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50周年!アニメ史に燦然と輝く金字塔「宇宙戦艦ヤマト」宮川泰がこだわり抜いた交響組曲

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2024年12月15日 「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト 2024mix」発売日

初放送から50周年目の記念に、CD、レコード、ハイレゾであの名盤が復活!


1974年10月6日に第1話が放送された『宇宙戦艦ヤマト』。それから50年目の節目となる2024年12月25日、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト 2024mix』が発売となった。CDのみならず、アナログLP、96kHz/24bitハイレゾ配信、空間オーディオバージョンがラインナップされている。今回のアルバムは1977年12月25日に日本コロムビアから発売された『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』の16チャンネル・オリジナルマルチテープから、新規にトラックアップしたデジタル素材をリミックスしたもの。当時の音源を、今の技術でよりクリアに聴くことができる。

宇宙戦艦ヤマトを名作足らしめた3つの柱、ストーリー、キャラクター、そして音楽


日本のアニメーション史にとって屈指の存在である宇宙戦艦ヤマト。その魅力は、大きく3つ挙げられる。1つ目は、太平洋戦争の遺構である戦艦大和が、宇宙船となって旅をするという奇想天外なストーリー。これに、当時のSFロボット物とは一線を画する緻密な設定を加えたことで、子供たちはこれまでのアニメとの大きな違いを感じた。地球を救うためにイスカンダルから技術提供された波動エンジンのワープ航法によって光速を超え、14万8,000光年の旅を可能とするなど、細密でリアルな設定はかつてないもの。テレビまんがが “アニメ" と呼ばれるようになったのも、宇宙戦艦ヤマトからだとされている。

2つ目は、松本零士による人物や戦艦などのキャラクターデザイン。当初、企画段階でのヤマトは岩の塊のような乗り物であったが、これを松本零士が見事に空飛ぶ船にしてみせた。艦首波動砲から曲面となって後部に続く造形美、パルスレーザー砲の細かさや、宇宙船なのに喫水線があるこだわりなど、あの色と形でなければ、視聴者はこれほど魅入られはしなかったのではないか。また古代進、森雪、沖田艦長といった人物たちの魅力も、松本零士ならではと言えよう。その他の乗組員だけでなく、スターシャの神秘的な美しさ、デスラー総統の悪役然とした佇まいとそこに秘められた美学など、松本ワールドとも言える世界観は決して子供だけに向けたものではなく、完成度の高い芸術作品であった。

そして3つ目が、ヤマトを取り巻く音楽だ。主題歌を始め劇中で使われるBGMからエンディングテーマに至るまで、作曲を担当したのは宮川泰。古くはザ・ピーナッツ「恋のバカンス」など作曲で知られるが、数々のヒット曲やテレビ番組のテーマ曲を作り、ヤマト作品における音楽の全てに携わった。音楽へのこだわりは、宇宙戦艦ヤマトを企画した西崎義展がもともと音楽業界の出身であったことの影響も大きく、“音楽優先” は当初からの決定事項であったという。「♪さらば地球よ」で始まる主題歌の歌い手も、誰にするのかはギリギリまで模索が続いたようで、最終的にささきいさおが録音に臨んだのは放送の半月前のことだったそうだ。

また、宇宙戦艦ヤマトは2012年からリメイク版が製作されているが、この音楽を担当しているのが宮川泰の息子である宮川彬良というのも感慨深い。当時の譜面は無かったため、テープを聞きながら譜面を起こすことから始めたという。ちなみに宮川彬良自身も作曲家・編曲家として活躍しており、松平健の歌う大ヒット曲「マツケンサンバⅡ」の作曲でも知られている。

音源だけでなくジャケットも美しく修復され、当時の感動が今再び蘇る


50年前、最初のテレビ放送では視聴率が振るわず打ち切りの憂き目に遭うも、再放送によって人気に火が付き3年後に映画化。当時の劇場アニメと言えば小学生向けのものが多かったが、中高生から大学生までの支持を受けた劇場版『宇宙戦艦ヤマト』は観客動員数400万人、興行収入43億円の大ヒット。当時、全国のヤマトファンクラブは800団体以上、総会員数は15万人を超えたという。こうした人気を受け、映画が公開された年の冬に発売となったのが、アルバム『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』だ。

宮川泰がBGMを再編曲・再編集し、新曲も加えてフルオーケストラで再録音。当時としては驚異的な売り上げを記録し、アニメサントラの金字塔となった1枚が、50年の時を経て復刻した形となる。2024ミックス版では、ジャケットもまた音源と同様に素材を再構成。原画をスキャンしたデジタルデータに、絵画の修復作業と同等の鮮やかな色彩を蘇らせるレタッチを施した。また背景宇宙には奥行きを感じさせるためのデザイン加工を行ない、当時のLPデザインにならって “Symphonic Suite Yamato 2024mix” の作品タイトルロゴを配置。見た目も中身も、制作陣のこだわりがたっぷりと詰まった仕上がりとなっている。

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