょうか?

話すというより、話を聞くのが好きなんだと思います。自分の話もするんですけど、相手の話を聞いているのが楽しい。だから僕、声優の先輩方とご飯に行くときも先輩のお話をしっかり聞きたくて、お酒は控えめにすることが多いです。途中で眠くならないように(笑)。

――戸谷さんと遊ぶことはありますか?

ありますよ。共通の趣味がカードゲームなんですが、この前も戸谷さんのおうちで対戦しましたし。あと、戸谷さんも一緒だった『薫る花は凛と咲く』の男性キャスト陣とは、カタンで遊ぶこともあります。

――仲良しですね!

『薫る花は凛と咲く』の作中での役柄と同じくらい、僕らの雰囲気もほんわかしています(笑)。「今度はご飯に行こうよ」という話をしているので、実現したらSNSに写真を上げられたらと思います!

~声優未来予想図~

Q:これからどんな声優を目指したいですか?

1年後の私 少しでも声優として知名度アップ!
近い将来すぎてあまり変わっていない気がしますが、今収録している作品や今後収録する予定の作品を観ていただいて、声優・石橋陽彩をもっともっといろんな人に知ってもらえていたらいいなと思います。

3年後の私 役幅を広げる&アーティスト活動スタート
今やらせていただくことが多い年相応の役柄以外にも、いろいろな幅の役をたくさん演じられるようになっていたらいいなと思います。たとえば、もし敵キャラができていたら……僕のお芝居の幅が広がった証拠だろうなと。あと、この頃にはアーティスト活動も始められたらいいな!

5年後の私 多数のゲームでメインキャストに抜擢
ゲームが好きでプライベートでもよくプレイをしますが、ゲームのメインキャラクターって、知名度のある方がやっているイメージがあります。なので僕も、この頃にはメインで出演できるようになっていたらいいなと思います。そして、「石橋陽彩が出てるの? やってみようかな!」と思われるような存在になれていたらうれしいです。

10年後の私 世界に羽ばたく!
海外のアニメファンにも知ってもらえるくらい活躍して、それに見合った実力をつけて、世界を飛び回れる声優になっていたいです。「HIIRO ISHIBASHI!」って言われたい!(笑) そしてアーティストとしても、大きなステージでライブができていたらうれしいですね。夢は大きければ大きいほどいいと思うので……「東京ドームのステージに立つ!」と言っておきます! うわぁ〜できるかなぁ〜!?

撮影/玉井美世子 ヘアメイク/GiGGLE 取材・文/松本まゆげ

石橋陽彩さん手書きプロフィール

石橋陽彩さんコメント動画

▼動画URLはこちら
https://studio.youtube.com/video/2Jy59nweHic/edit


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