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『メンタルが弱い猫』の特徴4選 繊細な性格になる原因や気をつけるべき点も解説

ねこちゃんホンポ

『メンタルが弱い猫』の特徴4つ

多かれ少なかれ猫は皆、繊細な面を持っています。中でも一際目立つ猫はストレス耐性が弱く、一緒に暮らすうえで様々な配慮を必要としている場合が多いです。

ここでは『メンタルが弱い猫』の特徴を4つ紹介いたします。

合わせて原因や接し方、注意すべきポイントなどについても解説していくので、繊細さんと暮らしている飼い主さんは参考にしてみてください。

1.過剰な反応をする

繊細な猫は、日常生活の"ちょっとしたこと"に対して過剰な反応を示します。

例えばインターホンの音や、飼い主さんのくしゃみなど。本来であれば少しずつ危険なものではないと学習できるものでも怖いと感じてしまいます。

このように、お迎えしてからずっと臆病な性格が変わらない猫は『生まれ持った気質』が関与している可能性があります。

一説によると、猫の性格は父親の性格を受け継ぐのだそう。つまり、父猫が繊細で臆病な猫であれば、その子ども達もまた繊細になるというわけです。

このようなケースでは、安全に身を隠せる場所を作ることで安心させてあげることが重要です。来客も苦手になることが多いので、できる限り家族以外の人に接触したり気配を感じにくいような配置にするなど配慮してあげてください。

2.初めてのものにビビる

愛猫を喜ばそうと奮発したおもちゃや、可愛い猫ベッドにビビり、初見では毛を逆立てるだけで近づこうともしてくれなかったという経験はありませんか。

猫は元々、初めて見るものや聞く音声に慎重な反応を示す傾向にあります。これが極端な形で現れる猫の場合は、過去の経験則に従って安全か否かを判断する能力が乏しい恐れがあります。

本来猫は、幼い頃に母猫から何が安全で何が危険なのかを教わります。特に生後2~9週齢は『社会化期』と呼ばれる大切な期間で、ここでの学びが後の性格に影響を及ぼすものとされています。

外で生活していた猫たちは、特に危機管理能力にたけていて、小さな変化にも気づき警戒をする可能性が高いです。

例えば愛猫に関する日用品や消耗品を新調した際は、愛猫を撫でたタオルで匂い付けする、完全な新しいものに囲まれて生活するのではなく、古くから愛猫が使用しているものも混ぜてあげるなどの工夫をしてみてください

3.新たな環境に適応することが苦手

繊細な猫は他の猫以上に環境の変化を嫌います。引越しはもちろんのこと、模様替えや飼い主さんの生活リズムの変化にも敏感です。

引越しをする場合は、愛猫がこれまで使用していたベッドやキャットタワーはひとまずそのまま持ち込むようにすると良いでしょう。

理想の間取りなど飼い主さんの希望もあると思いますが、愛猫の性格に応じて安心できる空間づくりを心掛けてあげてください。

模様替えは少しずつ変化をつけて、基本的には猫の居住空間には手を加えないことが理想です。

飼い主さんの生活リズムの変化に関してはやむを得ない事情といえるでしょう。

生活リズムの変化を察知し、不安を感じている場合もあります。愛猫から寄ってきてくれたり、スキンシップを求められた時には対応してあげてください。

4.ストレスが関連する病気になりやすい

繊細な猫なやや神経質な側面を持つため、ストレスが関連して起こる病気になりやすい傾向があります。特に次のような病気に気をつけてください。

✔特発性(原因不明の)膀胱炎
✔過剰な毛繕いによる脱毛及び皮膚炎
✔心因性の嘔吐や下痢
✔猫風邪の再発
✔同じ動作を繰り返す常同行動など

猫は仮にメンタルが弱い場合でも、極力臆病な性格を隠そうとします。そして我慢に我慢を重ねた結果、心のSOSが鳴り響く形で様々な不調が現れます。

繊細な猫に対しては、何事も穏やかな雰囲気で接するようにしてください。イタズラはなるべく事前に防ぎ、強く叱責することは控えてください。

日頃からの距離感も重要です。愛猫のペースに任せ、しつこく構うことも控えます。逆に愛猫が喜ぶこと(撫でてほしいタイミングで撫でる、遊ぶなど)は積極的に行ってください。

"嬉しい"や"楽しい"などのポジティブな感情を多く経験することで、幼い頃の学習をリカバリーすることが大切です。

まとめ

一際繊細な性格になる傾向としては、次の3つの要因が関与していましたね。

✔持って生まれた性格気質(父猫からの遺伝)
✔母猫と共に過ごした時間が短すぎた
✔社会化期にポジティブな体験が少なかった

そして、メンタルが弱い猫には次のような特徴が見られました。

✔過剰な反応をする
✔初見のものに驚き怯えてしまう
✔新しい環境に馴染むことが苦手
✔ストレス関連の病気になりやすい

猫生経験の浅さに関しては、できるだけ楽しい経験を積むことを意識して接してみてください。全てをカバーできるわけではありませんが、ポジティブな感情は育ちます。

また、日頃の生活の中で『安心感を得られる場所作り』『無理強いしないこと』『強く叱責しないこと』を心がけてください。それでも体調が思わしくないときは動物病院を受診し、性格傾向についても相談してみると良いでしょう。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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