USJ 巨大クリスマスツリーがフィナーレ 最後にした理由&今後のイベント展開を担当者が語る
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、クリスマス・イベント「NO LIMIT ! クリスマス」を、2024年11月20日(水)~2025年1月5日(日)の期間、開催しています。
巨大ツリーが今年でフィナーレ
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの冬のシンボルとして立ってきたクリスマス・ツリー「NO LIMIT!パーティ・ツリー」が、この冬でフィナーレを迎えます。
30m超えのツリーは、イルミネーションやドレープ装飾、ダイヤモンドシェイプ・オーナメントが特徴的。ツリーのそばのグラマシーパークでは、「フロスティーズ・エレクトリック・スノー・パーティ」を公演します。
超興奮のクリスマスに変更を遂げている
最後のツリーの点灯式に先駆け、合同会社ユー・エス・ジェイ「NO LIMIT!クリスマス」プロジェクト統括ディレクター 本田七彩氏が報道陣のインタビューに応えました。
今年のクリスマスイベントのテーマは「超元気を贈ろう」。2年前から、パークならではの超興奮のクリスマスを行なっているとし、「クリスマスというとカップルとか子供みたいに、限られた特性の人しか楽しめないイベントだ、と考える方もいらっしゃるんじゃないか」と指摘。
「家族やパートナーのあり方がどんどん変わってきているという社会の変化に合わせ、恋人だけではなく、友達などいろんな形の大切な人と一緒ににクリスマスを思いっきり楽しめるようなイベントを用意したいと思い、そういう形にだんだん変更を遂げている」と説明しました。
来年以降このエリアで巨大なツリーが置かれることはない
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、2004年からグラマシーパーク付近の書割前に30m級の巨大なツリーを設置してきました。
2016年にはクリスマスツリーが最後を迎えると宣伝。しかし、翌2017年には、同じ場所で「新クリスマス・ツリー」として形状を多少変えたクリスマスツリーが登場しました。
今回は「今後はこのエリアで巨大なクリスマスツリーが置かれることはない」と明言しました。
変えるのは勇気のいる決断
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが開業以来、たくさんのクリスマスのイベントを行ってきた中で、「30mを超える大きなスケールのツリーはパークの体験の中でもすごく象徴的なものだった」と振り返り。
本田氏自身も「長年仕事をしている中で毎年このツリーを見ているんですけれども、1年ぶりに見て毎回新鮮にすごく綺麗だなと感動しています。そのくらい素晴らしい唯一無二のツリーだと思っています」とツリーへの想いを語りました。
一方で、20年ほどこの形でクリスマスイベントが行われている中で、「世の中の変化と共に、皆さんがクリスマスに求めているものというのは、少しずつ変わってきている」と指摘。
最初に大きなツリーを作った時は、イルミネーションやクリスマスらしい体験ができる場所は今よりもっと少なかった背景の中、現在は、クリスマスらしい体験ができる場所はテーマパーク以外でも増えており、街を歩けばクリスマスらしいイルミネーションが見られる場所が多くある中で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとして新たな形を目指すことになりました。
「私もこのツリーが大好きなので、変えるというのは本当に勇気のいる決断だなと自分でも思っている」としつつ、「また新しく、いろんな方に楽しんでいただけるクリスマスのイベントを作りたいなと思ってのことです」とクリスマスツリーを最後にした理由を説明しました。
よりユニバーサルに楽しめるイベントへ
クリスマスに対する社会の変化を何度も指摘した本田氏。
来年以降のクリスマスイベントについては現在開発中としつつ「現時点でこのようなツリーの実施は予定しておりません」と発言。今年とはまた違う形で、ゲストのニーズに合うものを新たに展開していきたいと語りました。
ツリーが始まった頃のクリスマスについて、“恋人たちのクリスマス”みたいなイメージがすごく強かった。一方で家族で家で楽しむクリスマスみたいなものがあって、そういう楽しみ方のイメージが結構固定化されているというのが、クリスマスイベントに対する多くの人の認識だったとし、「元を辿ると、そういう旧来型のクリスマスに合わせて、私たちも作ってきた体験ではあった」と振り返り。
それに対して現代は、恋人といることだけが一番幸せだとは限らない、多様なしあわせの形があることをみんなが共通認識として持つようになってきていると指摘し、「私たちもそれに合わせて、新しいクリスマスイベントの形を考えていきたい」としました。
属性を固定せず、よりいろいろなゲストに体験してもらいたいという方針は、クリスマスに限らず他のイベントでも共通しているといいます。その中でクリスマスは寒い季節であり年末年始もあることで、人と人との関係に注目が集まる時期だとし、より多様な人とのつながりを意識していると強調。
「よりフラットにイベントとして考え直したい」「もっとユニバーサルに、いろんな人がいろんな形で楽しめるものにしたい」と、今後のクリスマスイベントの展望を示しました。