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24歳で農家に嫁ぐも「もう限界」。そこから3年後、仕事が好きになった理由。

スタジオパーソル

スタジオパーソル編集部が、世に発信されているさまざまな個人のはたらき方ストーリーの中から、気になる記事をピックアップ。今回は、ずっと越えられなかった「3年の壁」を越えられるようになったエピソードをご紹介します。

大企業の事務員としてはたらいていたkakiemonさんは、24歳で寿退社し、農家に嫁ぎます。農業を始める前は「得意で好きな仕事」だと考えていましたが、実際にはたらいてみる心身ともに大きなストレスを感じてしまいました。そこから農業を好きになるまでの話をnoteに投稿しました。

※本記事の引用部分は、ご本人承諾のもと、投稿記事「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」から抜粋したものです。

新しい上司の理不尽に耐えかねて、転職するか迷った

関西の有名な大企業に新卒で入社したkakiemonさんは、同じく新卒の女性とともに、事務員として女性5人の部署へ加わりました。派遣社員の仕事を引き継ぐ後釜としての配属だったそうです。

上司は定年前の男性の方で、温和な方。

私たちの仕事は、一般的な事務作業に加え、となりの部署に配属されている、商品を売り込む営業の方たちのサポートといったところ。

一般的な事務作業といえども、電話対応、書類のチェックや、取引先への確認作業、パソコン業務と、多岐にわたる仕事があって、毎日やるべき業務を確実にこなしていった。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

月末は大量のデータ入力に追われましたが、kakiemonさんはミッションをクリアした瞬間の爽快感が好きだったので、あまりストレスを感じなかったと言います。コツコツと続けられる理由を考えてみると、2つの過去に思い当たりました。

1つは、中学での陸上部に属していたときの経験です。メニューを一つひとつクリアするのが快感で、その過程も楽しめたため、周囲がサボっていても一人で続ける根気がありました。

もう1つは、お母さんの影響です。kakiemonさんのお母さんは「やり始めたことは、とにかく止めてはいけない」と言っていました。

ただ、続ける力があるkakiemonさんの心境に変化が訪れたのは、入社して2年目のことでした。原因は、新しい上司です。

毎日理不尽な叱責が続き、三年目が過ぎた頃、「もう辞めてもいいかな」と、転職を考え始めた。

私、十分耐えたし、がんばったよね・・・と。「石の上にも三年」の年月も過ぎたし。

仕事の内容には不満がなかったけど、それ以上その職場に居る魅力が見出せなかった。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

とはいえ「本当に会社を辞めていいのかな」という迷いもあります。

不安が拭いきれなかったkakiemonさんは、子供のころからずっと「やり始めたことは、とにかく止めてはいけない」と言い聞かされていたお母さんに相談することにしました。

kakiemonさんにとって、初めて自分で決断した選択が就職先でした。それまでずっと決定権をゆだねていたお母さんに再び相談したことを「ある意味、まだ親の呪縛から解き放たれていなかったことを、物語っていたのかもしれない」と語ります。

そして、返ってきたのは思わぬ方向の、しかしお母さんらしい答えでした。

寿退社するために選んだ、農家への転身

「寿退社」なら、仕事辞めてもええんちがうか。

これがお母さんの回答でした。

母の予想を上回る短大に進学し、自慢できる位の大企業に就職した娘が、「寿退社」で仕事を辞めるとなったら、それはもう、言うことナシといったところだろうと、思惑はみえていた。

母らしいなと思った。

だけども、それはそれで、真っ当な意見だった。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

kakiemonさんは婚活を考えたことすらありませんでしたが、「人生のどこかで結婚するなら、婚活は今でしょ!」と、急に婚活エンジンがかかったと言います。

婚活の末に出会ったのが現在の夫で、24歳で結婚しました。夫の家業である農家に嫁ぐ形になり、何度も「ホンマにええんか?」と聞かれましたが、根気強くミッションをこなすのが好きで、会社を寿退社したいkakiemonさんにとっては何の障害でもありませんでした。

