全国高校バスケットボール選手権大会県予選 男子 終盤に守備ギアを上げ頂点に立った柳ケ浦【大分県】
第77回全国高校バスケットボール選手権大会大分県予選
11月4日 レゾナック武道スポーツセンター
男子決勝
柳ケ浦83(20-21、21-16、19-16、23-8)61別府溝部学園
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選の男子決勝戦は、ここ8年間で激しい優勝争いを続けている2強、柳ケ浦と別府溝部学園の戦い。一進一退の攻防が続き、終始目が離せない試合となった。最終の第4クォーター(Q)で柳ケ浦が競り勝ち、4年ぶりにウインターカップ出場を決めた。
前半は互いに譲らない展開が続いた。たくみなセットプレーや個人技で得点を狙う別府溝部学園に対し、柳ケ浦は強固なディフェンスで応戦。中村誠監督は「前半の37点は取られ過ぎた」と振り返る。失点数が多かった要因を山下凛生(3年)は「ここで負けたら高校バスケが終わると思うと緊張してしまった」と気負い、少々プレーが硬くなってしまった。
流れが悪い時間帯にプレーで支えたのが、柳幌進(同)だった。これまで出場機会が少なかったが、「ディフェンス能力が高く、ゲームを冷静に見てバランサーになれる選手」と中村監督。急成長に期待を込めて先発起用し、そのディフェンス力で悪い流れを止め、要所で得点を決めるなど、しっかりとチームに貢献した。
後半になると緊張がほどけ、山根遼太郎(同)のドライブ、山下の3点シュートが決まりはじめる。運動量と守備強度が高まり、4Qでは相手の得点をわずか8点でおさえた。別府溝部学園の得点源である留学生対策として、ボディアン・ブーバカー・ベイノット(同)とファデラ・ママドゥ(1年)が交代しながら守り抜くという作戦も見事にはまった。
今夏の全国高校総体で16強入りした選手たちは、ウインターカップで(準決勝から1面での試合となる)センターコートを目指す。新チームになってから県内負けなし記録を更新し続けている勢いをそのままに全国で暴れるつもりだ。
チームに落ち着きをもたらした柳幌進
喜びの声
山根遼太郎(3年)
「優勝できてうれしい。前半は自分の持ち味であるスピードプレーがなかなかできず、得点に絡めなかったのが悔しい。柳がリバウンドやブレイクなど、泥臭い部分を必死に頑張ってくれたおかげで点差をつけられなかったと思う。ウインターカップまでに強豪に勝てるチームづくりを意識し、センターコートに立ちたい。
山下凛生(3年)
「前半は緊張して思うようなプレーができなかった。後半では調子を取り戻し、3ポイントやドライブを決められてよかった。もう少し早い時間帯から自分らしさが発揮できていればと思う。ウインターカップに出られることに感謝して、スタートから調子を上げられるように頑張りたい」
柳幌進(3年)
「ウインターカップ出場を決められてうれしい。点差が開いても最後まで安心できない試合だった。緊張も大きかったが、ディフェンスや3ポイントなど、自分の持ち味が発揮できてほっとしている。ディフェンス力をもっとつけなければ全国では通用しないので、フィジカルをさらに強化していきたい」
4年ぶりのウインターカップ出場となる柳ケ浦
(黒木ゆか)