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関西で過去最大規模の個展「蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影」(読者レポート)

アイエム[インターネットミュージアム]

蜷川実花さんと各分野のスペシャリストによるクリエイティブチームEiM(エイム)による「蜷川実花展with EiM : 彼岸(ひがん)の光、此岸(しがん)の影」が、京都市京セラ美術館で始まりました。

京都国際観光大使を務めた経験がある蜷川実花さんは京都への思い入れが強く、本展の企画にあたり度々京都を訪れ、実際に歩きまわって異界への扉を探した体験も作品づくりに活かされています。本展覧会は関西における過去最大規模の個展となります。


京都市京セラ美術館


作品はCGで制作したものはなく、全て現実世界の写真や映像を用い、鑑賞者は全10話の絵巻に没入しながら異界巡りを体験します。


Breathing of Lives(ブリージング・オブ・ライヴズ)

無数に並ぶ水槽に投影される都市のモチーフには京都の風景もゆらめき、過去と未来が交錯してこの先の体験に期待が高まるプロローグ。


Breathing of Lives(ブリージング・オブ・ライヴズ)


Flowers of the Beyond(フラワーズ・オブ・ザ・ビヨンド)

真っ暗な空間に目が少し慣れてきて、道の両脇は真紅の彼岸花で埋め尽くされていると分かったとたん異界に入り込んだと実感します。まさに彼岸と此岸の境界線。


Flowers of the Beyond(フラワーズ・オブ・ザ・ビヨンド)


Liberation and Obsession(リベレーション・アンド・オブセッション)

目に飛び込んでくる極彩色から蜷川実花さんの心象風景かな?と思ったコーナーです。 作品を構成しているおびただしい数のオブジェは執着や情熱、葛藤を象徴しているそう。 見れば見るほど目が離せず引き込まれて、気が付けば一周していました。


Liberation and Obsession(リベレーション・アンド・オブセッション)


Liberation and Obsession(リベレーション・アンド・オブセッション)


Silence Between Glimmers(サイレンス・ビトウィーン・グリマーズ)

人の背丈ほどの大きなガラスパネルが花畑、蝶、藤、桜、海中の光景へと展開していく中に入り込んだ自分自身を眺めている私。床に映る光と色も柔らかくてほっとする空間です。


Silence Between Glimmers(サイレンス・ビトウィーン・グリマーズ)


Whispers of Light, Dreams of Color (ウィスパーズ・オブ・ライト、ドリームズ・オブ・カラー)

天井から降り注ぐ1,500本のクリスタルガーランドは、光を帯びてきらめく色彩のシャワーに見える幻想的な空間。よく見るとガーランドにはクリスタル、サンキャッチャー、蝶、星、ハート、目玉など沢山のパーツがキラキラと…。その数10万個、一本一本デザインを決めて手仕事で繋ぎに繋いだ壮大なスケール感は圧巻。息を呑むほどほど美しい。


Whispers of Light, Dreams of Color(ウィスパーズ・オブ・ライト、ドリームズ・オブ・カラー)


深淵に宿る、彼岸の夢 Dreams of the Beyond in the Abyss(ドリームズ・オブ・ザ・ビヨンド・イン・ザ・アビス)

本展覧会のハイライトとなる深淵。色鮮やかな造花が咲き乱れる花園とその先の天地が抜け落ちるような奈落とで構成されていて、天上の世界のようでもあり、黄泉の奥底のようでもあり、圧倒的な質量にたじろぎ共鳴します。まさに異界めぐりのクライマックスでした。


Dreams of the Beyond in the Abyss(ドリームズ・オブ・ザ・ビヨンド・イン・ザ・アビス)

Dreams of the Beyond in the Abyss(ドリームズ・オブ・ザ・ビヨンド・イン・ザ・アビス)


Liminal Pathway(リミナル・パスウェイ)

強い光と影の「影彩色(えいさいしょく)」の作品群に没入した後、再び現実へと紡ぎなおす道を抜けると


Liminal Pathway(リミナル・パスウェイ)


こだわりのデザインのグッズが並ぶミュージアムショップへと続きます。


ミュージアムショップ


本展では、光と影、彼岸と此岸、虚構と現実など相反するものの境界線を越えて自分自身の記憶や感情とつながる未知の体験ができます。初めて美術館に足を運ぶ方も、また美術館に通い慣れた方も新鮮なトキメキがあると思います。 日本に現存する最古の公立美術館「京都市京セラ美術館」において繰り広げられる異界巡り全10話の“絵巻体験”に是非お出かけください。

[ 取材・撮影・文:hacoiri / 2025年1月10日 ]


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