【フェイスラインのたるみもケア!】加齢に伴う不調に。 東洋医学の「養生」の考え方と「ツボ」で老化の速度をゆるやかに
年齢を重ねることは、誰にも抗えないもの。そして、その体は10年前の自分の体とは異なります。
健やかに年齢を重ねるには、今の状態を受け入れ、それに合わせた暮らしをしていくことが大事です。東洋医学の理論を参考に、考えていきましょう。
『いつもだるい、不眠、頭痛、肩こり、プチうつ… “なんとなく不調”と上手につき合うためのセルフケア』より、フェイスラインのたるみをケアするツボもご紹介します。
年齢の養生
年齢を重ねると「疲れやすくなった」とか「無理がきかなくなった」という声がよく聞かれます。加齢による変化はすべての人に訪れるのです。
東洋医学には、「実」と「虚」という概念があります。実はエネルギー源の気が充実している状態、虚は少なくなっている状態。人間は誰もが、加齢によって「実から虚へ」と移行していくのです。車に例えると、「実」はガソリン満タン、「虚」は常に少ない状態。年齢を重ねて「虚」に移行した体には、省エネ走行とこまめな給油が必要なのです。加齢による変化が気になりだしたら、多忙な生活や過度な運動で無駄に気を消耗しないこと。そして、日々の食事と睡眠で、気を増やすことを心がけてください。また、病気の回復にも大きなエネルギーが使われます。「かぜをひきそうだな」と思ったら、十分に休養をとり、温かいものを食べ、かぜの症状が本格的に出る前にしっかり養生を行いましょう。
加齢によって感じる「なんとなく不調」は、体の変化を教えるサイン。体の声に十分に耳を傾け、変化を受け入れることが、ポジティブに年齢を重ねる秘訣です。
年齢の変化と性ホルモン
東洋医学の古典には、「男は8の倍数」「女は7の倍数」の年齢で心身に変化が生じると書かれています。これは、漢方医学の「腎」、すなわち性ホルモンの変化と関係しています。人生100年時代を迎えて、老化の速度をゆるやかにする養生は非常に重要です。
ツボでキレイに!
フェイスラインのたるみ
年齢を重ねると、あごや輪郭のラインにたるみが出て、顔が大きくなったように見えます。原因のひとつは、首の周りの筋肉の衰えや、それによる血流・リンパの流れの停滞。耳たぶの後ろにあるツボを押しながらあごを動かすと、巡りがよくなりフェイスラインがスッキリします。
翳風(えいふう)
翳風は、耳たぶの後ろのくぼみにあるツボ。ここに指をあてて押しながら、口を開けたり閉じたりして、10 〜15 回あごを動かす。指を少しずらし、痛みを感じるところがあれば、そこが滞っている場所なので同様に行う。
東洋医学の知恵をもっと知って役立てれば、年齢による不調も上手にやわらげることができます。
『いつもだるい、不眠、頭痛、肩こり、プチうつ・・・“なんとなく不調”と上手につき合うためのセルフケア』なら、東洋医学の考え方だけでなく、体質に合った「薬膳レシピ」と、不調をやわらげる効果が期待できる「ツボ療法」も知ることができますよ。
著者:木村容子(きむら・ようこ)
医師、医学博士。東京女子医科大学附属東洋医学研究所所長、教授。日本内科学会認定医、日本東洋医学会専門医、指導医。お茶の水女子大学を卒業後、中央官庁入省( 国家公務員1 種)。英国・オックスフォード大学大学院留学中に漢方と出会う。帰国後、退職して東海大学医学部に学士入学。2002 年から同研究所に勤務。著書は『女40 歳から「不調」を感じたら読む本』( 静山社文庫) など多数。NHK 趣味どきっ!「体ととのう おうち薬膳」講師など。
◆『いつもだるい、不眠、頭痛、肩こり、プチうつ…… “なんとなく不調”と上手につき合うためのセルフケア』
◆文 江口知子
◆写真 平田かい
◆イラスト 雉〇/Kiji-Maru Works
◆モデル 中世古麻衣(スペース・クラフトエージェンシー)