一切の迷いなく結婚したkakiemon さんですが、新婚旅行の後に未経験の農作業をスタートし、早々に自分の考えが甘かったことに気づきます。

若かったので、3年は踏ん張れたけど、OLの時と同じタイミングで息絶えた。

夫との関係はよろしくなかったし、仕事も我慢の限界だった。

年ら年中やすみがなくて、体力が続かなかった。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

ただ、会社員のころとは違ったのは、守るべき幼い子供がいたこと。帰る実家もなかったkakiemonさんは、自分に逃げる選択肢がないことを理解して「腹を括るしかない。一生農業をしていくんだ」と覚悟し、新しい行動を始めます。

「ミッションのクリア」から「好きの発見」へ

腹を括ったkakiemonさんが新しく取り組んだのは、仕事を好きになる努力です。

仕事を好きになることが心身に負担をかけない最善の策だと考え、「そうだ!仕事に興味をもってみよう。作物に興味を持ってみよう」と、その手で作っている作物に目を向け、前のめりにはたらくことから始めました。

たとえば、不要な枝葉を切る剪定(せんてい)も、知識があれば奥深いおもしろさを感じられるようになります。興味関心を持って取り組むことで「農作業のなかで一番好きかも」と思えるようになったそうです。

そうして農作業や作物に対する「好き」を深めていくと、はたらき方も自然と変わっていきました。

思えば、若い頃のわたしは、ミッションをクリアする事だけが、最終的な目標で、扱う商品や、作業に対して「好き」を深めてこなかった。

ただ、真面目に与えられたことをそつなくすることだけに、重きを置いていた。

だから、「走ること」に興味を持てなかった陸上は、高校の途中で辞めたし、社会人のには扱う商品のことをよく知らなかったし、興味を持とうともしなかった。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

同じように農業も3年で燃え尽きそうになったkakiemonさんですが、「興味を持ってみよう」と前のめりに取り組んだことで楽しくなり、自分がやるべきことが見えてきたと言います。

私は、山椒や柿のことを、もっと知りたいと思った。

それこそ、三年目の山を越え、徐々に仕事に慣れて、余裕が生まれたからかもしれない。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

今までの部活や仕事でなかなか続かなかった3年の壁を乗り越えたkakiemonさんは、「得意なことは長続きしないけど、好きなことなら面倒でも疲れても続けられる。」と語ります。

「得意なこと」よりも、「好きなこと」をとことん追求すると、「天才」を超える「プロ」になれると。

私は、あのとき、どうせ、その仕事から逃れられないのなら、仕事を好きになった方がいいに違いないと、思い立ったから今があると思う。

だけど、あのまま、新卒で入社した会社員で続けていたとしても、プロにはなれなかったと思う。

仕事に関係する商品に興味を持つことは出来ても、人とコミュニケーションをとるのは苦手だから。

「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」より

でも、何十人ものアルバイトさんといっしょにはたらく農家に嫁ぎ、逃げずにはたらき続けたことで、コミュニケーションを培うことからも逃げずにすみました。いまだに多くの人とのコミュニケーションに苦手意識はありますが、人よりも自然や作物と向き合う農業は、コツコツ物事に取り組むkakiemonさんの「好き」と「得意」を生かせる仕事でもあります。

今では農業を継ぐ息子さんに

「仕事は好きになったもん勝ちやで」

と伝えているkakiemonさん。

仕事が嫌になったら、まずは興味を持とうと意識してみれば、意外な「好き」が見つかるかもしれません。

<ご紹介した記事>「『得意な事』に『好き』が加わると最強。わたしの転職体験記。」【プロフィール】kakiemon果樹農園を営む農家の嫁です。子育てがひと段落して空いた時間もできたので、日常感じたことなどを自分のペースで発信していこうと思っています。

(文:秋カヲリ)

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