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空き家再生利活用で価値創造 横須賀東浦賀 石蔵付商家の現代利用 自家製味噌販売の拠点に

タウンニュース

味噌作りワークショップ。建物の所有者の幸保さん(中央)が講師役

江戸時代に干鰯問屋が栄えた浦賀。その名残として今でも十五棟前後の石蔵がそのままの形で残されている。

浦賀湾東側の街路沿いにある米穀商だった幸保邸の石蔵は1915(大正4)年に建造されたものだが、25(大正14)年に建てられた商家とともに近く、国登録有形文化財として登録される見通し。と同時にこれを活用して地域交流の拠点にしていく新たな試みも動き出している。

中心人物は持ち主の幸保節子さん。古民家の趣と風情を残しながら、自家製味噌の製造・販売を行う店舗の開設をめざして準備を進めている。夏でも湿気がこもりにくい石蔵は、仕込んでから熟成期間を必要とする味噌の格好の保管場所なのだという。

平成が終わる頃まで幸保さんの夫の叔父が米販売店を営んでいたが、約2年前から空き家状態になっていた。「このまま朽ちさせてしまうのは忍びない」─。幸保さんには、欧州の古い建物を大切に活用する文化への憧憬があり、活用方法を模索する中で、趣味にしていた味噌づくりが頭に浮かんだ。三浦半島には味噌の醸造所がほぼ存在しないため、「石蔵醸造をウリにした自家製味噌の需要を掘り起こせる」と見当をつけた。

味噌の原材料として当初は国産大豆の使用を検討していたが、安定した調達が困難であるため米国産のひよこ豆に。これを「ペルリ味噌」としたほか、合わせ味噌を「横須賀トモダチ味噌」とネーミングして、看板商品化していく計画。現在仕込み中の味噌は6月末に完成するため、当面は販売を行わずに味噌づくり体験のワークショップなどを通じて地域とのつながりを築いていく考えだ。

商家の2階にある畳部屋は、レンタルスペースとして開放し、クラフト作品や趣味の展示会、歴史講座などの地域交流の場としていく。蔵は映画やドラマの撮影場所として貸し出すために地元のロケサービスとも連携。多目的な使用で収益力を高めて、ビジネスとしての確立をめざす。

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