体内で色々な症状が!毒は大きく分けて6種類【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】
体内でいろいろな症状が!毒は大きく分けて6種類
毒は体のどこに効くかもさまざま
前記事では毒を由来によって分類しましたが、人体への反応によっても分類することができます。その種類は大きく分けて6つあります。
まず1つ目は「実質毒」です。摂取すると、直接内臓が蝕まれてしまいます。なかには、作用する臓器が決まっているものもあります。
2つ目は「血液毒」。血液に作用し、血を固まりにくくしたり、ヘモグロビンと結合して赤血球が全身に酸素を運ぶのを邪魔したりします。
3つ目は「神経毒」です。神経系に作用して、その生物の動きを制限します。麻痺や錯乱を引き起こすのが特徴です。
4つ目は「発がん毒」です。がん細胞の生成を活発化させる働きがあります。
5つ目の「腐食毒」は、体に触れるとその部分がただれてしまう毒です。水銀や硫酸などがこれにあたり、扱う際は素肌で触れないように細心の注意をはらう必要があるでしょう。
6つ目の「遅延毒」は、毒の症状があらわれるまでにかなり時間がかかります。また、摂取した本人に影響はないものの、妊娠している場合はおなかの子どもに影響が出るものもあります。
毒がどの部位に作用するか、どのくらいで症状があらわれるのかによっても対処法が異なってくるため、摂取してしまった場合には、その種類をしっかり見極めることが大切です。
人体への反応で分ける毒の種類
実質毒
ヒ素、カドミウム、一部のキノコの毒など
体内で吸収されたのちに、直接内臓を蝕む。作用する臓器ごとに種類がある。
血液毒
マムシ、ハブ、クモの毒など
血液に作用する。血を固まりにくくしたり、ヘモグロビンと結合して赤血球が全身に酸素を運ぶのを邪魔したりする。
神経毒
サソリ、コブラ、フグの毒など
神経系に作用する。麻痺や心不全、呼吸困難、錯乱などを引き起こす。
発がん毒
焼き魚の焦げ、ワラビのアクなど
がん細胞の生成を活発化させる。新たながん細胞をつくるイニシエーターと、細胞のがん化を促進させるプロモーターがある。
腐食毒
硫酸、水銀など
触れた部分の細胞や組織を破壊し、皮膚をただれさせる。火傷のような状態になることが多く、痛みなどを伴う。
遅延毒
サリドマイドなど
摂取した本人には影響がないが、妊娠中であると胎児に影響が出たり、長い年月を経て症状があらわれたりするものもある。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次