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西田敏行「もしもピアノが弾けたなら」テレビから聞こえてきた音楽〜昭和50年代ドラマ編

Re:minder

1981年04月01日 西田敏行のシングル「もしもピアノが弾けたなら/いい夢みろよ」発売日

歌謡ポップスチャンネル「Re:minder SONG FILE」vol.4〜 テレビから聞こえてきた音楽〜昭和50年代ドラマ編

ハートウオーミングな作品が多かった昭和のドラマ


これまで、「80年代アイドル夏ソング」「80年代シティポップ夏ソング」といった特集で好評を博してきた、歌謡ポップスチャンネルのプレイリスト番組『Re:mnder SONG FILE』。10月の特集は「テレビから聞こえてきた音楽〜昭和50年代ドラマ編」と題し、時代を彩った珠玉のドラマ主題歌を12曲ピックアップします。

思うに、昭和のドラマは決して派手ではないけれど、人々の感情の機微を丁寧に描くハートウォーミングな作品が多かった印象です。主題歌もまた、ドラマのテーマを代弁するかのように、心に染み込んでいく名曲ばかり。番組を観ていただければ、溢れんばかりの優しさを感じ取ることができるでしょう。

登場人物たちの思いを代弁したかのようなもしもピアノが弾けたなら」


このハートウォーミングなドラマの代表格が2024年10月17日に訃報が届いた西田敏行主演の日本テレビ系ドラマ『池中玄太80キロ』。不器用ながら、亡き妻の連れ子である三姉妹を自分の子どものように愛し、奮闘する日々を綴ったこの作品こそ、昭和を代表するハートウォーミングなドラマではないでしょうか。

通信社に務めるカメラマンの池中玄太(西田敏行)、その上司で編集長の楠公さん(長門裕之)、同僚のヒデ(三浦洋一)、アッコ(坂口良子)、そして後輩の半ペラ(井上純一)は、歯に衣着せぬ勢いでいつもケンカばかり。パワハラなんてなんのそのという勢いでした。それは、いつも相手を思うがゆえの行き過ぎた行動が原因だったりするのですが、不言実行でぶつかり合いながらも信頼関係を深めてゆく登場人物たちの優しさ、そして玄太が3人の娘を思う深い愛情が、主題歌である「もしもピアノが弾けたなら」の中に凝縮されていました。

 もしもピアノが弾けたなら
 思いのすべてを歌にして
 君に伝えることだろう

この曲の歌い出しの部分は、玄太をはじめとする登場人物たちのもどかしい心情をストレートに代弁していました。だからこそ、今も昭和のドラマ主題の代表格として、多くの人たちの心に残っているのではないでしょうか?

「熱中時代・刑事編」の主題歌だった「カリフォルニア・コネクション」


また、破天荒ながら、自由に憧れる若者たちの心情を描く作品も昭和ドラマの特徴のひとつです。そんな登場人物の言動をコメディタッチで描き、ハードボイルド的な哀しみも垣間見ることのできる日本テレビ系ドラマ『俺たちは天使だ!』。このドラマの主題歌であるSHŌGUN「男達のメロディー」は、カントリーテイストの疾走感あふれるサウンドが登場人物の心情を代弁しているようでした。

 運が悪けりゃ死ぬだけさ

というサビの部分は、このドラマを観ていた人であれば誰もが口ずさんだはず。身軽で自由な生き方に誰もが憧れた時代でもありました。また、平均視聴率が24.2%という大人気刑事ドラマ『熱中時代・刑事編』の主題歌だった水谷豊の「カリフォルニア・コネクション」もーー

 いつかはふたりで 行きたいのさ
 例えばはるかな 青い空を

と、人生を旅にたとえ、「♪言葉をこえた 愛もあるはず」と、主人公の刑事、早野武(水谷豊)とミッキー・フランクリン(ミッキー・マッケンジー)の純愛を示唆していました。このように、昭和50年代のドラマには、窮屈な日常を脱出した非日常を世界に憧れる心情を体現した主題歌が多かったように思います。

「いとしのエリー」や「蒼いフォトグラフ」といった珠玉のラブソングも


珠玉のラブソングとして有名な、サザンオールスターズの「いとしのエリー」や 松田聖子の「蒼いフォトグラフは、TBS系ドラマ『ふぞろいの林檎たち』『青が散る』といった、青春の光と影を描いた傑作ドラマの主題歌としてもお馴染みでした。

また、同じ青春でも、ティーンエイジャーの苦悩、そして主人公を取り巻く大人たちの揺れ動く心情を丁寧に描いた『家族ゲーム』の主題歌だった長渕剛「GOOD-BYE青春」や、坂上忍が主演した『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』の主題歌になったTHE MODSの「バラッドをお前に」という名曲もまた、鮮烈な印象を私たちに残してくれています。

メロディと共に、ドラマの数々の名場面が脳裏に浮かび上がる主題歌の数々は、懐かしさだけで語られることはなく、今もなおエバーグリーンな輝きを放っています。そう、昭和50年代、テレビから聞こえてきた音楽には、今の時代に忘れかけていた、“ぶっきらぼうだけど、一途に人を思う優しさ” を感じ取ることができるでしょう。

Information
▶︎ Re:minder SONG FILE「テレビから聞こえてきた音楽〜昭和50年代ドラマ編」

ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」が、毎回テーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け。

▶︎ 放送局
歌謡ポップスチャンネル
試聴方法はこちら

▶︎ 放送日時
2024年10月23日(水)深夜0:00〜深夜1:00
2024年10月31日(木)深夜0:00〜深夜1:00

▶︎ 今月のテーマ
テレビから聞こえてきた音楽〜昭和50年代ドラマ編
♪ 男達のメロディー / SHOGUN
♪ 時代遅れの恋人たち / 中村雅俊
♪ カリフォルニア・コネクション / 水谷豊
♪ ガンダーラ / ゴダイゴ
♪ 夜明けのマイウェイ / パル
♪ 僕等のダイアリー / H2O
♪ 蒼いフォトグラフ / 松田聖子
♪ いとしのエリー / サザンオールスターズ
♪ もしもピアノが弾けたなら / 西田敏行
♪ バラッドをお前に / THE MODS
♪ GOOD-BYE青春 / 長渕剛
♪ ロンリー・ハート / クリエーション

▶︎ 番組公式ページ
Re:minder SONG FILE「テレビから聞こえてきた音楽〜昭和50年代ドラマ編」」

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