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『ひまプロ』MC陣が、発信することを止めないシンプルな理由【ノリ&かいち】

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『ひまプロ』MC陣が、発信することを止めないシンプルな理由【ノリ&かいち】

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エンジニアが感じるやりがいは、人それぞれ。しかし、「チームビルディング」に面白みを見出しているエンジニアは、意外とまだまだ少数派かもしれない。

人気Podcast番組『ひまじんプログラマーの週末エンジニアリング(以下、ひまプロ)』のMCであるノリさんとかいちさんは、「困っている人の力になりたい」「強い開発組織を作りたい」と意気込むエンジニアたち。そう思うに至った背景を、これまでのキャリアと共に紐解いた。

『ひまじんプログラマーの週末エンジニアリング』MC
ノリさん(@ittoku_ksm)

大学卒業後、IT系マーケティングツールの営業職を3年間経験。その後約1年半のアルバイト生活を経て、セブ島に渡りプログラミングを学習。帰国後はSESでエンジニアやメンターとして勤務した後、人材系企業に転職。フルスタックエンジニアとして従事するかたわら、Podcast『ひまじんプログラマーの週末エンジニアリング』でMCを務める

かいちさん(@KaichiWork)

大学院修了後、通信系企業に入社してエンジニアや新規事業のプロダクトマネジャーとして約7年間勤務。現在は転職し、Webアプリケーション開発に携わっている。Podcast『ひまじんプログラマーの週末エンジニアリング』のMCとしても活動中

「あの人に理解できることが、自分には分からない」その悔しさが原動力

営業職としてキャリアをスタートさせたノリさんは、社内のエンジニアに憧れを抱いてキャリアチェンジを決意。海外に渡ってプログラミングを習得後、日本へ帰国してSES企業に入社した。

実務経験を積み、その後はエンジニア育成を担うメンターとして約4年間活動。現在はフルスタックエンジニアとして新たな企業に転職し、開発の最前線で活躍を続けている。

ひまプロ内では中堅エンジニアポジションであるノリさんが、自身の成長において最も「ストレッチした」と感じている時期はどこだったのか。意外にも、それは実際にコードを書くエンジニアとして働いていた当時ではなく、メンターとして人材育成に尽力していた頃だという。

ノリさん:その会社は若手が多い組織で、未経験からエンジニアになった仲間も大勢いました。メンターチームは、「現場での経験を活かしてエンジニア教育の質を高めたい」という強い思いを持ったメンバーの集まり。僕にとって刺激的なチームでした。

交流を深めていくうちに、同じ時期に入社したはずのエンジニアたちが自分よりもたくさんの知識を持っているという事実を目の当たりにし、悔しい思いをしたんです。

悔しさをバネに、ノリさんは猛烈に学び始めた。「一番学んだのはこの時期」と、ノリさんは当時を振り返る。

ノリさん:当時は、インプットした知識をすぐにアウトプットするよう心掛けていました。まるで以前から知っていたかのように振る舞い、メンターとしての自身の立場を確立することを強く意識していましたね。そのおかげで、知識量は飛躍的に増えたと実感しています。

というのも、私は元来負けず嫌いな性格で。「あの人が知っていることを自分が知らないのは悔しい」と感じてしまうんです。もしメンターチームのメンバーと歳やキャリアが大きく離れていたら、このような向上心は湧かなかったかもしれませんね。

悔しさを原動力に学びと向き合う。原理は理解できるものの、その感情だけでモチベーションを持続させるのは容易ではないだろう。しかしノリさんの行動の根底には、学生時代に培われた独自の学習スタイルがあるようだ。

ノリさん:大学時代からダンスをやっているのですが、決して自慢できるような上手さではないかもしれません。それでも唯一、練習量の多さだけは自慢できます。大学時代は、授業が終わったらすぐに体育館へ向かい、アルバイトを挟んでもう一度練習する……といった生活を続けていたくらいです。

つまり、私はとにかく量でカバーするタイプなんですよ。それはプログラミングにおいても同じです。私は勉強する上では技術書を使うことが多いのですが、とにかく本を読破し、そこから得た知識をアウトプットする回数だけは誰にも負けないよう強く意識してきました。

学びを後押しした「自分が理解できないことは、チームでも成し得ない」という危機感

ノリさん同様、「学んだ技術力を周囲に広めることで成長してきた」と語るのが、共にひまプロMCとして活動するかいちさんだ。

かいちさん:エンジニアとしての成長に一番役立ったのは、Podcastを始めたことですね。

自身の技術力を高めるだけでなく、それを他の人にも広めていくことに確かな手ごたえを感じたんです。その結果、チーム全体の成長に貢献したいと思うようになっていきました。

かいちさんは大学卒業後にエンジニアとしてキャリアをスタートさせたのち、プロダクトマネジャー(PdM)を経験。転職を経て、現在はフロントエンドからインフラまで幅広い領域をカバーするエンジニアとして活躍している。

かいちさんが自己成長と向き合い、学び続ける覚悟をしたのは、PdMを任されるようになった頃のことだという。

かいちさん:その時の私は、エンジニアになって3年目くらい。PdMになって間もなく、「自分が理解できないことは、チームとしても実現できないんだ」と感じるようになりました。

それに、プロジェクトを進めるためには多額の費用が必要です。人件費で考えると、100万円以上の金額が動きます。当時の私のチームにはメンバーが4〜5人。半年から1年規模のプロジェクトを進める中で、「今、いくら費やしているのだろう」と考えるようになったことも、学び続けなければ、と思ったきっかけです。

とはいえ、学び続けるのは容易ではない。特にひまプロのような活動の場合、かなりのエネルギーが必要だろう。ノリさんが「悔しさ」を原動力にしてきたように、かいちさんにもモチベーションとなるものがあるのだろうか。

かいちさん:自分の中に、なりたいエンジニア像があるんです。それは、楽しそうに仕事をしているエンジニアです。

他者から見て「楽しそう」と思われる状態になるためには、外に向けて発信する必要がありますよね。だから、Podcastもその一つなんです。

ひたむきに学びと向き合ってきたノリさんとかいちさん。二人は共に、自己成長だけではなく、その一歩先を見据えるフェーズにいるようだ。最後に二人の今の目標を聞いた。

かいちさん:自分が楽しく働くのはもちろんですが、誰かが困っていることに対して、できるだけ早く解決策を提示できるエンジニアになりたい。そのための取り組みも進めていきたいと思っています。

ノリさん:僕も今は、強力なエンジニア組織の構築に興味があるんです。

多分ですけど、卒業大学が「東京大学」だと誇らしい気持ちになれるんじゃないかなあ、って。それと同じで、良い組織に所属している方が自尊心が高まる気がしませんか?

だから、自分の力で組織に良い影響を与えて、ブランド力を高めていきたい。それができたら面白いと思うんです。そのための信頼づくりとして、今は技術力を高める期間にしたいと考えています。

※本記事は聴くエンジニアtypeオリジナルPodcast『聴くエンジニアtype』#80、#81をもとに執筆・編集しております

聞き手/河合俊典(ばんくし) 文・編集/秋元 祐香里(編集部)

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