堤防エギングで1kg超えアオリイカを手中【三重】潮色に合わせたカラーチェンジが的中
三重県の太平洋側で日中の短時間エギング釣行を敢行。強風の影響で釣り場を絞り込んだ結果、クリアな水質とベイトの動きからキロアップのアオリイカをキャッチすることに成功しました。3時間という限られた時間ながら、潮の変化を見極めた金テープの投入が奏功。ナチュラル系カラーが効いた一投に手応えを感じた1日です。
三重の漁港でエギング
今回は13時から16時までの3時間限定釣行。マヅメ時よりも人が少ない日中を狙い、手軽にアクセスできる漁港で藻場の様子を探るプランとしました。
南寄りの強風が吹き、道中で立ち寄った外海側のポイントは、風と波の影響で釣りにならないコンディション。
そこで風裏となる漁港を選び、穏やかな釣り場を確保しました。日中の時間帯ということもあり、先行者は1名のみ。快適な釣行環境に恵まれました。
使用したタックル
タックルは7フィート台のエギングロッドに、2500番台のスピニングリール。
ラインはPE0.8号、リーダーはフロロカーボン2.5号。エギは3.5号で、市販の製品と自作餌木を持参しました。
13時に釣行開始
風は強いものの、追い風の恩恵で水面はほぼ無波。濁りもなく、透明度は高くクリアな水質。
まずは沖の藻場を調査することに。先行者の方が、テトラ帯前の藻場に寄ってきたアオリイカを発見したものの、まったく反応しないとのこと。
足元には墨跡が少なく、モンゴウイカらしき痕跡もゼロ。アオリイカの墨跡がポツポツとあるのみ。今回は、産卵場を意識した個体ではなく、藻場沖の捕食モードにある高活性の個体をターゲットに据えました。
カラー選択と反応確認
天候は晴れ。透明度の高い日はナチュラル系のカラーが効果的。スクイッドマニア製のアジカラー・銀テープモデルをフルキャスト。追い風に乗って抜群の飛距離を実現。
ただ、想定した藻場の上ではなく、着底は砂地。モンゴウイカが好む藻類は見られず、代わりにホンダワラが繁茂している状況でした。このため、モンゴ狙いからアオリイカ狙いへと方向転換。
自作餌木を数種ローテーションしながら試投を重ねましたが、バイトはなし。スローシンキングに調整した餌木をホンダワラに絡めてアプローチしても反応はなく、沈黙の時間が続きます。
アカハタヒットもバラシ
ホンダワラに乗せた餌木にも反応はなく、手前の岩場に差し掛かったところで「ガツン」と強いアタリ。水面直下でバレてしまったものの、正体はアカハタ。狙いとは違いましたが、気配は感じられました。
時折キビナゴの群れが通過しますが、群れの規模は小さく、泳ぎもゆったり。潮止まり特有の“平和な時間”といった印象。そんな中でも、回遊のタイミングを信じて、自作餌木で藻場の向こう側を探り続けました。
気がつけば、無反応のまま2時間が経過。焦りと粘りが交錯する展開です。
潮の変化で作戦変更
ようやく潮が動き始め、沖へ引っ張られる重たい潮流が入ってきました。それに合わせてベイトも活発化。出たり入ったりを繰り返すようになり、水面から中層を泳ぐ姿が目立ち始めます。
イカは底付近に潜んでいると判断。さらに水質も微妙に変化し、底付近はやや濁りが発生。ここで銀テープから金テープ仕様へとスイッチ。選んだのは墨族のアジカラー。アピール力のある大きめのボディです。
1kg超えのメスのアオリイカ手中
沖の藻場と藻場の間にある砂地へ着底。3段シャクリからのカーブフォールを繰り返すアプローチ。潮の抵抗が竿先に心地よく伝わり、回遊の気配を感じる時間帯に突入。
すると、隣にエギンガーが入ってきて藻場の上を中心に狙い始めました。私は引き続き、沖のボトムに集中。その数投後、シャクリからのカーブフォールでラインを張ったまま着底させた瞬間、「プン」と明確なアタリ。
メス特有のアタリの出方。慎重にテンションをかけながらランディングし、墨を吐かせず無事キャッチ。残念ながらオスの追尾は見られませんでしたが、手にしたのはキロアップの立派なアオリイカ。群れではなく、単発で回遊していた個体のようでした。
釣り終了と振り返り
15時30分。地元のベテラン釣り師が登場。久しぶりの来訪だったようで、雑談が始まりました。「今年はモンゴウイカが少ない」という声に、地域全体の傾向を感じるひと幕。
その後、風裏を求めて次々とエギンガーが集結。このポイントが人を引き寄せる理由、それは「風がかわす釣りやすさ」に尽きます。
私は16時をもって納竿。夕マヅメを狙うエギンガーたちに後を託し、釣り場をあとにしました。
これから梅雨明けまでは、親イカ狙いで盛り上がるシーズン。ピンクやオレンジといった派手系のエギが目立つ中、今回はナチュラルなアジカラーが奏功。透明度が高い状況下では、自然に馴染む色調がアドバンテージとなった印象です。
ヒットは自作餌木では出ませんでしたが、水中の視認性が高かったおかげで、着底姿勢やシンカーの微調整など、多くの検証ができた充実の釣行。一尾に込めた3時間の濃密なエギングでした。
<田村昭人/TSURINEWSライター>